待望のkintoneコネクターがグローバルリリース その背景を聞いた
現場発の内製化に目覚めたkintoneユーザー CData Arcならデータ連携も自らの手で
提供: CData Software Japan
B2B連携を容易にするCData Arcに、待望のkintoneコネクターが追加された。これにより、現場発の内製化に目覚めたkintoneユーザーは、データ連携の自由を得ることができる。なぜkintoneユーザーこそCData Arcを使うべきなのか? CData Software Japanの色川穂高氏に話を聞いた。
kintoneユーザーが外部連携を求めるフェーズに
サイボウズのkintoneが絶好調だ。「業務改善のために自らアプリを作りたい」という現場の要望に答える形で順調にユーザーを増やし、導入企業数は現在3万1000社を突破している。
しかし、kintoneのようなツールが生まれる前、現場が業務改善のために自らアプリを作るという選択肢はなかったと言えよう。多くの中堅中小企業は、柔軟性の低いカスタムメイドのシステムやオンプレミスのパッケージを導入していた。ITの主導はあくまでベンダーが主体で、情報システム部はSIやパッケージのベンダーとの折衝が中心だった。基幹システムはあくまでSoR(System of Record)という名前の通り、業務データをレコードするのみにとどまり、攻めのITは難しかった。
事業部門が基幹システムのデータを利用したサブシステムを作ろうにも、開発はコストがかかるので、現場のメンバーはExcelを駆使する創意工夫が求められた。とはいえ、Excelのアプリ化はどうしても限界があり、複数ユーザーの共有が難しく、ファイルが肥大化すると、データが壊れたり、開くのに時間がかかったりといった不具合が生じていた。
このように過去の手組みのカスタムシステムからkintoneへの移行は本格化しつつある。ここで大きな課題となってくるのが、kintoneと基幹システムとの連携だ。CRMやSFAなどkintoneのアプリが業務に近づけば近づくほど、基幹システムとの連携は避けられなくなる。しかし、基幹システムの管轄はあくまで情報システム部門であり、現場部門が基幹システムとつなぐのは難しいというわけだ。
こうした課題を解決するのが、CData Softwareの「CData Arc」になる。製品を担当する色川 穂高氏は、「kintoneとの連携についてはIT部門でない事業部門のユーザーからの相談をいただくことが本当に増えてます。最新のkintoneマガジンで「kintoneと外部システムの連携」が大きく取り上げられていたりと、外部連携ニーズがとても高まっている状況を感じます」と語る。
kintoneコネクターはなぜグローバルリリースとなったのか?
コネクティビティを軸に、ドライバーからETL/ELT ツール、クラウドデータ仮想化まで幅広い連携ソリューションを提供するCData Software。今回紹介するCData Arcはもっともアプリケーションレイヤーに近いサービスで、ファイル転送やEDI、EAIなどのB2B連携をオールインワンで提供する。グローバルでは2000年代から提供している老舗のサービスで、EDIに強いESB(Enterprise Service Bus)として認知されている。幅広いデータ連携を可能にするコネクターやドライバーは、もちろん同社の製品・コンポーネントをフル活用。さらにノーコードツールなので、誰でも簡単にデータ連携を設計できる。
10月に発表されたのは、CData Arcのkintoneコネクター。今まではCData Arcと別売りのkintoneドライバーを導入することで実現していたデータ連携が、CData Arcの標準コネクターで実現される。既存のkintoneドライバーで実現したSQLでのCRUD操作やサブテーブル、バルク処理、添付ファイル操作に加え、接続情報の共通化、Webhook受信、Upsertアクション、アプリレコード/テーブルレコードの連携なども可能になっている。
しかも今回は、グローバルリリースなので、全世界で提供される。では、なぜkintoneコネクターがグローバルでリリースされることになったのか? もちろん、ガートナーのマジッククアドラントでのkintone への高い評価、GoogleのiPaaS製品『Application Integration』でのkintone 採用といったグローバルでの実績も大きいが、CData社内で一致したのはkintoneユーザーとCData Arcとの相性のよさだという。「われわれからすると、kintoneで自ら業務改善を進め、成功体験を得られている会社が3万社もあるという印象です。自ら作りたいお客さまこそCData Arcを選択するメリットも大きいと思います」と色川氏は語る。3万社を超えるkintoneユーザーは、自分たちで業務改善を進められることにメリットを感じる企業であるという点だ。
処理と設定が透明なので、kintoneユーザーならがんばれる
