小中学生向けITコンテストEXA KIDSが6回目の開催となったEXA KIDS 2023が11/26(日)に開催。本格パズルゲーム・CGアニメーション・ハード系プロダクト・実用的なアプリなどが受賞。
NPO法人EXA KIDS
ITキッズたちから見たセカイ、ITキッズの中にあるセカイ、そして実現したいセカイ。本格パズルゲーム・CGアニメーション・ハード系プロダクト・実用的なアプリ・プロジェクトなどが並んだ。
6回目の開催となったEXA KIDS 2023が11/26(日)に開催。 過去最高のエントリー数の中から選び抜かれた25組(チャレンジコース10組、エキスパートコース15組)による、最終プレゼンが実施されました。 海外からの参加も3組とまさしくセカイを股にかけたコンテストとなりました。 審査員や視聴者が思わず泣いてしまう場面や、感心で言葉が出なくなる場面、その場でプロダクトをみんなが試し始める場面など多種多様な盛り上がりを見せました。 チャレンジコースの最優秀賞はScratchで作成されたitsutomo(小学6年生)くんの『バランスゲーム』。 シンプルなゲームながらも作り込まれたグラフィックや、社会問題も取り入れたモードなどが評価されました。 エキスパートコースの最優秀賞はBlenderで作成された蓬田 悠太(小学6年生)くんのCGアニメーション『瓦礫の下の赤い希望』。 言語を使わずに映像だけでストーリーをしっかりと伝えるなど、非常に高い完成度が評価されました。
EXA KIDSとは
NPO法人EXA KIDSが主催する小中学生がITを活用して作ったオリジナル作品をプレゼンするコンテストです。応募作品はプログラミング作品だけでなく、ITを活用したものづくりなら何でもアリとなっています。使用言語やプラットフォーム、ツールは限定しません。
EXA KIDS 2023 特設WEB:https://contest.exa-kids.org/2023
EXA KIDS 2023の公式テーマは『セカイ』
「世界」とは、地球や国だけの話ではない。
身近な人間関係、昨日見た夢の話、歴史上の出来事、想像上の生き物、物語やゲーム、ひとりの時間。
キミの世界は、キミが体験したり感じたり考えたりしたもので作られているんだ。
それは時を越え、空間を越え、そして想像を越えていく。
キミのアイディアで、キミの見ている「セカイ」を作りあげてくれ!
特別審査員の皆様
今回はこちらの6名の皆様に特別審査員を務めていただきました。
中村 隆之(東京工芸大学 芸術学部 ゲーム学科 教授)
松山 洋(株式会社サイバーコネクトツー代表取締役)
橋本 正徳(株式会社ヌーラボ 代表取締役)
竹下 暁子(山口情報芸術センター[YCAM]パフォーミングアーツ・プロデューサー)
古林 侑樹(ITeens Lab代表)
竹林 暁(株式会社TENTO代表)
MC:近藤 悟(EXA KIDS 2023 実行委員長)
一般審査員
今年のEXA KIDSでは新しい試みとして、特別審査員だけでなく一般視聴者の方々にも少しずつ審査員を務めていただきました。
100名の一般審査員の方々の投票により、多様な評価軸を用意しました。
【チャレンジコース受賞者】
チャレンジコースは以下のような方向けのコースです。
EXA KIDSに参加するのは初めて
初めての作品制作
初めてのコンテスト
コンテストでの受賞経験がない
気軽にエントリーしたい
友達が欲しい
小学生くらいが目安
最優秀賞:itsutomo /バランスゲーム(小学6年生)
Scratchで作られたシンプルなゲームながら、圧倒的な完成度で満場一致で最優秀賞となりました。
てこに重りを乗せていき、バランスをとるゲーム。
普通の重りだけでなく、国の核の保有数などもゲームに盛り込み世界のバランスを取る、というメッセージも込めました。
バランスゲーム:https://scratch.mit.edu/projects/921657094
<審査員コメント>
中村「社会問題に結びつけるところがグッときました」
松山「ゲームデザイナーとしてロジックが凄すぎる。プレゼンがうますぎ。お見事。」
橋本「最初、普通のゲームだと思ってプレゼンを聞いていましたが、とてもメッセージ性の強い作品だということがわかりました。」
竹下「てこというシンプルでかつ美しい原理の効果を最大化していますね!・ものを置くときにシーソーに点線が出る→プレイヤーの気持ちよさがデザインされていますね。」
古林「シンプルなルールでゲーム性やテーマがとても広がっているのが感動でした。 グラフィックやゲームの手触り感も非常によくて気持ちよかったです。」
