認定整備済PC事業に取り組むVAIO
中古PCとはちょっと違う「VAIO認定整備済PC」の魅力
VAIOは8月22日、認定整備済PC事業に参入すると発表した。
“認定整備済PC”とは、個人ユーザーの買い替えや企業のリースアップなどで、使用が終わったVAIOシリーズをVAIO自身が引き取り、整備したのち再販売するサービスだ。メーカー自身が提供することもあり、長野県・安曇野にあるVAIOの工場でバッテリー、キーボード、天板などの消耗部品を交換/清掃し、動作検証後、新品と同じ1年保証を付けて出荷するのが特徴だ。14日以内の返品にも対応する。
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VAIOの顔となるVAIO SX14。第13世代Core搭載で高性能化。使いやすさはそのままに「Teams」や「Zoom」といったウェブ会議時にバッテリーを節約する機能や美肌カメラなどを搭載。
いまのパソコンは少し高いなぁと感じている人は必見!
再整備とは、PC直販サイトでよくある、箱の破損があったり、返品されたりした“訳あり品”を梱包し直して売るといったものではない。また、PCを買い取って売る中古PCの販売とも一線を画すものになっている。中古PCでも動作チェックはするだろうし、短期間の保証が付く場合もあるが、普通は使用感のある部分を純正部品に交換するまではしないだろう。
なお、リースアップ品の再販売という意味では、横河レンタ・リースの「Qualit」のようにクリーニングやストレージ交換などをした再整備品(リファービッシュ品)を扱っているケースがある。また、ドスパラは省スペースPCにビデオカードを追加し、ゲームもできる安価なPCとして販売したことがある。こうしたアップグレードとも性格の異なるサービスだ。
VAIOの認定整備済PCは、最新OSが入らなかったり、工場側で部品ストックがないような、あまりに古い機種は対象にしていないのもポイントだ。再整備するのは古くても“3世代前までの機種”とし、出荷台数も当初は月あたり30~50台程度に抑えている。これはCore i7やCore i5といった上位クラスのCPUを搭載した機種に絞っているためでもある。最新機種ほどの性能はもちろん出ないが、十分に現役で使える機種を確保して再販売するという方針のようだ。
まるで新品を買った感覚で製品が届く
価格の参考例としては、2020年1月発売のVAIO SX14が11万7700円(第10世代のCore i7-10710U、16GBメモリー、256GB SSD)。VAIO SX12が10万2800円(同Core i5-10210U、8GBメモリー、512GB SSD)。用途をうまく絞れれば、まだ数年は活用できそうなスペックだ。もちろん、新品で型落ちのVAIO SXシリーズを10万円前後で買える可能性はほぼない。
ちなみに、VAIO SX14やSX12の設計思想には一貫性があり、特にデザインについては2020年モデルと現行モデルを比べてもほぼ違いがない。使いやすいキーボードやチルトアップヒンジ、あるいはUSB Type-C充電などに対応している。VAIOならではの軽量性や使いやすさを、まず知りたいという人にも良さそうだ。
内容としてもマザーボードやSSD、液晶パネルなどベースとなる部品を流用しつつ、改めて組み立て直すしたものに近い。このあたりは国内に組み立て工場を持ち、きめ細かい対応ができるVAIOの強みがうまく生かされたものと言えそうだ。
普通の中古品では交換されないバッテリー、天板、キーボード、タッチパッドなどを新しい純正部品に交換した状態で出荷する点には触れたが、同梱品も揃い、梱包も新品と同じ状態となる。つまり、ユーザーの手元には、中古品ではなく、新品を買ったような雰囲気のものが届くというわけだ。