Intel自作でもAMD自作でもおすすめ
1万4000円でこの性能。コスパ優秀の36cm水冷CPUクーラーを検証
対応ソケットは、LGA115x/1200/1700/2011/2011-v3/2066、Socket AM4/5/TR4と、メインストリームからウルトラハイエンドまで幅広い。スタッドボルトなどソケットに合わせて分かれるパーツは、袋に印字されていて判別しやすかった。リテンションプレートは4つのネジで水冷ヘッドに固定する。また、バックプレートはLGA115x/1200およびLGA1700で分かれている。
ゲーミングPCをしっかり冷やして、高クロックも持続
今回はLGA1700で試してみよう。用意したのはCPUがCore i7-13700K、マザーボードは「MAG B760M MORTAR MAX WIFI」、ビデオカードに「GeForce RTX 4060 Ti 8G VENTUS」ほか、メモリ、SSDに、電源などOSを除く予算枠20万円くらいのミドルレンジ~アッパーミドル構成だ。
……と検証に移る前に「MAG」で揃えたCPUクーラーとマザーボードのマッチ具合をまずはご覧いただこう。また、シリーズは異なるがGeForce RTX 4060 Ti 8G VENTUSとの組み合わせも違和感なかった。
MSIのマザーボードでは、組み合わせるCPUクーラーの種類に応じてパワーリミットの値が簡単に指定できる。簡易水冷CPUクーラーの場合(+Core i7-13700KなどK付きCPUを組み合わせる場合)は、PL1&2ともに4096W(つまり無制限)が適用される。この設定でCPUに連続した高負荷をかけると、現在のCPUクーラーはほぼすべて100℃に張り付く(計測時の室温は26℃)。……と言ってCore i7-13700Kを用いるユーザーが求めるのはパフォーマンスだ。今回はこの設定のままで、MAG CORELIQUID M360の冷却性能を見ていきたい。
CINEBENCH R23のMulti CoreのようにCPUに連続した高負荷をかけると、基本的にCPU温度は100℃に張り付く。そのため平均CPUクロックも合わせてグラフ化してみた。CINEBENCH R23の場合は、おおむね4.7GHz弱で推移していた。
今回の検証PCはゲーミング想定。そこでゲーム系ベンチマークを3つ計測してみた。まずはFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク。フルHD(1920×1080ドット)、高品質で実行してみた。比較的時間の長いベンチマークなので、CPU温度で見ると後半のほうがやや高いものの、100℃に対しては余裕がある。最大温度は88℃だったが、80℃を超えるのは瞬間的なものでそこまで多くは見られない。おおむね前半は60℃弱、後半は60℃付近で推移している。平均CPUクロックはこれも4.7GHz前後だ。
続いてCyberpunk 2077。まずは60fps想定でフルHD、レイトレーシングウルトラを試してみた。こちらもCPU温度はおおむね60℃前後で推移しており、ピークで80℃を超えたものの温度が上昇するスパイクは少なかった。平均CPUクロックも4.7GHz前後だ。
次に画質を「低」にしてみた。つまり144fps超を想定しており、GPU負荷が軽くなる一方、CPU負荷が高まる。CPU負荷が高まるところはCPU温度にも現れている。ベンチマークの前半こそ60℃付近で先のレイトレーシングウルトラに近いが、後半は10℃程度上がった70℃付近で推移している。平均CPUクロックも4.7GHz前後なのは変わらないが、こちらでは4.75GHzの出現率が高いように見えた。
最後にRainbow Six Siege。低負荷のこちらの検証はフルHD、高画質とした。冒頭、一瞬だが100℃付近まで上昇しているのは実はゲームのロード最中。意外とゲーム中よりもロード時のほうがCPU負荷は高く高温になるということもある。ベンチマークの開始は60秒付近からだが、ベンチマークの冒頭がまずCPU温度が80℃付近まで上昇して25秒ほど続いた。その後はシーンが切り換わって50℃前後で180秒あたりまで、その後は60℃前後のシーンが続いて終了といった流れだ。平均CPUクロックは4.7GHz前後。
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