親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第230回
Twitterに勝つためのポイントはやはり……
意外なThreadsの利用経験率、10代が思いのほか高い理由
2023年08月01日 09時30分更新
Threadsの認知率は約5割
メタ社のThreads(スレッズ)が何かと話題になっている。ThreadsはInstagramのアカウントから容易に作成でき、見た目はTwitterとそっくりで、Twitter(現X)乗り換え先候補として話題に。当初はおすすめ欄のみで、検索やDM、フォローした相手の投稿だけを見ることなどもできなかったため、不満も多かった。
TwitterのAPI制限に合わせて、7月5日にスタートして以来、わずか5日でユーザー数は1億人を突破したが、利用者は2週間で70%減となっている。
Threadsの認知度などはどうなっているのか。LINEリサーチのThreadsに関する調査(2023年7月)を見てみよう。
Threadsについて知っているか、使ったことがあるか聞いたところ、「知っているし、使ったことがある」は5.7%、「知っているが、使ったことはない」は43.9%で、認知率は約5割だった。
男女年代別でみると、男女ともに10代、20代で認知率は5~6割。ほかの年代では、60代女性を除いて、4~5割程度の認知率となっている。
利用経験は、男女ともに10代でほかの年代より高くなり、10代男性で18.9%、10代女性で14.3%だった。全体的に男性のほうが利用経験が多い。
「フォロー投稿のみ見る」を実現できるかが鍵
なお、Threadsの利用意向は「どちらともいえない」が約3割に。「利用してみたいと思う」(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は約3割、「利用してみたいと思わない」(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は約4割だった。
利用経験者は5.7%とまだ少ないが、利用経験者に今後も利用したいか聞いたところ、「ぜひ利用してみたいと思う」が53.3%、「機会があれば利用してみたいと思う」が21.7%となり、「利用してみたいと思う」は7割台となっている。
全体傾向として若者は利用意向が高い。Instagramの若者人気が高いこともあり、利用開始までのハードルが低かったためだろう。Twitterがなくなったときには利用したいという意向は強いようだ。
前述のように「フォローしたユーザーの投稿」のみを見られない点が最大の不満点だったが、とうとう搭載された。情報を収集するというTwitter最大の利点を得られないことが不満で離反したユーザーも、戻ってくる可能性がある。
Twitterのユーザビリティー低下、名称変更という最大のチャンスに、ユーザーがTwitterに求める機能をすべて満たせるようになれば、勝機はあるかもしれない。旧Twitterはいかにユーザーを引き止めるのか、メタ社はどのように対抗していくのか。今後も注目したい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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