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理事長の松原 昭博氏にインタビュー

eスポーツでグローバルな人材を育成! NASEF JAPANが目指す教育の未来

2023年04月26日 11時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

提供: NASEF JAPAN

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加盟校を増やしてコンテンツをどんどん提供したい

──NASEF JAPANの今後の目標を教えてください。

松原氏:調べてみると、eスポーツを含むパソコン関連のクラブがあるところが600校で、今NASEF JAPANに加盟いただいている高校が440校くらいになります。そこで、そういったクラブがあってまだ加盟いただいていない高校にお電話して、案内をするということを実施しています。今の目標は500校ですね。

──電話で案内する以外に周知で取り組みされていることはありますか?

松原氏:公式ホームページの中に加盟校ポータルサイトを作って、加盟校はそこに行くと教育コンテンツがすべて使えるようになる仕組みを作りました。そのほか、まだまだこれから提供していくコンテンツも用意していまして、それは我々がまずはパイロット授業を実施して、それをもとに各学校でも実践してもらえるように使用とも考えています。実際に、横浜と品川の高校では、こういった取り組みも始めている最中です。

──研究分野についてはいかがですか?

松原氏:我々がeスポーツで教育を促進するといってがんばっていますが、ゲーム依存症といったネガティブな要素は未だに根強いです。そこで依存症の専門家、臨床心理の先生にもeスポーツ国際教育サミットで講演していただいたのですが、依存症はハマりすぎて起こるわけではなく、心理的にものすごく不安があって、その不安の解消のためにやり続けてしまうそうで、そのもとの心理状態を理解して取り除かないと治らないらしいんですよ。そういった、eスポーツ以外の専門家の方とも一緒に、eスポーツの研究をしています。

eスポーツを教育につなげる際の課題や問題、授業への取り込み方などについて研究しているという

──さまざまな角度からeスポーツを研究されているんですね。

松原氏:ほかにも、eスポーツを部活動にするとどんないいことがあるの? といった疑問に対して、筑波大学さんと一緒に研究して、今論文にまとめている最中です。また、アメリカではeスポーツと社会的感情学習、いわゆるソフトスキルがよくなるというのは、数字で出ていることなんですが、それはじゃあ日本ではどうなの? といったところの研究も、東京理科大学さんと一緒に取り組んでいます。研究については時間がかかる分野でもあるので、今後も継続して行なっていければと考えています。

──eスポーツと教育の今後はどうお考えですか?

松原氏:eスポーツという言葉は多くの方にしっていただけるようになったのですが、まだまだゲーム依存症といったネガティブな要素がセットになっていることが多いんです。でも、そういった親御さんがお子さんのeスポーツ大会に出場している姿を見て大感動される現場も見てきています。やっぱり、現場でみるとチームメイトとのコミュニケーションとか、熱意とかが伝わってきますからね。こういったシーンを見てなくて、よろしくないものと考えている方々のイメージをどう払しょくするかというのも、大変なんですよね。これは、我々だけでなく業界全体でやらなきゃいけないなと思っています。

──eスポーツにしかできないことも、結構あると思っていますので、今後どうなっていくのか、個人的にも楽しみです。

松原氏:この前特別支援学校に行く機会がありまして、そこでeスポーツをやりますということで見に行かせてもらったんですけど、特別なコントローラーを使って、サッカーのゲームをプレイされていました。eスポーツであれば、さまざまな事情を抱えたお子さんでも、学校の外の子供たちと対戦するということが体験できるんです。親御さんたちも大感動されていまして、こういった今までできなかったことを、eスポーツをつうじて体験してもらうといった活動も、今後はどんどん増やせて行けたらなと思っています。

──ありがとうございました。

グローバルな生徒を育てる、STEAM教育とPBLに注目
eスポーツをつうじて教育を変えるNASEF JAPANに期待

 インタビューする前までは、NASEF JAPANがどういった構想、想いでeスポーツと教育を組み合わせているのかということがわからなかったが、STEAM教育やPBLといった取り組みに、eスポーツを掛け合わせることで、グローバルな人材を育成していきたいということがわかった。

 また、3月31日に公開された「第4回 eスポーツ国際教育サミット 2023」では、マインクラフトを使用した教育への可能性や、STEAMとはどのような教育なのかといったことなどをそれぞれ専門家が解説している。今後の教育について、何か新しい取り組みがしたいという先生は、ぜひ動画を閲覧するところから、初めてみてはいかがだろうか。

(提供:NASEF JAPAN)

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