最新パーツ性能チェック 第428回
ベンチで知る“第14世代”、Core i9-14900K/Core i7-14700K/Core i5-14600Kは何が変わった?
2023年10月17日 22時00分更新
最上位はCore i9-13900KS相当だが……
では第14世代と第13世代のスペック比較から始めよう。冒頭で述べた通り、Core i7-14700K以外は第13世代からの差分は動作クロックしかない。唯一、Core i7-14700KのみEコアが4基増えてキャッシュも増加している。すでに第13世代のCore i9/i5を運用しており、その性能に満足しているのであれば、特に買い換える理由はないように思える。
第14世代最上位となるCore i9-14900Kの最大ブーストクロック(Thermal Velocity Boost使用時)が6GHzであり、“スペシャル版”であるCore i9-13900KSと並んだ、という点は、Core i9-13900KSユーザーにとっては素直に喜べないニュースだろう。しかし、KS相当のものをKで出すのには理由があって、Core i9-13900KSのPBP(Processor Base Power)は150Wだが、Core i9-14900KのPBPは125Wと低い値に設定されている。150Wまで盛られたCore i9-13900KSのほうが超高負荷な状況では有利という可能性もあるのだ。
この点を少し深掘りすると、一部のASUS製マザーボードに実装されている“シリコンダイの評価”、即ち「SP(Silicon Prediction)」の値を見ると、本稿のために用意したCore i9-13900KSが107ポイントと割と高いSPを示しているのに対し、Core i9-14900Kは94ポイントとやや低い値を示していた。
サンプリング数はそれぞれ1つゆえ、この例をもってCore i9-14900Kのシリコンダイの品質はCore i9-13900KSより低いと断定することはできない。しかしPBPの設定を合わせて考えると「Core i9-13900KSの域には到達できなかったがCore i9-13900Kよりも高クロックで動作するものがCore i9-14900Kとして製品化された」という仮説を立てることは許されるだろう。これを検証するには、少なくとも各種10個くらいずつ集めて統計的にアプローチする必要がある(関係者の方々、ご連絡をお待ちしております)。
この連載の記事
-
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 - この連載の一覧へ