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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第95回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 8月5日~8月15日

4年後にはIaaSがITインフラの最大形式に、マーケティングで急増するコンテンツ需要と生成AI、ほか

2023年08月16日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年8月5日~8月15日)は、国内ITインフラ市場でIaaSが急伸、国際線エアラインの最新動向、低下するテレワーク実施率、Webアプリケーションに対する攻撃の現状、マーケティング業務におけるコンテンツ需要と生成AI、についてのデータを紹介します。

■[ITインフラ]国内ITインフラ市場は2027年までCAGR 8.4%で成長、2027年にはIaaSが最大セグメントに(IDC Japan、8月10日)
・国内ITインフラ市場、2027年の売上額予想は7兆6643億円
・2027年の国内ITインフラ市場におけるIaaSの売上額構成比は36%
・インフラハードウェアは投資が緩やかに減少へ

 国内のサーバーとエンタープライズストレージ(エンタープライズインフラ)、データセンター向けイーサネットスイッチ、システムインフラソフトウェア、IaaSなどを「ITインフラ市場」とし、売上を予測した。同市場は2022~2027年、年間平均成長率(CAGR)8.4%で成長し、2027年には7兆6643億円に達すると予想する。最も急速に成長するセグメントはIaaSで、2027年には売上額構成比が最も高い(36.8%)セグメントになると予測している。

国内ITインフラ市場、2022~2027年の売上額予測。緑のIaaSが2027年には最大セグメントになる見込み(出典:IDC Japan)

■[生活]夏休みの渡航先トップは韓国、国際線座席数は2022年比328%増、運賃はコロナ前水準に戻る(Cirium、8月10日)
・夏休みの海外渡航先は1位 韓国、2位 台湾、3位 米国
・日本発国際線の運行便座席数は2021年比689%増、2022年比328%増
・運賃はコロナ前の水準に、円安の影響も

 2023年8月7日~8月21日の日本発国際線の運行データより。座席数に基づく渡航先ランキングトップ3は、韓国(48万3824席)、台湾(27万5054席)、米国(23万8419席)。米国とオーストラリア(10位)以外のトップ10は、アジアの国々が占めた。2022年と比較して最大の増加率だったのは中国(2212%増)で、中国政府の渡航制限緩和が影響したと見られる。ドル建て運賃はほぼコロナ前水準に戻ったが、円安の影響も大きく、ホノルル便などの一部長距離路線は、ドル建てで2019年より安くても手が届きにくくなっていると分析している。

日本発国際線運行便、座席数ランキングトップ10(出典:Cirium)

日本から主要空港へのドル建て運賃の推移。ほぼコロナ前の2019年のレベルに戻っている(出典:Cirium)

■[働き方]テレワーク実施率が大企業で低下、過去最低の15%に(日本生産性本部、8月7日)
・テレワーク実施率は過去最低の15%、大企業でのテレワーク実施率が低下
・自宅勤務で「効率が上がった」は71%、3ヶ月前の66%からアップ
・自身の雇用について「不安を感じない」人は53%、7回連続で5割越え

 組織で働く雇用者を対象に、雇用・働き方、勤め先の信頼度などをテーマに実施している四半期調査。13回目の今回は、新型コロナが「5類」に移行して2カ月後の7月10、11日、1100人を対象に調査を実施した。テレワーク実施率は前回の16.8%から15.5%に低下し、調査開始以降で最低レベルに。中でも従業員1001人以上の企業では34%から22.7%と大きく減少した。一方で、テレワークを今後も行いたい(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計)人は前回の84.9%から86.4%に増加。自身の雇用について「不安は感じない」という回答は53.2%となり、「会社を信頼している」人も57.8%と減少傾向から反転した。

今後の雇用への不安は「かなり不安」「どちらかといえば不安」が合計46.8%で最低レベルとなった(出典:日本生産性本部

テレワーク実施率は15.5%で、最も多かった2022年5月から半減した(出典:日本生産性本部

従業員1001人以上(黄色)の勤務先のテレワーク実施率が大きく下がった(出典:日本生産性本部

■[セキュリティ]Webアプリケーションの脅威であるSQLインジェクション、XSSが増加(サイバーセキュリティクラウド、8月10日)
・2023年5月はサイバー攻撃が前月比で38%増加
・1ホストあたりのSQLインジェクション検知件数は前年同期比10%増
・1ホストあたりのクロスサイトスクリプティング検知件数は前年同期比120%増

 2023年上半期(1月~6月)の「Webアプリケーションを狙ったサイバー攻撃検知レポート」より。期間中、同社はWebアプリケーションへのサイバー攻撃として3億1900万1684件を検知、1ホストあたりでは2万2239件だった。中でも4月から5月にかけては、38%の大幅な攻撃数の増加が見られた。その背景として、G7広島サミットなどのイベントが開催されたためと分析している。攻撃種別では、脆弱性スキャンツールなどを利用したBotによる「Blacklisted user agent」が前年同期比56%増加した。次の攻撃対象を見つけるための偵察が活発化している可能性が考えられるという。

攻撃総数(棒)と、1ホストあたりの攻撃総数(折れ線)の推移(出典:サイバーセキュリティクラウド)

1ホストあたりのSQLインジェクション検知総数は前年同期比で10%増えた(出典:サイバーセキュリティクラウド)

1ホストあたりのクロスサイトスクリプティング(XXS)検知総数は前年同期比で120%増えた(出典:サイバーセキュリティクラウド)

■[生成AI][マーケティング]マーケティングで生成AI利用したい企業は86%、多くがコンテンツの需要増を見込む(アドビ、8月9日)
・30%が生成AIをマーケティング施策に導入・準備中
・生成AIを画像やテキストなどのコンテンツ作成に利用したい企業は86%
・「デジタルコンテンツ需要は過去2年で2倍以上」とする企業が88%

 マーケティング施策で「生成AIをすでに導入・準備中」という企業は30%(「活用している」が17%、「活用に向けて社内で議論を進めている」12%)を占める。マーケティング関連業務において生成AIの活用が想定される領域は、画像(写真、イラスト)やテキスト(ビジネス文章、メールなど)を含む「コンテンツ作成」が86%となった。デジタルコンテンツの需要については、88%が過去2年で最低でも2倍になったと述べ、3分の2近くが今後2年で需要が5倍になると予想した。

生成AIをマーケティング施策で利用している企業(アドビユーザー)は22%だった(出典:アドビ)

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