PowerShellで扱う場合は
PowerShell(Windows PowerShellも含む)には、物理ドライブやパーティション、ボリューム、論理ドライブの情報を得るコマンドとしては、以下のようなものがある。
しかし、実際に利用する際は、ボリュームやパーティションと物理ドライブの対応を知りたいことがある。たとえば、物理ドライブを交換するような場合だ。
この場合、ドライブ文字Dからパーティションを探し、パーティションが存在する「物理ドライブ」特定する必要がある。実際はCドライブと同じ「ディスク」かもしれないし、異なるディスクなのかもしれない。異なるディスクの場合、物理ドライブの製品名や接続インターフェースなどを知ることで、PCの筐体内にあるHDDのどれが対応しているのかを知ることができる。
Windowsでは、「ディスク」(物理ドライブ)に対して0から始まるディスク番号を割り当てて管理する。この番号は、インターフェースやポート番号などにより決まる番号だが、必ずしもCドライブが0になるとは限らない。現行のWindowsでは、SSD用のNVMeインターフェースよりもSATAインターフェースが優先されて番号が割り当てられているので、0でないものをCドライブとしていることが多い。
PowerShellで、物理ドライブやパーティションなどの情報を正しく組み合わせるには、このディスク番号をキーにする。たとえば、Get-Partitionでパーティションを列挙したときに、その物理ドライブの情報を付加したいときには、Get-Partitionの出力するオブジェクトに含まれるDiskNumberプロパティを使って、Get-PhysicalDiskの出力を選択する。
基本は以下のコマンドとなる(下のリストは見やすいように改行やスペースを入れてある)。
get-Partition | ForEach-Object {
$d=(Get-disk -Number $_.DiskNumber);
Write-Host "$($_.PartitionNumber) $($_.DiskNumber) $($d.FriendlyName)"
}
Get-Partitionは、パーティションを列挙し、個々のパーティションには、ディスク番号を表す“DiskNumber”というプロパティがある。これを使ってForEach-Objectの波括弧の中で、Get-Diskから該当のディスク番号の情報を得る。最後に、パーティションとディスクのプロパティをWrite-Hostで出力する。この原理を使えば、物理ドライブやパーティションの情報を関連させることができる。
原理は同じだが、PowerShellらしくオブジェクトを作成したのが、以下のリストのコマンドだ。
Get-Partition | sort DiskNumber | ForEach-Object {
$d=(Get-disk -Number $_.DiskNumber);
$p=(Get-PhysicalDisk -DeviceNumber $_.DiskNumber);
[pscustomobject]@{Num=$_.DiskNumber; FrendlyName=$d.FriendlyName;
PN=$_.PartitionNumber;PtnType=$_.Type; Drv=$_.DriveLetter;
Media=$p.MediaType; Bus=$p.BusType;
PhysicalLocation=($p.PhysicalLocation -replace ' ',''); PTbl=$d.PartitionStyle;
}
} | format-table -AutoSize
見やすいように改行しているが、コマンドとしては改行なしでもかまわない。原理は同じで、上の例では、Write-Hostで出力したプロパティをカスタムオブジェクトにしているだけだ。
ディスクとドライブなど、何の気なしにおなじように使っているが、外部記憶の管理をするときには、きちんと区別する必要がある。
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