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業務を変えるkintoneユーザー事例 第212回

現場を取り残さない、大山乳業農協・新生・長谷川鉄工のDX事例を見る

kintoneがつなぐDXのラストワンマイル 牛舎でも、工場でも、屋外でも

2024年01月09日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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長谷川鉄工:LINE WORKS×LITONE×kintoneでつなぐ鉄骨製造現場のDX

LINE WORKSを使っていたのでいつものExcel報告書がパソコンじゃなくてスマホに打つだけで作れたらなーと思ってたら、「それ、できるよ!」と言われてチャット形式で打ち込むだけで提出用の報告書ができちゃったというお話

 最後に、青森で建築鉄骨の製造から施工まで手掛ける長谷川鉄工の取り組みが、サイボウズ アライアンスビジネス開発部 大南友誉氏から披露された。

 長谷川鉄工の現場では、報告書を作成する煩雑な業務に悩まされていた。自治体への提出義務のある書類が多数あり、鉄骨製造の検査表ではExcelのフォーマットに写真も付けなくてはいけない。書類作業のためだけに、現場から事務所に戻って残業することもあり、長時間労働にもつながっていた。

 この報告書作成を、社内活用しているLINE WORKSでどうにかできないかと思いついたのが変革のスタートだったという。

 さっそくLINE WORKSに聞いてみると「それ、多分できますよ!」との回答。解決策となったのはGlobalBの提供する「LITONE for kintoneシリーズ」だ。「LITONE for kintone for チャットボット」がチャットボットを介してLINE WORKSとkintoneをつなぎ、「LITONE for kintone for Excel」はkintone上のデータをExcelに出力することができる。

 現場では、LINE WORKSのチャットボットの“どこの現場ですか”“写真をアップロードしてください”といった指示に応えていくだけで報告書が作成できるようになり、データはkintoneに自動登録される。後は、LITONE for kintone for Excelにより、ボタンひとつで出力する。

実際の利用している画面。現場でbotに回答するだけで、検査報告書の作成を完了できる

データの入力は現場で済ませているため、誰かが報告書を出力するだけでOK

 

 これらのプロセスの改善により、データ登録はスマホで完結し、スムーズな書類提出を実現。担当者は事務所に戻る必要がなくなり、登録スキルも不要になったため教育コストも最小化、メンバー病欠時にも対応しやすくなり、休暇も柔軟にとれるようになった。この成果は、使い慣れたLINE WORKSをプロセスの中核にしたからこそ実現したという。

 長谷川鉄工では、1社目の大山乳業農協で登場したonboardの利用も開始し、必要項目が多い検査表においてチャットボットからonboardへ切り替え、さらなる業務改善を進めている。今後は、kintoneに溜まったデータを自動集計することで、Excelでの作業時間も短縮する予定だ。

 長谷川鉄工の代表取締役社長 長谷川睦氏は、「休みを増やして、給料も増やすという目標にどんどん近づいており、今後さらに生産性をあげていきたい」とコメントを寄せた。

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