竹林「落ちる場所の「ガイド」の表示にぐっときました。」
優秀賞:Lily/Tabicoding(小学6年生)
いくつもの要素が詰まったTabicodingというプロジェクト。旅をしながら行き先で得たインスピレーションをもとにp5.jsでアート作品を作り、ギャラリーとして公開しています。
また他の人も同じような活動が出来るようにチュートリアルなども用意。
https://tabicoding.com/
<審査員コメント>
中村「タイトルでやられました!」
松山「正直恐ろしいレベルですね。いま一般企業の多くが開発しているサービスを個人で作り上げている点に脅威すら感じています。天才少女って実在したんですね。」
橋本「tabicording.com の仕組みもいいのですが、各アート作品もとても綺麗でいいですね。アート作品が綺麗だからこそ、tabicordingがみんなに注目されるものになっていくと思います。」
竹下「Tabicodingっていうバズワード、旅に出たらこれからはコーディング!というエネルギーがあるのがまず魅力的です。英語や日本語だけでなく色々な言語、音声、映像でコミュニケーションを取ろうとしているところも、アクセシビリティの視点からして素晴らしいです。」
古林「作品というよりムーブメントにまで発展している感じが本当にすごいなと思いました!」
竹林「p5.jsの作品の素晴らしさに終わっていないところが想像を超えています。」
準優秀賞:あやーにゃ/じどう紙芝居(小学2年生)
micro:bitなどを使用し、自動でアニメーションのように紙芝居が再生される仕組みを作成。
<審査員コメント>
竹下「紙、手書きの手触り(テクスチャー)と回転するデバイス、流れる人工的な音声の対比(コントラスト)がとてもいいですね。ストーリーテリング、アニメーションの200年ぐらいの歴史に連なるすごい作品です。 」
準優秀賞:川口 聡介/食虫植物から脱出せよ!(小学5年生)
https://www.roblox.com/games/14539555453/unnamed
Blenderで作った虫や食虫植物を使ってRobloxでゲームを作りました。
<審査員コメント>
橋本「食虫植物になるのではなくて、アリになることによって、食虫植物をいっぱい出現させることができているゲーム設定が素晴らしい。」
その他受賞者一覧
【エキスパートコース受賞者】
エキスパートコースは以下のような方向けです。
EXA KIDSのファイナリストになったことがある
他のコンテストでの受賞経験がある
頂点を目指したい
敗北を知りたい
より良い賞品が欲しい
本気でエントリーしたい
ライバルが欲しい
中学生くらいが目安
最優秀賞:蓬田 悠太/瓦礫の下の赤い希望(小学6年生)
Blenderで作ったショートアニメーションです。セリフが無くてもしっかりとストーリーの伝わる演出が素晴らしかったです。
プレゼン終了時には審査員たちが絶句し、スタンディングオーベションのような異様な空気になりました。
瓦礫の下の赤い希望:https://www.youtube.com/watch?v=9jku6csQRJM
<審査員コメント>
中村「作品として見せる、は嘘じゃなかったです!」
松山「スペキュラーも反射も設定されていてただの映像というだけでなく技術的アピールポイントもあって、ただ脱帽です。ぜひ弊社で採用したいです。」
橋本「自分のためではなく、見たいと思っている人へ向けて作品を作っている点、まさにプロフェッショナルな視点だと思います。」
竹下「技術力が高すぎてまずびっくりしすぎました。ノンバーバルのストーリーで、多くの人が味わえる作品であることも注目のポイントです。」
古林「映像作品としての構成がめっちゃしっかりしてて見ごたえのあるムービーでした。」
竹林「物語や演出も素晴らしいと想いましたが、映像面ではトカゲの目の強さが気に入りました。」
優秀賞:しゃるる/OPQRcoder(中学1年生)
QRコードにイラストを設定出来るアプリを制作。実際にストアでのリリース、そしてなんと特許も申請中とのこと。
とても実用的なアプリなので、その場で審査員や視聴者もどんどんダウンロードしていました。
IOS:https://apps.apple.com/jp/app/opqrcoder/id6464173069
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=de.opqrco.app.as&hl=ja
<審査員コメント>
中村「購入しました。特許申請もお金がかかると思うのでもっと売れるといいですね。」
