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PCからエッジ、データセンターまでのソリューションを紹介、「Lenovo Tech World Japan '23」

AIワークロードが分散化していく未来にどう備えるか ― レノボ

2023年12月06日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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「Lenovo Tech World Japan '23」が東京・赤坂で開催された

 レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)は2023年12月5日、年次カンファレンス「Lenovo Tech World Japan '23」を東京で開催した。10月に米国で開催されたイベントと同じく、開催テーマは「AI for All」。AI/生成AIの活用による「インテリジェントな変革」をあらゆる企業/人に届けるための、レノボのテクノロジーやソリューションが紹介された。

 キーノートセッションにはレノボ・ジャパン 社長の檜山太郎氏、同社 副社長の安田 稔氏、LES 社長の多田直哉氏らが出席し、AIによる変化の本質とは何か、また“ポケットからクラウドまで”をカバーするレノボのデバイス/ソリューション群を通じて、顧客企業やパートナーとどのように伴走していくのかを紹介した。

レノボ・ジャパン 代表取締役社長の檜山太郎氏

レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田 稔氏、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES) 代表取締役社長の多田直哉氏

「AIの側から人間に寄り添ってくれる」時代の始まりとレノボの役割

 檜山氏はまず「AIによる変化の本質とは何か」という議論からスタートした。

 コンピューターによる人工知能(AI)の実現というコンセプトは、コンピューターの黎明期である1950年代からずっと存在する。その後、1970年代のエキスパートシステム、2000年代の機械学習、2010年代のディープラーニングと、AIをめぐるテクノロジーは長年をかけて進化を続けてきた。これが現在のAIにもつながっている。

 ただし現在、AIが大きな注目を浴びているのは「これまでの流れとは少し違う動き、新しい動きをしているから」だと、檜山氏は説明する。従来のAIは、必要なアウトプットを人間が考えながらインプットや操作を行う必要があった。一方で、現在のAIは「初めて技術から人間に寄り添ってきて、さまざまな予測や提案を行うようになっている」(檜山氏)。AIの側から人間に寄り添ってくれること、ここがこれまでとの大きな違いだと、檜山氏は繰り返し強調する。

 「AIが人間に寄り添い、仕事などをサポートしてくれることで、人間は自分の時間を『価値創造』のほうに持っていける。ここが非常に重要な点だと、われわれは考えている」(檜山氏)

 もうひとつ、“ポケットからクラウドまで”のコンピューティングデバイスを提供するレノボとして強調したのが、AIワークロードを適材適所で配置し、実行するというコンセプトだ。10月の米国Tech Worldでは「ハイブリッドAI」ビジョンとして紹介されていたが、AIワークロードをパーソナル(従業員個人)/プライベート(個別企業)/パブリック(不特定多数)に分類し、それぞれの場所の特性に合わせて活用していく。こうした考え方である。檜山氏は、そうしたAI活用の時代に備えて、レノボでも対応するデバイスを準備していると説明した。

AI/生成AIのワークロードをすべてクラウドで実行するのではなく、適材適所でパーソナル/プライベート/パブリックに分類し、配置するコンセプト

それぞれの用途や特性に応じたコンピューティングデバイスを提供できるのがレノボの強みだと強調した

 さらに檜山氏は、コンピューティングデバイスの提供にとどまらず、すぐに導入/活用できるAIターンキーソリューションの開発を行うパートナーエコシステムの形成、エキスパートによる企業のAI活用支援なども行うことで、「AI活用を共に伴走していく」姿勢だと語った。ISVパートナーエコシステムである「Lenovo AI Innovators」では、すでに世界50以上のパートナーと150以上のターンキーソリューションを展開しているという。

AI処理に最適化されたデバイスに加えて、ISVパートナーエコシステムとの協業によるターンキーAIソリューション、エキスパートの知見に基づくベストプラクティスも提供している

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