2023年5月30日、一般社団法人名護スマートシティ推進協議会と沖縄県名護市は、名護市のスマートシティ関連の実現に向けた包括連携協定を締結した。発表会に登壇した渡具知武豊 名護市長は「これまでの流れを作り直し、今の時代にあった最新のテクノロジーを活用したまちづくりが必要」と語った。
スマートシティ名護モデルを目指して、7社が社員企業として参画
一般社団法人名護スマートシティ推進協議会は、官民連携や先進テクノロジーの活用によって地域課題の解決やまちの魅力を高める「スマートシティ名護モデル」を創出すべく、2023年1月に発足。「響鳴都市(きょうめいとし)名護」を掲げ、「人や企業、まちの歴史と未来、最新技術と自然などのあらゆる地域資源が、『もっと輝く名護市を創る』という想いを持って、それぞれの力を発揮(音を奏で)、互いに響鳴させ(ハーモニーを生み出す)その力を最大に引き出す新しいまち」を目指すという。
社員企業は、ゆがふホールディングス、アマゾン ウェブ サービス ジャパン、シスコシステムズ、デンソー、西日本電信電話、JTB沖縄、KPMGコンサルティングの7社。公立大学法人名桜大学 副学長の林 優子氏が代表理事、ゆがふホールディングス 代表取締役社長の前田 貴子氏が理事を務める。傘下の名護スマートシティコンソーシアムでは観光や交通、農業、まちなか再開発などのテーマに基づいたワーキンググループを立ち上げ、参加企業とともに課題解決策の検討と実証の推進を担う。会員数は今年度中に110程度を目指すという。
名護市と名護スマートシティ推進協議会による今回の包括連携協定では、名護市や沖縄県北部地方でのスマートシティ事業での連携、地域住民とデジタル技術が融合できる環境の創出、スマートシティ事業の推進に関する地域企業・人材育成など、7つの項目での連携事項が含まれる。名護スマートシティ推進協議会は、4月に公開された名護市のスマートシティ推進の基本計画である「スマートシティ名護モデルマスタープラン」に従い、名護市の地域課題を「自分事」として捉える産学官/地元・外部のプレイヤーとのまちづくり、課題先行型のデジタル活用施策、地域の大学と雇用の生まれる企業とのエコシステムと地域人材の育成、など3つの基本方針で響鳴都市の実現を進める。
活動拠点「Nago Acceleration Garage」も始動
ロードマップとしては、計画策定や推進体制の整備を進めた昨年度に引き続き、2023年度にエコシステム形成の土台作り、2024年度にエコシステム形成の促進を行ない、名護市をフィールドとしたさまざまな実証事業を進める。2025~2026年度には多種多様なプレイヤーが地域課題や社会課題の解決を推進する「スマートシティ名護モデル」を確立。まちの賑わいの創出、産業クラスターの実現、人・文化の発展など実現させていくという。
スマートシティ実現に向けたアイデア創出や学生などの起業支援、既存企業の市場競争力の向上を図るための創造創発拠点として、「Nago Acceleration Garage」を名護市内にオープンした。200㎡の面積にバーカウンターやワーケーション・セミナー、PLAY&チルエリアなどが用意されるほか、スマートシティ推進、エコシステム、オープンイノベーション、住民アンバサダー、次世代事業プロデューサー育成など5つのプログラムも構築していく予定。世代を超えたさまざまな人たちが互いの思いを響鳴でき、共創を加速できる拠点を目指すという。