キー入力時に「カチャカチャ」と小気味よい音がする
MXメカニカルキースイッチの緑軸
筆者がまたしてもセミオーダーで衝動買いしたShuraは、Shinobiと同様チェリー製のMXメカニカルキースイッチの緑軸を指定。ご存じのように緑軸は青軸と同じでキー入力時に「カチャカチャ」と小気味よい音がして、誰もがタクタイル感とクリック感を存分に楽しめる荷重80gの重いキースイッチだ。80gと聞いてビビる人も多いが、実際の打鍵感はスカッとする快適マジックだ。
同梱品の中から、濃いブルーの改行キーとトラディショナルな赤のTrackPointキャップのロープロファイルを取りだして、出荷時のShuraから交換して限りなくIBM時代のThinkPadキーボードやデスクトップPC用のキーボードに着せ替え完了。
特殊な目的で使うイメージの1Uのキーキャップに赤いTrackPointのポチの付いたキーキャップは、どこに使えばよいのかあまりピンとこなかったが、まずはESCキーのキーキャップと交換してみた。しかし何度見てもやはりピンとこなかったので、今は取り外して箱に戻したままだ。
パーツの選択設定が終わり、今回のShuraキーボードを筆者が現在使っている複数の現役キーボードとサイズ比較をしてみた。現在使用中のShinobiとShuraの比較は、一見するとパームレスト部分の差がほとんどの様に見えるが、ShinobiはレガシーなThinkPadの系譜を引き継ぐオーソドックスな7段キーのJIS配列。一方、ShuraはFnキー列なしの5段配列だ。FnキーやDelキーは左端中央のFnキーと最上段の数字キーのコンビネーションで実現する。Caps Lockもそこは同様だ。
筆者が3台ほどバックアップ用と言い訳して所有している現在のThinkPad TrackPoint KeyboardともCtrl、Alt、Win、Fnキーなどの配置に微妙に差異があるが、Shuraは物理的にキーキャップサイズさえ合致すればキーの配列変更や交換は簡単だ。
実際の操作としてはWeb上の「TEX shura Web Configurator」でキー位置の変更をし、3つのProfileのひとつとして保存、登録。キーボード底面の任意のDIP SWをオンしてKEYMAPテキストファイルをダウンロードしてShuraに記録する。残念ながらCtrlキーなどその極一部しか使うことのない筆者は、この有用なオプションはほとんど使えていない。
同じ「スペースセーバー」という省スペースキーボードの世界にいる「バックリングスプリング」(座屈型)キースイッチを採用したIBMの元祖スペースセーバーキーボードとは、その外形サイズは大きく異なる。Shuraは日本の狭い机上面積でも十分扱えるベストサイズだ。
現在、筆者がメインで使っているShinobiキーボードに比較するとShuraのスペースセーバーの存在意義は大きい。ただ実際に筆者が1ヵ月ほど使った印象では、Fnキーによる操作の煩雑さは良いとしてもやはりパームレストが欲しいというのが正直なところだ。現在はFILCOの木製のパームレストを併用している。
IBMやレノボの純正キーボードでは、トラックポイントの3つの操作ボタンは極めて薄いフラット形状のマウスボタンの様な部品が使われている。Shuraはコストや全体デザインの観点からか専用パーツではない汎用的な1Uサイズのキーキャップが、一段くぼんだ空間に3個並んで取り付けられている。
筆者の発注したShuraは、前述した様にカーソルキーも含めそのキースイッチとしてチェリーのメカニカルキースイッチMXの「緑軸」を採用している。しかしTrackPoint関連の3つのキースイッチは両手の親指で操作することが前提であり、指先に伝わる反発も異なる様に静音のメカニカルキースイッチMXの「赤軸」が採用されている。これはShinobiも同様だ。
そして3個のキーキャップの向きが両サイドの2個のキーだけが上下逆に取り付けられており、トップ面の傾斜角が異なっている。極めて些細なことだが、汎用品を活用したこのアイデアを思い付いたTEXのエンジニアはなかなか素晴らしい。
キーボード本体の傾斜を実現するリトラクタブル・スタンドは、快適なキー入力には極めて重要な要素だ。個人的な印象だが最近のThinkPad TrackPoint Keyboardの折り畳みスタンドは、どことなく軟弱に感じている。ここはShuraの方が堅牢性が高い印象だ。
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