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印南敦史の「ベストセラーを読む」 第15回

『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(加藤俊徳 著、サンマーク出版)を読む

社会人の勉強がはかどる2つのタイミング

2023年12月07日 07時00分更新

文● 印南敦史 編集●ASCII

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朝の短い時間で勉強し、それを一日かけて定着させる

 脳は、こまめに復習することによって、それを大事な情報だと認識して記憶するのだという。そんな特性を最大限に活かすために有効なのは、朝に勉強すること。しかも、ほんの少しの時間でいいようだ。

 朝の脳は眠りによってリセットされた状態であり、そもそも脳にはデッドラインを好むという性質がある。したがって、短時間でも効率よく学びを深めることができるわけだ。

朝、学んだ内容を移動時間や隙間時間にこまめに復習(見たり聞いたりするだけでOK)し、1日を通して脳との連続性を維持し続けます。そして、眠る前に仕上げの復習をすれば、記憶としてしっかり定着させられるというわけです。(215ページより)

 まさに、忙しい現代人には最適な手段だといえそうだ。

仕事終わり直後は絶好の勉強タイム

 もうひとつ、「勉強に適した時間」についてのポイントも記憶にとどめておきたいところ。具体的には、「仕事終わり直後」こそが絶好の勉強タイムだというのである。

 仕事に必要な脳番地が機嫌よく働いてくれるのは、8〜10時間ほどなのだそうだ。そのため仕事が終わってから、仕事内容に似たような勉強に取り組んでも、脳は思うように働いてくれない。

 なのになぜ、仕事終わり直後が絶好の時間なのか?

 それは、脳全体が疲れ切っているわけではないからだ。たとえば営業職や接客業など人と接する機会の多い職種の人は、言語力を担う伝達系脳番地を酷使していることになる。事務職などデスクワークが中心の人であれば、おもに視覚系脳番地や思考系脳番地を酷使している状態だ。

 つまり疲れているといっても、脳全体が疲れ切っているわけではなく、一部の脳番地を酷使している状態なのである。そのため、日中ほとんど使うことのなかった脳番地を刺激することで脳はリフレッシュし、疲れているという意識から自分を解放することができるというわけだ。

 当然ながら絶対条件は、仕事で酷使したのとは異なる脳番地を使うこと。

デスクに座っている時間が短い人であれば、帰宅途中のカフェや自宅でテキストを広げて視覚系脳番地を刺激してみたり、仕事中にあまり会話する機会がないのであれば、オンラインで英会話のレッスンを受けるのもいいでしょう。
音読で自分に読んで聞かせたり、勉強した内容を自分が先生の立場になったつもりでひとり授業を開催してみたりして伝達系脳番地を働かせましょう。
また、散歩をしたりジムに通ったり、指先を動かすような趣味に取り組んだりして運動系脳番地を刺激するのもおすすめです。(224ページより)

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