音声解析で営業DXから脱FAX、船舶管理、資産運用に採用、ECまで スタートアップが各業界の課題解決に挑む
「B Dash Camp 2023 Spring in Sapporo」レポート
AIを活用した採用アプリ「HelloBoss」を提供する株式会社NGA
NGAは、企業と求職者をつなぐAI採用アプリ「HelloBoss」を展開している。全国530万社のうちオンライン採用サービスを利用している企業はわずか1%に留まるという。長い工数がかかることや採用コストが高いことが原因だ。
「HelloBoss」は独自AIによる高精度のマッチングや初期費用、成果報酬なしのサブスク型の料金体系で採用効率を向上させる。AIで募集要項を自動作成することも可能だ。また、担当者と応募者が直接つながるチャット機能で採用のミスマッチを減らす。
応募者にもメリットが大きい。AIによる自己PRの自動作成やPDFダウンロード、カウンセリング、全国530万社の企業データベースなどがすべて無料で利用可能だ。提供開始から1カ月で利用企業数は300社、登録ユーザーは1万人を突破した。今後の展望として、世界中の企業と人材が国を越えてマッチングされるサービスを目指していく。
不動産仲介業者向けの営業DXツール「フォレスト」を開発、株式会社オープンルーム
オープンルームは不動産仲介のためのB2C営業プラットフォーム「フォレスト」を展開している。国内12.5万の仲介会社は95%が従業員数10名未満の中小事業者だ。顧客とのやり取りは紙やメール、電話が中心で繁忙期には見込み顧客からの問い合わせに対応しきれない課題を抱えているという。
不動産分野における従来のサービスは集客やマーケティングを効率化するものが多く、日々の営業をDXするサービスがほとんどなかったという。「フォレスト」はAIやOCR(Optical Character Recognition/Reader、光学文字認識)を活用して従来の業務を20~30分短縮。紙でやり取りしていた不動産情報はクラウドに集約し、顧客はスマホでマイページから簡単に閲覧したり、担当者とチャットでやり取りしたりできる。
また経営者は従業員の日々の業務をアナログな日報ではなく、クラウドを通じて簡単に把握できる。現在は8000人の不動産エージェントが登録している。今後の展望として5年で年間500万人の住まい探しをサポートするプラットフォームを目指す。
サブスクの立ち上げと運営を支援する「marvle」を展開、株式会社ONZO
ONZOはマルチチャネルに対応したサブスク管理ツール「marvle」を展開している。サブスクの運営者はニーズ検証や解約防止などに関するさまざまな課題を抱えている。また、サブスクを始めたいが、何から取り組むべきかわからない、導入や運営コストが高いなどの課題もある。
「marvle」はAPIとSDK(ソフトウェア開発キット)の組み合わせで、簡単かつ効率的なサブスク運営を可能にする。導入方法は事業者のWebサイトにSDKを導入し、タブ一行のスクリプトを埋め込むだけで完了するため、非エンジニアでも利用可能だ。
今後はサブスク成長に向けた最適なプライシングの提案や、コンテンツ配信などのアシスタント機能を追加していくことを目指すという。
ECに特化したノーコードツール「TēPs」を展開するテープス株式会社
テープスはECに特化したノーコードツール「TēPs(テープス)」を展開している。EC事業者は独自の複雑な受発注や在庫管理などの業務を既存のSaaSで効率化できない課題を抱えている。ECの現場で大半を占めるニッチな要望に対応するサービスが少ないためだ。
そこでテープスはECに特化したノーコードツール「TēPs」を開発した。さまざまなSaaSやECプラットフォームとAPI連携し、それらをブロックとして組み合わせることで、独自のシステムを簡単に制作可能だ。システム開発費用も不要となる。
また、よくあるユースケースに対応するワークフローはテンプレート化されているため、より簡単に使い始めることが可能だ。今後の展開として、接続先を増やてしマーケティングや経理などEC事業者のあらゆる業務を網羅することで、利用する事業者の範囲を拡大していく。