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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第91回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 7月8日~7月14日

基幹システムのクラウド化/モダナイズ動向、2023年のIT予算は「増加」が「減少」上回る、ほか

2023年07月18日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年7月8日~7月14日)は、2022年の国内ITサービス市場、国内大企業の攻撃対象領域(アタックサーフェス)調査、2023年のIT予算と基幹システムのクラウド化/モダナイズの動向、世界の自動車販売台数予測についてのデータを紹介します。

■[ITサービス]2022年国内ITサービス市場は前年比3%増、ベンダー上位5社は前年と変わらず、アクセンチュアが6位に(IDC Japan、7月11日)
・2022年国内ITサービス市場は6.7兆円、前年比3%で成長
・ベンダー売上上位5社は昨年と同じ、富士通、NTTデータ、日立製作所など
・金融、製造、流通などが好調

 2022年の国内ITサービス市場調査。市場規模は前年比3%増の6兆734億円となった。ベンダー売上は1位から富士通、NTTデータ、日立製作所、NEC、IBMの順。6位には、昨年8位だったアクセンチュアが前年比20%増の売上で追い上げた。同社は2017年以降、2桁成長を続けているという。セグメント別ではプロジェクトベース市場が好調、既存システムのクラウド移行、モダナイゼーションなどの需要増が効いた。産業分野別では金融(上位10社中9社がプラス成長)、製造、流通(共に同8社がプラス成長)になどが好調という。

今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」

2022年の国内ITサービス市場の主要ベンダーサービスセグメント別売上額(出典:IDC Japan)

■[セキュリティ]日本の大企業25社の攻撃対象領域調査、旧バージョンのTLS 1.0やLog4Jなどに注意(Tenable Network Security Japan、7月13日)
・国内大手企業25社の12万件以上の資産が悪用のリスクに
・7000件が現在もTLS 1.0のまま
・Log4J脆弱性の影響を受けやすい資産は4000件

 時価総額の高い日本企業25社を対象に、サイバー攻撃対象領域(アタックサーフェス)の管理状態を調べた。インターネット/イントラネット接続デバイスのドメイン名などの資産について、1社あたり平均4800件以上、合計12万件以上の資産が悪用のリスクにさらされているという。具体的には約7000件がTLS 1.0対応のまま、また約4000件がLog4Jを継続して利用していた。TLS 1.0は1999年に定義された古いプロトコルで、2022年にはMicrosoftが無効にしている。またLog4Jは、2022年に脆弱性が明らかになっている。

■[IT支出][クラウド]2023年のIT予算は「増加」が28%、「減少」は19%。基幹システムのアプリモダナイズも進む(IDC Japan、7月12日)
・2023年の年間IT予算は「減少」が19%、「増加」は28%
・IT投資増加理由は「ビジネス規模の拡大」「新規システム開発の増加」「経済状況」
・基幹システムのインフラの56%がクラウド、3年後は73%へ

 国内企業のCIOなどに、IT投資動向と基幹システム稼働環境動向について聞いた。調査期間は2023年4月。2022年はIT投資が減少した企業の割合が増加企業を上回ったが、2023年は増加させる計画の企業(28.9%)が、減少計画の企業(19.5%)の割合を9ポイント上回った。基幹システムの稼働環境としてクラウドを採用する企業は現在56.6%だが、3年後には73.9%になる見通し。それに伴いアプリケーションのモダナイズも進むと予想している。

今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」

2022年度(上段)と2023年度(下段)の年間IT予算の増減。2022年は減少の回答が増加を上回ったが、2023年は増加が減少を上回った(出典:IDC Japan)

今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」

基幹システムの稼働環境について、現状(上段)と3年後の見通し(下段)を聞いた(出典:IDC Japan)

■[自動車]2023年の自動車販売台数は前年比5%増の8310万台予想、日本は2024年をピークに減少へ(アリックスパートナーズ、7月13日)
・2023年の世界の自動車販売台数は8310万台、前年比5%増
・日本は2022年を底に2024年まで回復基調、だが2030年には450万台を予想
・世界のEV比率は2027年には30%、2035年は61%を占めると予想

 世界の自動車業界を展望した「2023年版グローバル自動車業界見通し」より。世界の自動車販売台数は、2023年に前年比5%増の8310万台を予想。また2024年から2027年の間、中国、南米などが成長を牽引して年平均3%増を見込む。日本は2024年まで回復基調だが、人口減などの要因から減少に転じる。2024年の約500万台から、2030年には450万台まで落ち込むと予想している。世界の販売台数に占めるEV(BEV+PHEV)の割合は、2027年の30%から2035年の61%へと拡大を予想。日本では2025年8%、2030年20%、2035年39%の予想。

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