テクノロジーからサステナビリティ推しへ 変化するViva Technology
「Viva Technology 2023」レポート
テクノロジーはもう当たり前のものに
このように今年のViva Technologyではサステナビリティに関連したスタートアップや製品が多く見受けられたが、個人的に今年のViva Technologyを象徴しているように思った製品を紹介したい。カルフールによるフード&リテールパークで展示されていたデリバリーロボットだ。
こちらの製品、ロボット前面に目の部分がイラストで描かれていて、ロボットの名前も印字されている。表情を変化して伝えるための液晶ディスプレイなどなく、無駄に部品や技術を使わない割り切った仕様だ。お尻の方、背面には、See you soonという印字のみだが、これで十分このロボットが達成したい目的を実行することはできる。
Viva Technologyは初回からずっと会場中央にDiscovery Stage/Zoneという、ロボットやガジェットなど、いわゆる面白いハードウェア製品や関連スタートアップを展示するコーナーがあったが、それが今年初めてなくなったのは、もうそうしたわかりやすいモノによるテクノロジーを推さなくていいよね、という主催側からのメッセージなのだなとこのロボットを見て感じた。テクノロジーを名前に冠したイベントにおいて、テクノロジーはもう当たり前にあるものになったのだ。
余談だが、Viva Technology会場に展示されていた別のデリバリーロボット「Neubie」は、LEDマトリクスパネルをデザイン的にうまく活用して目の表情を再現している。こちらは会場の最後方という位置にあったのは偶然かもしれないが、例年どおりであれば、この種のロボットは会場中央付近に展示されていただろう。
冒頭の会場入り口、Viva Technologyのロゴサインも、毎年少しずつデザインや施工がことなっている。去年はロゴの横のQRコードをスキャンするとNFTがもらえるという仕掛けになっていた。今年はその取り組みがなくなり、代わりにロゴの前に、パントーン社が選んだ今年の色「Viva Magenta」の紙リボンの簾が配置されていた。このリボンも地球に優しい素材で作られているというわけだ。
イーロン・マスクも登壇し、過去最高の盛り上がりを見せたViva Technology。この先どのようなスタートアップ、製品が出てくるのか楽しみな展示会となっている。