業務を変えるkintoneユーザー事例 第207回
創造的破壊の超回転の末たどり着いた神技の連発
在庫リスクゼロの生産プラットフォーム「Made by ZOZO」を支えるkintone
2023年10月24日 10時00分更新
破壊と想像/創造のサイクルを超回転、4か月で70件の機能改善
まさに神業連発で、さまざまな導入成果を実現。そんなkintoneを導入するきっかけになったのはプライベートブランドからマルチサイズ事業への転換だったという。
「プライベートブランド時代は担当者の裁量が大きく、情報管理の方法も、コミュニケーションの方法もバラバラでした。マルチサイズ事業でブランド様と協働する中、業務整理が求められのたため、情報管理ツールとして社内で採用実績があり、導入コストが安価で非エンジニアでも扱えるkintoneを導入しました」(三品氏)
すでに社内ではkintoneの採用実績があったものの、ドメインを切り分けて事業部専用として導入した。これは、社外ユーザーにもゲストユーザーではなく一般ユーザーの権限を付与したかったからだ。同じ画面を見て操作することで、業務効率がアップし、認識齟齬の防止にもつながると考えた。また、事業担当者が制限なくkintoneを使い込むという目的もあった。
「kintone導入後、すぐアプリをガンガン作ったというわけではありません。まず徹底的に業務理解を行ないました。業務に沿ったアプリを構築するためです。業務の手順や情報の発生手順ごとにアプリやフィールド、機能を設置することで、情報入力が楽になったり、データの再利用がしやすくなると考えました」(三品氏)
さらに、kintone導入後に課題を抽出した際、単純に言われたことをするのではなく、自分からkintone管理者として解決策を提案したいという狙いもあった。そのため、業務担当者よりも詳しくなる勢いで、徹底的に業務を理解した。
当時kintoneの管理者は非エンジニアである三品氏ひとり。設計から開発を行ない、標準機能だけでなくプラグインやカスタマイズも試して、失敗して修正する破壊と想像/創造のサイクルを超回転させた。「超」と付けるだけあり、4か月で70件の機能改善の案件を要件定義し、設計、開発、テスト、実装を含め、1件当たり平均1.5日というスピード感で処理したという。
「ただし、Made by ZOZOのサービス立ち上げる際に、それまで2年ほど運用していたアプリのほとんどは使い物にならなくなっていました。さすがにひとりで運用や保守、設計、開発を、スピード感も質の担保もしながら維持することは難しくなりました。そこで、東京コンピュータサービス様に業務委託をお願いしました」(三品氏)
SIerには、単なる技術的なサポートを求めたわけではなく、三品氏と同じレベルで業務理解の徹底を求めたという。業務担当者からのヒアリングに毎回同席してもらい、疑問点や不明点は毎朝とすり合わせて意見交換を行なった。
元々、kintone管理者の二人三脚で業務を行なっていたところに、東京コンピュータサービスもジョインして三人四脚で想像/創造を超回転させた。その結果、業務とkintoneと人の成長を加速させ、神業の連発につながったという。
重要なのは業務理解の徹底、破壊と創造、ワンチーム
ポイントは3つあると三品氏はまとめた。一つ目は業務を徹底的に理解すること。kintoneと業務は表裏一体なので、業務理解の徹底が必須。「皆さんが思っている3割増しで理解してください」と三品氏。
二つ目が破壊と創造。誰でも簡単に作って試して、失敗して修正しするというサイクルを回せるのがkintoneの最大のメリットなので、壊す勇気を持つ必要があるという。
三つ目はワンチーム。kintone管理者として業務に関わっている人たちに話を聞くと、自分の考えが何かに固執していることに気が付くことがあるという。
「今後、kintoneを中心としたあらゆる手段を使い、業務に紐づくステップ数の80パーセントを削減していきます。具体的には、Excelで運用している洋服の設計図をkintone化したり、RPAを導入して人の動きを最小限にしたり、今以上に社外の関係者に対して業務の効率化やDX化を推進していきます」と三品氏は語った。
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