建設重機の自動化によって建設現場での労災と人手不足を解消する(ARAV)
続いては日本から「ARAV Co., Ltd.」がプレゼンテーションをおこなった。ARAVは日本のロボテックスタートアップで、建設重機の自動化によって建設現場での労災と人手不足を解消するソリューションを手掛ける。
日本の建設業界は約60兆円もの巨大産業だが、2025年には約90万人もの労働者不足になると予想されている。労災関連の30%が建設業界ともいわれる危険な職場ということもあり、怪我などの労災を減らすニーズがあると紹介。
建設重機を無人で運用することで、操縦者のリスクは激減する。代表的な複数の建機に対応し、遠隔操作、自動操縦(作業)などが行えるとしている。すでに複数企業で導入され、今後も多くの企業、産業での導入が予定されている。
マネタイズ、ビジネスモデルに関しての質問では、「リモートコントロールのOS、アプリなどで、価格は1000万円(基本的な構成、カスタマイズなども可能)というシンプルなモデルを採用している」と回答。システムの改良などを繰り返していくことを目指しており、今後はサブスクリプションモデルを採用することも検討しているという。今までの売上の多くはインバウンドセールスで、今は大手が多いが中小規模のレンタル会社などにもすでにアプローチ可能な状態と見込みが示された。
拡販戦略としては、OEMなどもあるが、実際の建設現場では複数メーカーの建機が稼働している実情がある。すべての建機を統合するには、メーカーを超えたソリューションが必要と考えている。そこに勝機があるのではないか、と回答があった。
小型軽量で持ち運びができる眼科検査の分析器(Alfaleus Technology)
続いては、インドから参加の「Alfaleus Technology Private Limited.」は、眼科検査の分析器を開発する企業。緑内障は、加齢とともに進行し視野が狭まっていくことが多いが、進行が遅いため診断されにくいという。特にアジア系人種は「原発閉塞隅角膜緑内障」にかかりやすい傾向があり、さらに日本人は「正常眼圧緑内障」のリスクも高いとされている。
一般的に、緑内障などの眼科検診は、機材が高価なことや診察が大変などで診察の機会が減り、病気が進行してしまう恐れがある。Alfaleus Technologyのデバイスでは、小型軽量で持ち運びができるので、頻繁な検査も可能とする。精度も従来機器と同様で、緑内障以外の障害や視覚以外の検査も可能だという。
今後の開発では、緑内障デバイス以外にも低視力向けスマートグラス、点眼薬管理アプリなども検討している。また、開発デバイスの日本を含む海外における認定も進めていきたいと締め括った。
質疑応答では、日本市場に関する分析とアプローチにについて質問が挙がった。これに対して、「日本は高齢者が多く、緑内障も高齢者に多い病気なので日本のマーケットは重要と認識している。プロダクトにニーズがあると思っているのでぜひ日本で展開したい」との回答があった。