Windowsは、表示などに使う「言語」を切り替えることが可能になっている。基本的にはWindowsに「言語パック」を組み込む。これによりメニューなどをローカライズすることができる。言語パックは複数組み込むことが可能だが、表示用に選択できるのは1つだけだ。
Windowsの設定関係で「言語」といえば「言語パック」のことを指している。なお、Windows 10 Ver.1803から言語パックの名称を「ローカルエクスペリエンスパック」(LXP、Local Experience Pack)として、Microsoftストアからのインストールが可能になった。なお、OEM向けなどには、言語パックファイルがCAB形式で提供されており、「言語パック」も存在する。
このため、Microsoftのサイトやドキュメントでは、「言語パック」の表記が大量に残っている。Windows 11の設定で言語を追加するときには言語パックと表記され、これをインストールしても、Microsoftストアアプリにはローカルエクスペリエンスパックがインストールされたという記録になる。2つの名前は面倒なので、ここでは、以前からの名称である「言語パック」を使う。
言語パックは、Windowsで言語を扱うためのリソース(フォントなど)や機能モジュール(OCRや手書き文字認識)などから構成される。この中には、「基本」「フォント」「OCR(光学式文字認識)」「手書き文字認識」「テキスト読み上げ」「音声認識」といった機能が含まれる。ただし、1つの言語パックには「基本」は含まれるが、それ以外は、「オンデマンド機能」として別になっていることもある。言語のオンデマンド機能は、あとから個別にインストールできる。
Windows上で動作するアプリケーションに対しては、表示用言語はロケール(Win32)あるいはカルチャ(.NET)として提示される。どちらもロケールの基本形式である言語名と地域名を組み合わせたBCP47(RFC5646、RFC4647)による名称を持つ。これは、ロケールに対する数値などの表示形式を含む情報である。カルチャは言語にも依存するが、地域により強く依存する。
言語のGUIでの設定
Windowsの言語設定は、Windows 11設定アプリの「時刻と言語」→「言語と地域」から可能。ここにある「言語」が言語パックのインストール関連の設定(設定項目としては言語の追加ボタン)と、「Windowsの表示言語」の設定である。
これに対して「地域」は、カルチャの設定に相当する。基本的には「国または地域」を選択することで、日付や数値、金額の表示方法などが決まる(ただし、必ずしも1つとは限らない)。「地域設定」では、同一カルチャ内での変種を選択する、あるいはカスタムカルチャとしてユーザーが指定する。
言語パックのインストール、アンインストール
言語パックのインストールやアンインストールは、Windows 11 Ver.22H2からは、PowerShellを使いコマンドラインからも可能になった(要管理者権限)。以下の表はPowerShell/Windows PowerShellで利用できる言語パック関連のコマンドである。これらのコマンドは、LanguagePackManagementモジュールに含まれる。
このコマンドでは、言語パックのインストール(Install-Language)、アンインストール(Uninstall-Language)が可能。そのほか、インストールされている言語パックのリスト(Get-InstalledLanguage)、表示言語の取得(Get-SystemPreferredUILanguage)と設定(Set-SystemPreferredUILanguage)もできる。Windows 11の設定にある言語パック関連の機能をカバーする。
このコマンドでは、「言語」をBCP47形式のロケールで指定する。たとえば、日本語の言語パックをインストールするには、
Install-Language -Language ja-JP
とする。利用できるロケールに関しては、以下にリストがある。ここにある「言語/地域タグ」を-Languageオプションの引数として使う。
●Windows で利用可能な言語パック
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/manufacture/desktop/available-language-packs-for-windows?view=windows-11
詳細なオプションなどに関しては、以下のページに記述がある。
●LanguagePackManagement Module(英語)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/powershell/module/languagepackmanagement/?view=windowsserver2022-ps
これは、Windows PowerShellのものだが、PowerShell Ver.7.xでも同様だ。
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