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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第371回

ロータス最後の内燃機関モデル「エミーラ」は伝統と未来を感じる走りの良さ

2023年10月14日 12時00分更新

文● 西川昇吾 編集●ASCII

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ロータス

ロータス「エミーラ」

 イギリスのスポーツカーブランド「ロータス」。ハンドリングに定評のあるライトウェイトスポーツを作り続けてきた伝統あるメーカーですが、電動化の波の中、ついに「最後の内燃機関搭載モデル」とアナウンスされることとなりました。それが今回試乗した「エミーラ」です。

 新時代のロータスブランドの行方を占うのに外せない、重要なモデルと言えます。以前の基幹モデルであった「エリーゼ」やより硬派な「エキシージ」、またややGT的なキャラを持つ「エヴォーラ」など近年のロータスのスポーツカーとは大きくキャラの違う、まったく新しいスポーツカーであるエミーラ。実際に試乗するとともにロータスの未来を考えてみました。

◆いま、激変の中にいるロータス

 それでは試乗した感想……に行く前に、近年のロータスの事情について簡単にご紹介します。基本的ラインアップであった、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの3台は2021年を持って生産が終了しました。以降、ロータスは新世代のモデルへと移行していくわけですが、この大幅なブランドの変更には中国の「ジーリー(吉利汽車)」という企業が株式を取得したことが大きく影響しています。

ロータス

 広報担当に聞くと、主要なメンバーには外から招き入れた人員が増えているとのこと。アストンマーティンなどからもスタッフが続々と入ってきているとのことで、ブランドの転換期を迎えているのは間違いありません。

 エンスーな人たちからすれば、ライトウェイトスポーツを代表するブランドのロータスから、ラグジュアリースポーツブランドへの転換を残念に思った人もいることでしょう。ただ、現在のロータスブランド経営陣はスポーツカーを売るというよりも、BEVを中心とした今後の次世代モデルを開発することに注力していくとのこと。

ロータス

 メインマーケットは中国や中東へシフトしていくそうで、経営的な考え方を思えば理解できなくはないですが、「マカン」や「カイエン」などのSUVがバンバン売れているにもかかわらず、今は売れ筋とは言えないスポーツカーの「911」が残っているポルシェのようなメーカーもありますし、「エリーゼ的なモデルもブランドの象徴として残してほしい」というのが筆者の本音です。

◆エミーラは一言で言うと豪華なロータス

 これまでのロータスファンは、ロータスが送り出す最後の内燃機関モデルと聞いてエミーラを見たときにガッカリした人もいるかもしれません。エリーゼが1トンを切る軽量モデルであったことを考えると、エミーラはミドルスポーツといったクラスに属します。真っ向勝負のライバルと言えばポルシェの「ケイマン」あたりでしょうか。

ロータス
ロータス

 今回お借りした「エミーラ V6 ファーストエディション」の車重は1405kg。スポーツカーとしては軽い部類とは言えません。また、これまでのロータスでは考えられなかったしっかりとした内装や豪華なオーディオシステム、クルーズコントロールまで付いています。ロゴさえ隠しちゃえばロータスのニューモデルと聞いてびっくりするクルマ好きもいるかもしれません。なお、ボディーサイズは全長4413×全幅1895×全高1226mm、ホイールベースは2575mmで本体価格は1573万円です。

 気になる人は機会があれば(なかなかないかもしれませんが)実車を見てください。だってメチャクチャカッコいいんですよ。丸形のテールライトが採用されておらず、近年のロータスのデザインアイデンティティーがないエミーラのデザインですが、イチからここまでカッコイイデザインを作り上げたことを考えるとアッパレ! と言いたくなります。

ロータス
ロータス

◆乗り込むと「おっ、ロータスじゃん」

 ドアを開けるとこれまでのロータスからは考えられない豪華なインテリアがお出迎えしてくれます。そして実際に座り込んでみると「おっ、ちゃんとロータスじゃん」といった印象。エリーゼのS1時代と比べたらかなり実用的になったサイドシルですが、価格帯の近いライバルたちに比べたら太いですし、ややセンターによったペダル位置と、ヒール&トゥーをしやすくするために近くレイアウトされたアクセルとブレーキのペダルレイアウトは、これまでロータスを運転したことある人ならば座った瞬間一発で「ロータスだね」と感じるはず。

ロータス
ロータス
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 これはしっかりとロータスらしさが残っているという期待が高まってきました。センターにあるイグニッションボタンを押してエンジン始動!

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