CData Arcをkintoneで使う場合で一番多いのは、基幹システムとして使用しているオンプレミスのデータベースとつなぐパターンだ。Oracle、SQL Server、IBM DB2、PostgreSQL、MySQLなど、今までIT部門と外部ベンダーが必要だったデータベース接続を、現場部門がCData Arcで実現することができる。色川氏は、「オンプレDBとの接続は、いわばCData Arcの鉄板とも言えるユースケースですが、IT部門に依存しないで、連携の部分は自らやりたいと考えるお客さまが増えてきた印象ですね」と語る。実業務で必要なシナリオの考慮ポイントをカバーする親子関係のデータ構造(サブテーブル)を含むマッピング、フィルタリングでのkintone データの差分取得、バルク処理などの機能も大きいという。
基幹システムとの連携というとお値段が気になるが、キャンペーン価格ながら、月額数万円でkintoneと他のシステム1つと接続できる。「今のkintoneユーザーは、連携は1つに収まりません。だから、どんなシステムと、どうつなぐかじっくり吟味いただいて、スモールスタートしてもらい、段階的に増やしてもらえればと思います」と色川氏は語る。
ノーコードツールとしての使い勝手はどうだろうか? 前身であるCDataのESB製品では設計画面もプロ向けの無骨なローコードツールだったが、CData Arcに生まれ変わって現場で使いやすいユーザーインターフェイスに作り直されている。実際にCData Arcの画面を見せてもらうと、接続元と接続先をパーツでつなげて、フローを設計すればよいのでわかりやすい。
今回の場合はkintoneコネクターとデータソースを選択すればよい。両者の間にはさまざまな処理を行なうコンポーネントを配置できるが、フロー内で行なわれている処理や設定は透明化されているので、設計が属人化しにくい。また、パーツの独立性が高いので、パーツ単体にデータを流し込み、入力と出力の処理をテストすることができる。「入力に対する結果と設定がユーザーにとってわかりやすいので、IT部門ではないkintoneユーザーでも、これならがんばれると思います」(色川氏)。
kintoneをメインプラットフォームで使うユーザーも増えてきた
CData Arcは提供形態を選べるのも大きな特徴。オンプレDBとの連携を前提としたパッケージ提供、IaaS連携を前提としたキッティング済みのAMI(Amazon Machine Image)での提供、SaaS連携を前提としたiPaaSとしての提供もカバーする。色川氏は、「データ連携基盤の位置や構成は使っているシステムによります。その点、kintoneコネクターはグローバルリリースとなったことで、あらゆる形態で提供できます」とアピールする。提供形態は異なっても、ユーザーインターフェイスは共通なので、迷わず利用できるという。
最近増えているのは、kintoneをメインプラットフォームとして使っている場合。売上や会員、テナントの管理などをkintoneで行なうため、クラウドストレージ、名刺管理クラウド、決済システム、マーケティングオートメーションなど、専用システムのデータソースと連携する必要がある。また、kintoneに集めたデータを可視化したり、分析するためにはQuickSightやAthenaなどAWSのサービスを活用したくなる。
こうしたkintoneを中心にしたデータの入力と出力。両者の連携にはもちろんCData Arcが最適だ。「これらのお客さまはリテラシ面でも、マインドセット面でも、自ら手がける範囲がkintoneに閉じません。kintoneをプラットフォームにし、さまざまなSaaSやクラウドと連携することを前提として、CData Arcを採用してくれます」と色川氏は語る。また、kintoneの運用を改善するため、コメントや通知を集約するようなフローもCData Arcで構築することが可能だ。
さらにkintoneとBigQueryとの連携においても、CData Arcはフル活用できる。「事業部門のプラットフォームであるkintoneのデータをGoogle BigQueryと連携し、分析結果をkintoneに書き戻すリバースETLのような処理は、CData製品ではArcだけができます。今まで数千万~数億円かけていたようなソリューションを現場の発案で安価に実現できるんです」(色川氏)。
CDataとしてkintoneユーザーに提供したいのは、データ連携の設計を現場自身が行なえるという自由度だ。そして、内製化の価値に気がつき、自ら業務改善を進めるべく「覚醒したkintoneユーザー」こそ、このCData Arcを使う価値があるという。「これからkintoneを活用するにあたって必要なデータ連携が、CData Arcですべてカバーできるという点です。ノーコード・ローコードツールは、どれも一定の学習や慣れは欠かせませんが 、透明性もあり、学習する価値があります。kintoneユーザーにはぜひ使いこなして欲しいツールです」と色川氏はまとめる。
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