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理事長の松原 昭博氏にインタビュー

eスポーツでグローバルな人材を育成! NASEF JAPANが目指す教育の未来

2023年04月26日 11時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

提供: NASEF JAPAN

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eスポーツの外の分野の方に、eスポーツを研究してもらう
啓蒙活動としての「eスポーツ国際教育サミット」

──続いては、啓蒙活動について教えてください。

松原氏:啓蒙活動において、もっとも力を入れているのが「eスポーツ国際教育サミット」です。

──サミットではどういったことをされているのですか?

松原氏:eスポーツ以外の各界の有識者の方に、専門的かつ中立的な観点から、eスポーツが教育にどう活かせるのかということを語っていただいています。eスポーツを教育にと大きく掲げている我々が、eスポーツうんぬんといっても難しい部分はあると思いますし、eスポーツについてやはりまだまだゲームとしてネガティブな発想を持っている方も多くいらっしゃると思うので、中立的な立場からお伝えいただくということは、とても重要だと思っていますし、ぜひ見ていただきたいです。

──eスポーツ国際教育サミットは、今年から生放送ではなく動画になりましたよね?

松原氏:見ていただきたい対象は先生方なのですが、休日の時間を使って、生放送でサミットを観てほしいといっても限界があると思ったんです。そのため、タイミング関係なく興味のある分野だけでも見てもらえるように、今年は動画にしました。

世界に繋がるeスポーツ
競技だけでなく企画・運営も生徒主導で

──子供たちに対する場の提供について教えてください。

松原氏:まずは、NASEF JAPANが主催する高校生向けのeスポーツの大会があります。今はプロの制作会社にお願いして、運営をしてもらっているんですけど、今後は企画や運営も学生さんにやっていただきたいです。私が考えるeスポーツは、選手として出場するだけでなく、企画する人も、運営する人も、テクニカルな部分も、MCも、ポスターやロゴを作る人も、全部eスポーツのエコシステムの一部だと考えています。この大会を高校生たちが自分たちで作り上げていく体験をとおして、成長に繋げていただきたいなと考えています。

NASEF JAPAN主催のeスポーツ大会を実施

──企画・運営を学生さんのうちにできると、大人になってからとても役立ちそうですね。

松原氏:我々もやっぱり実社会に出たら世の中のエコシステムの中にいるわけじゃないですか。そこでも上手く立ち回らなくてはいけない。そういったところを、学生のうちから体験してほしいです。

──大会以外にも、場の提供はあるのでしょうか?

松原氏:eスポーツのいいところは、リアルスポーツと違って、どこからでも全世界の人と対戦できるという点です。NASEFはアメリカを中心に、日本だけでなく世界中にネットワークを持っています。そのため、日本の高校生と海外の高校生で国際親善試合をする場の提供も実施しています。

──海外の高校生との交流ですか。

松原氏:以前群馬の県立前橋高校の生徒さんたちが、商店街で自分たちで手作りでeスポーツ大会を実施されていて、我々もちょっと協力させてもらったんですけど、その際にアメリカやコスタリカの高校生とつないで、お話しするという場を提供させていただきました。前橋高校の生徒さん発案で海外の方と対戦がしたいということだったんですけど、今回は準備期間が短くて、お話をするのみになりました。

前橋高校の生徒さんたちが主導となって、eスポーツの大会を実施

──お話って、英語ですよね?

松原氏:英語です。周りの大人たちは大丈夫かなと心配していたのですが、本番は見事にお話していて、コスタリカの生徒さんもモチベーションが上がっているのが伝わってきました。ぜひ今後も交流やeスポーツでの対戦をやりましょう! と、今後の交流にもとても前向きでしたよ。

──スゴイですね。

松原氏:私が36歳のときに初めて海外に仕事で出たのですが、その際も言語にはとても苦労しました。これからの時代、若いうちからグローバルを意識した人材を育てていかないとというのも、NASEF JAPANの課題の1つです。eスポーツタイトルって、普通に遊んでいても海外の人とつながることがあるじゃないですか。そういう点でも、グローバルな人材を育てるという課題に最適だなと感じています。国は違っても、共通の話題があるというのは、コミュニケーションにおいて大切なことですから。

今後はグローバルに活躍できる人材を、学生のころから育成していかないといけないと語る松原氏

──確かに英語はもっと学んでおけばよかったなと思っています。

松原氏:ほかにも、ビデオで文通するプロジェクトも進めています。日本の高校生が英語でプレゼンした映像を収めて、NASEFの本部をつうじて各国の高校生に届けてもらう。その返事をまたビデオでもらうというプロジェクトです。参加を募ったところ8校くらいの応募があって、高校生ですし、時差の関係で通話でのコミュニケーションには限界があるのですが、ビデオならできるだろうということで進めています。これもNASEFだからこそできることかなと考えています。

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