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「NASEF JAPAN 国際教育eスポーツサミット 2021」レポート

eスポーツ×教育で自主性やコミュニケーション能力、語学力を向上! NASEF JAPANが目指す次世代の人材育成とは

2021年03月31日 09時00分更新

文● 柴田尚 編集●八尋/ASCII

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「NASEF JAPAN 国際教育eスポーツサミット 2021」

 NASEF JAPANは、eスポーツをとおしてグローバルな人材を育成する教育を、日本の高等学校に広めていく支援を目的とするNPO。アメリカの北米教育eスポーツ連盟(North America Scholastic Esports Federation)の日本本部であり、2020年11月に設立され2021年4月より本格始動する予定だ。もとのNASEFは、教育委員会が中心となり始まったeスポーツリーグから、2017年に生まれた団体。子供たちが将来において求められる共感力や共創力、創造力をeスポーツを通じて育める教育、「教育eスポーツ」を広める活動を行なっている。

 そのNASEF JAPANが、3月20日に「NASEF JAPAN 国際教育eスポーツサミット 2021」と銘打ったシンポジウムを開催した。さらに2021年度の活動構想発表会も行なわれたので、合わせてレポートをしていく。

NASEFの概要

eスポーツの教育事例を挙げるスタインクラー博士による基調講演

NASEF JAPANの内藤氏(提供:NASEF JAPAN / NASEF)

 シンポジウムは、NASEF JAPANの内藤氏による「教育eスポーツ」の定義の説明からスタートした。その内容は、eスポーツを学習や教育を促進するための効果的なツールとして利用することだ。現在の教育現場において、スポーツや芸術といったものが活用されているのと同じように、ゲームを活用していくというわけだ。その中でNASEFは、教員、生徒、そして保護者といった人々に対し、コミュニティの結成やカリキュラムの開発、クラブ・部活動の活性化をサポートすることを目的としている。

NASEFの目的はeスポーツを教育のためのツールとすること

 続いて、カリフォルニア大学アーバイン校のコンスタンス・スタインクラー博士が基調講演を行なった。eスポーツのプログラムを中心に研究をしている博士で、今回の講演のテーマは「ゲームを活用した次世代の世界の教育事例と潮流」。

基調講演を行なったスタインクーラー博士

 講演では、カリフォルニア大学アーバイン校で行なわれている世界的に有名なeスポーツのカリキュラムで、約3年間にわたるフィールドワークで得られた知見について語られた。競技チームの部分だけでなく、eスポーツのコミュニティでの組織化についてをも含めて研究していると、プレイヤー以外にも多くの役割があることが見えてきたという。

 しかもそれらの役割においては、学校で評価され奨励されている知識とスキルが必要とされていたとのこと。そうした分析から、eスポーツを米国の教育基準に結びつける方法を考えたそうである。

eスポーツを取り巻くエコシステムから見えてきた重要なスキル

 1年目の研究においては、対象となるグループへのインタビューや保護者との面談を中心に科学、数学、英語、コミュニケーションの学習について分析を行なった。その結果、そうしたカテゴリにおいて大きな進歩があったうえ、社会的感情学習や人間関係についての議論が急上昇したという。とくに、低所得者層においてそれが顕著だったそうだ。

1年目の研究で発見された言語芸術における生徒の成長。非常に伸びているのが社会的感情学習や人間関係

 2年目は、NASEFによるプログラムを受けている生徒と受けていない生徒を比較。そこからは数学的・科学的・論理的思考や学校との繋がりにおいて大きく向上する結果が得られた。忍耐力や批判的思考についても成果が見られるという。

2年目においても様々な項目が向上しているが、感情の調節においてはマイナスとなっている

 3年目は、プログラム参加者内でどういった変化があったか、すでに得られているデータをより分析することに。ここでは学生がリーダーシップを発揮することが多くなっているということが見えてきているそうだ。

3年目はすでに取得している82人分のデータを精査した。1年目と同じようにほとんどの項目で伸びがあった

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