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eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ 第11回

450km勝負のSUPER GT第2戦富士、冨林勇佑が初の◯◯に挑戦!?

2023年05月10日 16時00分更新

文● 吉田知弘 写真●加藤智充 編集●ASCII

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サーキットは満員御礼!
450kmの長距離レースの決勝を制したのは!?

 迎えた5月4日の決勝日。コロナ禍の制限も緩和され、ゴールデンウィーク中の開催ということもあり、この日は4万8600人ものファンがサーキットに駆けつけ、大盛り上がりとなった。

 GT300クラス14番手からスタートする5号車は、冨林がスタートを担当。今回は450kmレースで、途中に2度の給油を伴うピットストップを行なわなければいけないというルールがある。今年も5号車陣営は“超変則作戦”で臨んだ。

 1周目を終えたところで、1回目のピットストップを行ない、残り99周(GT500の周回)を1ストップで乗り切るという作戦に出た。これは昨年も行なったのだが、レース展開に恵まれず、うまく機能しなかったのだが、今年も上位進出のために再トライした。

 ほかにも同じ作戦をとった車両が数台いたが、周りにGT300の車両が何台もいない状況下で、自分のペースで走れるというメリットは大きい。冨林は“450km先の逆転”を目指し、ひたすら周回を重ねた。

 これで、フルコースイエローやセーフティカーが出て、レースが荒れれば逆転のチャンスも大きくなったのだが、今回は珍しく波乱の起きないクリーンな展開となった。5号車としてはベストな展開とはならず、冨林も思うようにペースを上げられず苦戦。64周を走りを得たところで2度目のピットストップを行ない、松井にドライバー交代した。

 後半も劣勢の展開になったが、なんとか順位を上げようとプッシュした松井。しかし、残り5周のところで244号車スープラと争っていた時に、わずかに接触して失速。その背後に走っていたGT500クラスの車両が追突するアクシデントが起きた。

 これで、ディフューザー付近を破損し緊急ピットイン。応急処置をしてコースに復帰するも、大きくポジションを落としてしまい、22位でレースを終えた。

 最後は不運もあって仕方がないところではあったが、レースを終えた冨林はいつになく落胆気味だった。

 「僕の前半スティントで、本当は38秒台で回れそうな感じはあったんですけど、決勝日の路面温度が(予選日より)上がったことで、タイヤ的はキツいところがあって……実質的に39秒5くらいのアベレージになってしまいました。燃料が軽くなってきたところで、38秒台にいけるようにプッシュしたんですけど、最後はタイヤがブローしてしまって、ペースが落ちてしまいました。予選日より路面温度が2~3度上がってしまったんですけど、それでタイヤの温度レンジが外れてしまいました。後半の松井選手も、同じような状況が起きていました」

冨林選手

松井選手

玉中哲二監督

 次回の舞台である第3戦鈴鹿は、冨林がSUPER GT初表彰台を経験したレースでもあるのだが、現状では前向きな要素が少ない模様。「このままではまずいですね」と表情も雲りぎみだった。

 「今のままだと、鈴鹿も同じようにダメになりそうなので……。昨年からシャーシも変わっているので、そこの部分で何かあるのかもしれないですし、昨年のデータとかセッティングをかも参考にして、とにかく何かきっかけを見つけないといけないですね」

 昨年にはなかった課題が浮き彫りとなってしまっている感がある5号車だが、チームを引っ張る立場にもある冨林としては、持ち前のガッツで、この状況を脱してほしいところだ。

 なお、GT300全体を見ると、ポールスタートの56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」が終始レースを支配し、そのままチェッカー受けた。2位は2号車「muta Racing GR86 GT」、3位は52号車「埼玉トヨペットGB GR Supra GT」という結果で、国産車が表彰台を独占する形になった。

1位56号車、2位2号車、3位52号車。多くのファン前でシャンパンファイトも盛り上がった

終始安定して早かったオリベイラ選手(左)と名取選手

56号車のチーム監督、近藤真彦氏も笑顔

56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」

2号車「muta Racing GR86 GT」

52号車「埼玉トヨペットGB GR Supra GT」

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