セキュリティサービスエッジとも統合されたSD-WANソリューションでゼロトラスト実現を支援
マクニカとNetskopeが「Netskope Borderless SD-WAN」国内提供開始
2023年05月12日 07時00分更新
Netskope Japanとマクニカは2023年5月10日、SD-WANソリューション「Netskope Borderless SD-WAN」の国内提供を開始した。ユーザーからクラウドまでを“any to any”で接続し、高性能かつセキュアなネットワーク環境を実現するソリューション。SSE(Security Service Edge)とSD-WANを組み合わせることで、クラウド時代に最適な包括的なSASEソリューションを提供できることを特徴としている。完全統合型SASEプラットフォームの提供によって、日本企業のゼロトラスト実現を支援する。今後1年間で100社への導入を目標に掲げる。
単一プラットフォームでオールインワンソリューションを提供
Netskope Japanとマクニカは、2022年にパートナー契約を締結。今回のNetskope Borderless SD-WANについては、マクニカが国内唯一の総代理店として展開する。マクニカを通じて、Netskopeの一次代理店や二次代理店にも同ソリューションを流通するとともに、ゼロトラストアドバイザーサービス、SASE/SSE選定支援サービス、ID特化コンサルティングサービス、運用支援変革サービス、SD-WANトレーニングメニューなども提供する。
米国Netskope, Inc. グローバルソリューションアーキテクト部門長のマイケル・コイフマン氏は、IoT活用やリモートワークの広がりによって企業ネットワークの接続拠点が増え、「境界に対する考え方が根本的に変化している」と述べたうえで、Netskope Borderless SD-WANの特徴を説明した。
「Netskope Borderless SD-WANは、単一のソフトウェアアーキテクチャで構築したオールインワンソリューションを提供するもので、ひとつのクライアント、ひとつのコンソールからすべてを管理できる。また、SD-WANアプライアンスには4G/5G接続機能を持たせたほか、ネットワーク内に存在するすべてのアプリケーションを認識するディープコンテキスト機能、IoT/エッジコンピューティングへの対応、ゼロトラストアプローチによる包括的なセキュリティを実現できる(コイフマン氏)
具体的なユースケースとしては、支社などのMPLS回線をインターネットSD-WANに移行するWANコストの削減、SD-WANとZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)を統合してすべてのエンドユーザーデバイスにメリットを提供する「SD-WANリモートアクセス」、携帯ネットワークをWANとして利用できる「ワイヤレスWAN」、複数のパブリッククラウドと相互接続するマルチクラウドネットワーキング、軽量コンパクトでオールインワンのゲートウェイである「ブランチオブワン」、IoTデバイスをセキュアに接続する「IoTインテリジェントアクセス」を挙げた。
Netskope Japan カントリーマネージャーの大黒甚一郎氏は、マクニカを国内総代理店としたことについて、「マクニカにはSD-WANに関する実績、経験、ノウハウが蓄積されており、SASEやIDaaS、EDRなどを含んだトータルソリューションも提供可能だ。強力なパートナーシップにより、リセラーの育成やサポート体制の強化にも期待できる」と述べた。
また、マクニカ ネットワークスカンパニー VPの星野喬氏は、同社は様々なゼロトラストソリューションを提供しているが、そのなかでもSD-WANソリューションには「大きなビジネスポテンシャルを感じている」と語った。
「SSEとSD-WANを組み合わせたSASEとして提供することで、顧客の利便性を高めることができる。ゼロトラストの流れとともに普及期に入っていく製品であり、顧客の課題を解決しながらビジネスを拡大できるだろう。まずは、金融機関やグローバルに展開する製造業など、拠点数が多い企業を対象に提案を進めるほか、ハイブリッドワークを行っている企業、通信パフォーマンスを向上させたい企業、ゼロトラストを実現したい企業にも提案したい」(星野氏)
Netskope SASEプラットフォームの強み、国内事業は過去2年で6倍に成長
Netskopeは2013年創業で、CASB(Cloud Access Security Broker)から事業をスタートさせた。とくに「データ保護」に注力してきたのが特徴で、その後、次世代SWG(Secure Web Gateway)やCSPM(Cloud Security Posture Management)、ZTNAなどを製品化。さらにSD-WANを展開することで、SASE(Secure Access Service Edge)領域にまで事業を拡大している。ガートナーのマジッククアドラントでは、SSEカテゴリーが新設された2年前から2年連続でリーダーポジションを獲得している。
「NetskopeのSASEプラットフォームは、自社開発の技術を活用し、ひとつのポリシーフレームワークをもとに、ひとつの連携統合コンソールですべてを管理できるため、運用負荷を低減できるのが特徴。コアとなる『Zero Trust Engine』がZTNA、CASB、SWG、SD-WANに適用され、全世界70カ所以上のデータセンターで稼働する。豊富なAPIにより、クラウドストライクやOktaなどのサードパーティ製品との連携も強みになる」(大黒氏)
Netskopeでは、SSEの中核機能であるSWG、CASB、FWaaS、ZTNAの4つのセキュリティ機能に加えて、DLPやRBIを統合。ここに今回Netskope Borderless SD-WANが加わることで、Netskope 1社で「完全統合型のSASEプラットフォーム」を実現したと述べている。
日本法人のNetskope Japanは2017年5月設立で、現在は一次販売店5社をはじめとする24社のパートナーとともに国内事業を展開している。国内の顧客数は300社以上、導入ID数は100万以上となっており、売上成長率も過去2年で6倍に、3年では10倍に達しているという。国内ビジネスの78%が次世代SWGのビジネスだ。
「顧客数は2023年中には400社に、また数年以内に1000社にまで拡大予定だ。グローバルビジネスのなかで日本市場の占める割合は5%程度だが、今後さらに日本のビジネスを成長させたい」(大黒氏)