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T教授の「戦略的衝動買い」 第741回

チャージャー王「Anker」の1790円超軽量キーボードを衝動買い

2023年07月07日 11時30分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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Anker Rechargeable Wireless KeyboardはiOS、Android、Mac、Windowsに対応する

ペアリングが簡単で軽量、モバイルに最適

 今回はそれらのキーボードとは全く異なるモバイル環境で、筆者のメインスマホであるGalaxy Z Fold4や最近入手したmoto g53j 5Gと組み合わせて、アウトドア環境で使うキーボードの有力候補として衝動買いした。Y2641は物理的にはiOS/Android/Mac/Windowsの全てに対応している。キートップ表記や配列に関しては、好みが分かれるので安価な分妥協が必要かもしれない。

OFF/ONスライドスイッチとConnectボタンでデバイスとペアリングする

スマホやPC側でBluetoothをオンしてAnker Rechargeable Wireless Keyboardを接続対象として選ぶだけ

 スマホやタブレットとのBluetooth経由によるペアリングも、極めて簡単だ。最初にY2641の充電が終われば、Y2641右上のOFF/ONスライドスイッチをONにして、すぐ隣のConnectボタンを押す。Bluetoothインディケーターがブルーに点滅したところで、ペアリングしたいスマホの設定画面で表示される「Anker Rechargeable Wireless Keyboard」を選択しペアリングする。以降は電源オンだけで物理キーボードとして毎回自動接続される。

moto g53j 5Gとペアリングして使ってみた。縦横は使用アプリや個人の好みだ

 moto g53j 5Gなど、アスペクト比が20:9前後である一般的なポートレイト型のスマートフォンでは、Eメールの送受信やWebブラウジングなどの用途では、縦画面での使用が適している。原稿を書いたりするのであれば縦でも横でも可能だろう。今回、筆者がBluetoothキーボードと組み合わせて使用を検討している「Galaxy Z Fold4」は、開いた状態で正方形に近い画面となるため、どちらでも良いだろう。

やっぱりスクリーンが拡大する折り畳みスマホにキーボードはバランスが良い

 筆者は時々、近所のファミレスで朝ご飯を兼ねて原稿を書いている。毎回携帯して行くポメラ DM250が実測622g。今回のY2641+Galaxy Z Fold4+スマホスタンドの合計重量が、482gとなんと140gも軽い。もちろんポメラ持参の原稿書きの時もGalaxy Z Fold4(実測280g)は常に持ち歩いているので、実際には420gも重いことになる。加えてY2641のシュアな指先感覚の方が、筆者好みだ。

今使ってるポメラは実測622g。それにどのみちスマホは持って行く

昨今の「コスパ」の使い方が気になる……

 今回、アンカーのBTキーボードY2641を手に入れて、久し振りに「コスパ」という言葉の意味をいろいろ考えてみた。どうも最近は、一般的に単に「安価なモノ」のコトを「コスパが良い」と言ってしまっている傾向が強い。

大きな画面のGalaxy Z Fold4の3点セットなら総重量は482gと超軽量で、ポメラ単体より140gも軽い。考え直す重量差だ

 そもそも、コスパとはAとBという2つの製品があった場合、どちらも製品としてのいくつかの客観的達成条件があり、両者ともそれをクリアした上で、Aの方が絶対価格が安い場合に「Aはコスパが良い」というのが普通のはずだ。

 比較対象がない、客観性がない、達成条件や達成度が違う場合は、正しい比較ではないので単に「安い商品」であり、比較条件が少ないか達成度が低い場合は「単なる安物」だという表現が、正しいはずだ。好例が近頃のダイソーなどの超安価な商品に対する昨今のメディアの製品評価を読んでると、単に安いだけのものを「コスパが良い」と表現してることが多く感じられる。

 誌面を読むだけで実体験をできない人に正しく理解してもらうには、言葉は正しく使うべきだろう。基本的に客観的な評価ではないこのコラムでは、単に筆者が「好き」という主観的なアイテムしか扱っていない。なので騙されて買わないことが重要だ。

 私が好きな今回のY2641を敢えてコスパという形式で表現するなら、パソコンのメイン常設キーボードとして使うなら価格は絶対的に安いが、決してコスパが良いわけではない。筆者的に365日使うキーボードにはより多くの達成すべき条件があって、その多くをY2641は実現できていない。そもそも1790円の売価でそれらの実現は不可能だ。

 今回の筆者のようにある一時期だけ、限られた時間だけモバイル環境で使用するスマホやタブレットのキーボードとしてなら「圧倒的なコスパ」だと言える。もちろん自宅や職場で使うメインデバイスのキーボードとしても限定された達成条件の数やその達成度の深さを妥協できるなら、常時使うより達成条件の多いWindowsやMacのキーボードとしてのコスパも変化する可能性はある。

 コスパ(コスト・パフォーマンス)は、コストとパフォーマンスという両者のバランスを評価するモノであって、評価ポイントの定義とその尺度、合格ラインがウヤムヤなモノにコスパと言う評価はないはずだ。個人的感覚の依怙贔屓(えこひいき)点が大勢を占めるなら、それはコスパではなく「好き」と言うのが正しいだろう。

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