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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第77回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 4月1日~4月7日

ChatGPT/言語AIの労働支援効果はどれくらい?、中途退職者の秘密保持義務と対策の実態、ほか

2023年04月10日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年4月1日~4月7日)は、国内ITサービス市場の成長率、「内部不正」対策の状況、これからのテクノロジートレンド、国内AIシステム市場予測、アウトカムベースのセキュリティ対策についてのデータを紹介します。

■[ITサービス]2022年の国内ITサービス市場は前年比3%増の6.7兆円、2023年も堅調に成長の予想(IDC Japan、4月4日)
・2022年の国内ITサービス市場は6兆734億円、前年比3%増
・先行き不透明感はあるものの、システム刷新などの需要に支えられ2023年も堅調に成長
・2022年から2027年まで年平均成長率(CAGR)は2%

 「国内ITサービス市場 産業分野別予測、2023年~ 2027年」より。2022年のITサービス市場は、前年比3.3%増の6兆734億円。既存システムの刷新/クラウド移行、企業のデジタルビジネス化に関連する案件の増加と範囲拡大に伴う支出が牽引したという。2023年は世界的インフレ、景気後退懸念などの不透明感の増大に伴い、ITサービス投資抑制の影響が懸念されるものの、堅調な成長を継続すると予想。2022年から2027年まで年間平均成長率(CAGR)2.9%で成長すると見ている。

国内ITサービス市場の支出予測、2022年は実績推定値、2023年以降は予測(出典:IDC Japan)

■[セキュリティ]中途退職者に課す秘密保持義務の実効性、対策をもつ企業は半数に満たず(情報処理推進機構:IPA、4月6日)
・内部不正リスクを優先度の高い経営課題と捉える企業は40%
・個人情報以外の重要情報を特定する仕組みを持つ企業は半数に満たず
・中途退職者に課す秘密保持義務の実効性を高める対策、7%が「実施なし」

 企業の内部不正防止体制を調べる目的て実施された調査。内部不正リスクを重要な経営課題として捉えている企業は39.6%にとどまる。「個人情報」を特定できる仕組みを導入している企業は70.6%に及ぶが、その他の「営業情報」「重要な技術情報・ノウハウ」などについては半数に満たなかった。中途退職者に対する重要情報の漏洩対策についても、対策を講じている企業は半数に達していない。

内部不正を「重要な経営課題」と捉える企業は39.6%にとどまった。「重視されていない・ほとんど意識されていない」は42.8%(出典:IPA)

個人情報以外の重要情報については、特定できる仕組みを持つ企業は半数を下回る(出典:IPA)

中途退職者に課す秘密保持義務の実効性を高める対策については、どの対策についても講じている企業は半数を下回った(出典:IPA)

■[AI]「ChatGPT」など言語ベースAI、全労働時間の40%で支援や補強として組み込まれる(アクセンチュア、4月5日)
・今後10年間の重要なテクノロジートレンドは「クラウド」「メタバース」「AI」
・ジェネレーティブAIなど言語ベースのAIは全労働時間の40%に組み込まれる
・98%の経営幹部が「今後3~5年でAI基盤モデルが自社戦略において重要な役割を担う」

 世界の技術トレンドをまとめた同社の「Accenture Technology Vision 2023」より。現実空間とデジタル空間が密接につながり合う中、ジェネレーティブAIなど先進的な技術がビジネスの新時代を切り開きつつある、とする。「ChatGPT」の急速な浸透を受け、全労働時間の40%において言語ベースのAIによるサポートや補強が組み込まれると予測。アクセンチュアでは、時代は現実とデジタルが融合した「共有現実(Shared Reality)」に向かっていると見ており、「ジェネレーティブAI」「デジタルアイデンティティ」「データの透明性」「サイエンスとテクノロジーの相互進化」の4つを重要トレンドと定義している。

95%が「ジェネレーティブAIにより企業におけるインテリジェンス活用の新時代が到来しつつある」と回答(出典:アクセンチュア)

■[AI]AIシステムを利用する企業比率、2023年は72%に(IDC Japan、4月5日)
・2023年、限定的なPoCを含むAIシステムの利用比率は72%
・全社利用は15%、2022年の19%から減少
・AIシステムの投資重点領域のトップは「AIのセキュリティ」

 従業員規模100人以上の合計542社のAIシステムを把握する担当者に、AIシステムの導入・利用状況について聞いた。「部門限定のPoC」から「全社利用」まで、なんらかのかたちでAIシステムを導入しているとする企業は72.4%。2022年の77.3%からは減少となり、調査を開始した2018年からの平均値は67.2%となった。IDCでは、AIをデジタルビジネスのデファクト技術とし、その活用について、国内市場の顧客層とAI活用スタイルの多様性が高まっているとしている。

AIシステムの利用、2023年は72.4%、2022年の77.3%から減少した(出典:IDC Japan)

「AIシステムの投資重点領域」(最大3つ選択)の回答分布(出典:IDC Japan)

■[セキュリティ]60%が問題発生後にサイバーセキュリティ対策、アウトカムベースのセキュリティサービスに高い関心(ウィズセキュア、4月4日)
・サイバーセキュリティ、60%が「問題発生後に対応」
・毎年サイバーセキュリティ対策の予算を増額している企業は71%
・83%がアウトカム(成果)ベースのセキュリティサービスに関心・採用を計画

 日本を含む8カ国で、組織のIT/セキュリティ製品・サービスの購入意思決定者409人を対象に調査。サイバーセキュリティにおいて、「問題が発生した後に対策する」という受動的な対応をしている組織は60%だった。回答を業種別に見ると、規制の厳しい金融サービスは半数強にとどまるのに対し、製造業は71%に達するなど、ばらつきがあった。ビジネス目標からセキュリティ対策を検討する「アウトカムベースのセキュリティ」への関心は高く、83%が「関心がある・採用を計画」と回答。求めるアウトカムとしては、「リスク軽減」(44%)、「カスタマー/パートナーエクスペリエンスの向上」(40%)などが挙がった。

60%の組織がサイバーリスクに受動的・場当たり的な対策をしているが、90%が事後対応型では有事に課題が発生するとも回答している(出典:WithSecure)

業界別のセキュリティにおける課題感(出典:WithSecure)

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