松山「実用レベルでビジネスできますね、これ。凄い。こちらこそ勉強になりました。ありがとうございました。アプリ購入しました。」
橋本「実用的だし、アイデアも優れているし、これはすごいんじゃないですか? 是非課金して使いたいと思います。」
竹下「発想ープロトタイピングー実験ー特許と一連のプロジェクトとしての強度があるし、発想からの起爆力がすごいです。グラフィックデザイン上で、全体のデザインとの親和性を取れたり、動画の中で使用して、読み取る行為を面白い体験のデザインにするなど、今後の展開の伸び代もかなりありそうで、期待しています。」
古林「着目点がすばらしいと思いました!! 読み込みテストをしっかりやってるのもナイスです。 リリースして特許申請までやっちゃうのも本当にナイスです。 どんどんやってほしい」
竹林「アプリのアイデアも素晴らしいですが、プレゼンの途中で見せてくれた検証動画がかっこよくてとても印象に残りました。こういったプロデューサーとしての手腕を見てますます今後が楽しみになりました。」
準優秀賞:あんじ/猫の居る小さなセカイ(中学2年生)
箱の中に猫のホログラムを映し出すプロダクトを開発。猫アレルギーで猫を飼えない方や、ペットロスになる方がとても喜ぶ作品かもしれません。
<審査員コメント>
竹下「存在感をデザインするというのがテーマですね。それが映像を入れ替えることなどでハンディに達成するというデザインが素晴らしいです。」
松山「欲しくなるユーザーニーズを完璧に組み上げている点に驚きです。ロスを埋められる素敵なシステムだと思います。ペッパーズゴーストか、勉強になりました。素晴らしい。」
準優秀賞:syake/Puzzle of Ray(中学1年生)
https://scratch.mit.edu/projects/927981754/fullscreen/
レーザーの反射を使ったパズルゲームです。反射の仕組みや気持ちよくプレイするための工夫などが詰まったゲームです。
<審査員コメント>
松山「即採用レベルで、今の大学生やゲーム系専門学校生が制作しているレベルでクオリティが高いです。人よりも10年早く生きてますよ。1次審査からの改善点も全部正しいですよ。」
古林「これは本当~~~~~にいい作品だと思います。 作り込みもすばらしい。 スマホアプリとかで出したら本当に流行りそうだと本気で思います。」
その他受賞者一覧
【特別審査員からの総評コメント】
松山「本当に恐るべき子供たちが実在してたんだな、と。皆さんはきっとなりたい自分になれる人だと思いますのでこのままクリエイティブを突き詰めてください。」
橋本「エンターテイメントとしてもすごく価値のある発表でした。」
竹下「これからもどんどん外の世界に出ていって、面白いトピックを探してもらえたらと思います。」
古林「お世辞じゃ無く本当に全て感動した作品ばかりでした。皆さん自信を持ってください。」
中村「若い才能のある方々は宝だと実感しました。チャレンジし続けて欲しいと思います。」
竹林「大人と子供の境界が無くなって、皆さんと一緒にこれから世界を作っていくんだな、と思っています。」
【視聴者のコメント】
世界中からの参加している子がいたので「世界大会だね」!
将来 絶対に何者かになる人の中学生時代を見た気がする
作品もすごいんだけどみんなプレゼンが上手すぎる。 私もこんな上手にプレゼンできたらいいなあ!
もう毎年言ってるけどエクサキッズは大人こそ見るべきだからな…この世界の未来である子ども達がこんなに頑張ってるんだ…私も頑張らねば…!!!!と背中を押されるよ。
プログラミングだけじゃなくて、ITテクノロジー使ってる作品なら何でもアリなのがめっちゃいいんだよね。 2019年分から拝聴してるけどそのころの子たちが様々にご活躍されている。
選ぶの無理、、、と思いながら投票したよ。
EXA KIDSは、作品の幅の広さとそれぞれの世界観へのこだわりの強さがすごくて、それを具現化するためにテクノロジーを学んで製作してる感がすごいいい。 ビジュアルとかのこだわりとか、審査員の方々の雰囲気の良さがつくってる世界観な感じもして、毎回見てるのが楽しい。
エクサキッズで泣くことになると思ってなかった
プレゼンも作品も、大学生以上のレベルで、人間何回目ですか?と何度も聞きたくなる場面がありました。
エクサキッズみると希望的に未来見れる気になる
EXA KIDS 2023 本編ライブ配信アーカイブ
https://www.youtube.com/live/_T_5XapI174?si=4gsFY7jugCCqIvcM
【運営】
NPO法人EXA KIDS
https://exa-kids.org