アル/ヴェルはより個性が明確になった
アルファードとヴェルファイアの個性を明確化したのも今回のポイントだ。「王道」をテーマとするアルファードに対して、ヴェルファイアには黒を基調として金属加飾で個性を際立たせた専用グレード「Z Premier」を設定。さらに、ヴェルファイア専用のボディー剛性部品を追加したほか、2.4L直列4気筒ターボエンジン車を設定したほか、スポーティーなサウンドにチューニング。運転する喜びを追求した。
内外装デザインをゆとりの室内空間、使い勝手といった商品性の面を引き上げ、ショーファーカー(運転手付き自動車)に相応しいクルマへと作り上げられている。
いまやセレブも乗ってるミニバン
センチュリーも大幅改良か!?
サイモン・ハンフリーズ トヨタ自動車取締役・執行役員は「アルファードは、セダンしか認めないというショーファーカーの古い価値観を見事に覆しました。代表取締役会長 豊田章男は2004年、彼が役員だった頃、セダンのショーファーカーからアルファードに乗り換えました。理由は、ワークスタイルに合っていたからです。広い車内でゆったり仕事ができる。会議の合間にくつろげる。必要あらば着替えだってできる。アルファードは完璧な選択肢でした。
ですがそれは当時、異質な選択肢でした。当時、白いアルファードでサプライヤーを訪問した際、もうすぐセンチュリーに乗ったVIPがやってくるから早く道を開けてくれ、と大変な剣幕で注意されたそうです。アルファードから降りてきた豊田章男さんを見て、先方は仰天されたのでした。ですが今やアルファードとヴェルファイアは、相撲力士から政治家、映画スターからビジネスパーソンまで、あらゆる人に選ばれるようになりました。まさにショーファーカーのニュースタンダードになったのです」と豊田章男氏のエピソードを交えて、ベルファードがショーファーカーであると紹介。
そして「どれだけ車内にホスピタリティーを盛り込めるかという発想は、まさに日本ならでは。人の幸せを願い、細やかな工夫を重ねる“おもてなし”の心がいくつも詰まっているのです。海外からも根強い人気を獲得し、新しいアルファードとヴェルファイアは、2倍近くの国で販売されることになります。日本のおもてなしが生み出したクルマです」と語った。
そして最後に「センチュリーさえも、大胆に変えようと、すでに動いているのです」と、トヨタはショーファーカーの戦略を変えつつあることを示唆した。
トヨタのショーファーカー戦略の中核を担うアルファード/ヴェルファイア。ASCII.jpでは今夏試乗レビューを予定しているので期待してほしい。