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Honda車のマストアイテム! 35年を迎えた「Gathers」ナビの今昔物語

2023年07月01日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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Honda純正ナビシステム「Gathers(ギャザズ)」(写真はVXM-237VFEi/21万5600円)

 Hondaの純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセスのカーオーディオ&ナビゲーションブランド「Gathers(ギャザズ)」が2022年にブランド誕生35周年を迎えました。そこでカーナビの歴史を振り返るとともに、現在のカーナビ事情をご紹介しましょう。「ナビはスマホで十分」という方、必見です!

カーナビのニーズは日本と海外だと違う

CIVICに搭載された「Honda CONNECTディスプレー」

 まず、現在のHonda車のナビは、大きくわけて2種類が用意されています。ひとつはCIVICをはじめとするグローバル車種を中心に用意されている「Honda CONNECTディスプレー」。一方、「ギャザズ」はNシリーズやSTEPWGNといった、日本向けの色が濃い車種を中心にラインアップされています(CIVICにもギャザズのナビは用意されています)。この「初めから搭載されているナビ」と「ギャザズ」はまったくの別物で、開発体制も完全に分かれているのです。

DVD再生に対応したGathersナビ

 なぜこうなっているのかというと、日本と海外ではユーザーニーズが異なるから。海外では車内で音楽を楽しむ時はスマートフォンが主流。日本でもスマートフォンでカーオーディオを楽しまれる方が増えていますが、DVDやCDが年配の方を中心に今なお根強い人気があるのだとか。つまりグローバルの仕様では、日本の実情とは合わないというわけです。

アプリで機能拡張ができる「Honda CONNECTディスプレー」

トイレを検索するアプリも用意されている

 そこでホンダアクセスが日本向けの商品ラインナップを展開し、サポートをしているというわけです。実際に使ってみると、「Honda CONNECTディスプレー」は、アプリで機能拡張ができる反面、スマホに慣れている人には便利ですが、いまだガラケーの方が使い勝手がイイという方には操作が煩雑に思うかも。

 「ギャザズ」は使い勝手の面で迷いが少ないだけでなく、「かゆいところまで手が届いているなぁ」と感心すること間違いナシ。後述しますが、ドライブレコーダーとの連携やハイレゾファイル音源再生に対応するなど、機能面でも充実しています。長年Honda車に乗っている人にとっては、「ギャザズ」の方が使いやすいでしょう。

ギャザズは1987年に誕生

 では、ギャザズの歴史を振り返ってみましょう。ギャザズが誕生したのは1987年のこと。カーナビゲーションシステムはなかった時代で、カーオーディオといえば専用メーカー品を取り付けるのが当たり前の時代です。ギャザズの製品ラインナップは、それら専用メーカーのOEMをチョイスした、いわば「カーオーディオのセレクトショップ」的な立ち位置でした。それゆえギャザズの名は「色々なメーカーが手を組むこと」からTogetherをもじった、とも(諸説あるうちの1つです)。

DSPを用いて高音質化の道が拓かれた

高音質化が図られたコンポーネント

 その後、カーオーディオはラジオ&カセットテープからCDへと主流ソース機器が移行していきます。あわせて音質にこだわる声も出てくるようになりました。それに合わせギャザズも1990年に高級オーディオシリーズの展開が始まります。

写真は2007年のモデルだが、ナビゲーションシステムは90年代から登場しはじめた

2DIN、3DINのコンポーネント群。写真の1DINコンポーネントにはMDが!

車両通信が確立したのは1995年頃

 そして1990年代に入るとカーナビゲーションが一般化。ホンダアクセスはいち早く車両とナビゲーションシステムをつなげるメーカー横断の共通規格を策定するなど、来るべき将来を見据えました。そして時代は2DINや3DINサイズナビの時代へ。またMDが登場したのも、この辺りです。

ボックスウーファーキット

当時のカタログ

 オーディオの面でも、「S-MX」など車種によってはサブウーファーを用意したり、デザインコンシャスなモデルが登場するなど、個性的なモデルがラインナップに加わります。こういう製品を見ると「この頃はドデカホーンというラジカセとかあったなぁ……」と、おじさんの昔話は止まらなくなります。

最後のカセットテープ対応モデル(2007)

 2000年代に入ると、ギャザズのメインストリームはDVDナビ、HDDナビといったモデルが登場。そして2007年にはカセットテープ対応のモデルが姿を消します。システムも通信型ナビ「インターナビ・リンク」を搭載するなど、多機能化が進んでいきました。

現在のナビは高付加価値が求められている

 そして現代は、大画面化とドライブレコーダー連携、Honda CONNECTディスプレーと同等のサービスが利用できるようになったほか、Honda SENSINGとあわせた運転支援オプションなどが搭載されるようになりました。カーオーディオから始まったギャザズは、今やクルマのシステムの一部となっています。

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