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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第105回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月14日~10月20日

「仕事との関係は健全」は日本5%、「AI TRiSM」とは?、認証情報漏洩の実態調査、ほか

2023年10月23日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年10月14日~10月20日)は、セキュリティ国内市場のハイプサイクル最新版、「仕事との関係が健全」なナレッジワーカーの割合、企業からの認証情報漏洩の実態調査、社会課題解決型SMBにおけるクラウド活用の経済効果、についてのデータを紹介します。

■[セキュリティ]SASEとSSEは幻滅期へ、AI TRiSMなどAIへのセキュリティが加わる(ガートナージャパン、10月18日)
・SASEとSSEは「過度な期待」越え、今後「幻滅期」に
・AIのガバナンス、データ保護などを確実にする「AI TRiSM」が登場
・攻撃対象領域に存在する脅威を管理するエクスポージャ管理も黎明期に加わる

 安全なインフラやリスク・マネジメントを実現しながら、企業のビジネス/サービス/データを保護する29の重要なテクノロジ/手法/概念を取り上げ「日本におけるセキュリティ(インフラ、リスク・マネジメント)のハイプ・サイクル:2023年」を作成した。 SASE(セキュア・アクセス・サービス・エッジ)、SSE(セキュリティ・サービス・エッジ)は「過度な期待のピーク期」を超え、「幻滅期」に入ると予想されている。一方で今回、新たに「AI TRiSM」(AIのトラスト/リスク/セキュリティ・マネジメント)、「サイバーセキュリティ向け生成AI」、「エクスポージャ管理」(EM)が加わった。

日本におけるセキュリティのハイプサイクル(出典:ガートナージャパン)

■[働き方]「仕事との関係性が健全」なナレッジワーカー、日本はわずか5%(日本HP、10月18日)
・仕事と健全な関係にあるナレッジワーカー、世界は27%、日本は5%
・世界の8割のナレッジワーカーが「仕事の満足度が高まるのなら収入を減らしても構わない」
・日本では22%が「希望の時間・場所で働くなら22%の減給を受け入れる」

 日本を含む世界12カ国で1万5600人の従業員と仕事との関係を50以上の項目から調べた「HPワークリレーションシップ・インデックス(Work Relationship Index)」の日本語版より。「仕事と健全な関係を持っている」という回答は、世界は27%、日本は5%。仕事との関係性に満足していない場合は、「生産性の低下」(34%)、「意欲の低下」(39%)、「孤立感の増大」(38%)などのかたちでビジネスに損失をもたらすこともわかった(数字はいずれも世界の割合)。精神面での影響として、世界55%、日本59%が「自尊心やウェルビーイングが損なわれ、自己肯定感が低くなる」と報告した。

仕事との健全な関係を支える推進要因調査結果の一例(出典:日本HP)

■[セキュリティ]2割が認証情報を漏洩、企業規模が大きいほど漏洩の割合も大きく(SOMPOリスクマネジメント、10月16日)
・調査対象500社のうち、110社の認証情報漏洩を確認
・企業規模が大きいほど認証情報を窃取される割合が増加
・インフォスティーラー(情報窃取マルウェア)による認証情報(ID・パスワード)の窃取が、近年特に増加

 サイバー攻撃者のボットネット上を流通する認証情報を確認する手法により、認証情報の漏洩状況を調べた。対象企業は国内500社、調査期間は2022年4月~2023年3月。500社のうち、110社の認証情報が漏洩している事実を確認した。売上規模・従業員数が大きいほど認証情報の漏洩が多く、非上場企業よりも上場企業の方が漏洩割合が高いことも報告している。

認証情報が確認された企業の業種別分布、IT・メディアが最多の22.7%(出典:SOMPOリスクマネジメント)

上場企業の方が認証情報漏洩の割合は高く、従業員数が多いほど漏洩割合が高いことが明らかになった(出典:SOMPOリスクマネジメント)

■[ビジネス]AIとクラウドを活用する社会課題解決型SMBは2030年に年1.9兆円の生産性向上、520万人の雇用(アマゾン ウェブ サービス ジャパン、10月19日)
・2030年にはクラウドを活用する中小規模企業により医療/教育/農業で年1.9兆円の生産性向上効果
・雇用の効果は520万人、全体の7%
・2030年には全企業の90%が基礎レベルのクラウドを導入すると予想

 医療/教育/農業といった社会課題の解決に、AIとクラウドを活用して取り組む中堅中小企業(SMB、従業員数250人以下)についての調査。こうしたSMBがクラウドを活用することで、2030年には年1.9兆円の生産性向上効果を生むと予想する。内訳は医療が年1.2兆円、教育が年5000億円、農業は年1000億円。また雇用数は520万人を予想し、これは日本の全雇用の7%に相当するという。

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