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パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスグループの海外事業でブロックチェーン技術などを活用したトレーサビリティ・サービスSHIMENAWA(しめなわ)を導入し日本産農産物の価値向上を実現

PR TIMES

SBIトレーサビリティ株式会社
スマートフードチェーンプラットフォーム「ukabis」の普及に向けた実証の取組み

SBIトレーサビリティ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:輪島 智仁、以下「当社」)は株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、代表取締役社長CEO:吉田 直樹、以下「PPIH」)グループの海外店舗「DON DON DONKI Thailand」で行われたスマートフードチェーンプラットフォーム「ukabis(ウカビス)」(以下「ukabis」)の普及実証において、熊本県産いちごの販売にブロックチェーン技術などを活用したトレーサビリティ・サービス「SHIMENAWA(しめなわ)」(以下「SHIMENAWA」)を導入することが、日本産農産物の価値向上に有用であることを確認いたしましたのでお知らせいたします。


本実証においては、DON DON DONKI Thailandのバンコク中心部のThonglor(トンロー)店と郊外にあるSeacon Square(シーコンスクエア)店の2店舗でukabisの普及に向けた実証の取組みを行いました。店舗で販売された「いちご」のうち、熊本県産いちごの「ゆうべに」や「恋みのり」において、SHIMENAWAを導入し、生産者・産地や出荷日などのトレーサビリティ情報を売り場で訴求致しました。その結果、対象商品の売上増加が観測されたほか、特に地元消費者の来店割合が高い郊外店舗においてはトレーサビリティ情報への顕著なアクセスが認められ、日本産農産物の価値向上に効果的との結論を得ました。

■ SHIMENAWA(しめなわ)アプリ画面(一部)




昨今、日本で開発された優良品種が海外に流出し、中国や韓国などで生産された“日本品種”の農産物がタイなどの東南アジアに輸出され販売されています。中にはパッケージなども日本産をイメージさせるデザインを施しているため、一般消費者にとっては一見では分かり難い状態で販売されているケースもあります。一方これらのいちごは“日本産”いちごと比較した場合、その品質や甘さと言った点ではかなり劣っていることも多く、タイの「DON DON DONKI」の店舗[橋コ1] においては「このいちごは本当に日本で生産されたものか?」という産地を確認したい消費者の声が年々増加傾向にありました。

そこで今回の販売実証では、真正性が高い情報を共有することができるブロックチェーン技術を活用した、生産者、産地や出荷日などのトレーサビリティ情報がスマートにタイの一般消費者に伝わるよう、店頭のPOP広告などにNFCタグやQRコードをセットするなどの工夫を施した手法で訴求効果の検証を実施しました。

※1 ブロックチェーン技術とは、電子署名とハッシュポインタという耐改ざん性のあるデータ構造を利用し、データの変更履歴をネットワーク上で共有することで、価値の保存を可能とした技術をいい、物理的資産の真正性や品質証明を取引者間で行うことで、信頼性の高いエンド・ツー・エンドのトレーサビリティの実現を可能とします。
※2 NFC(Near field communication)タグとは、物理的資産に固有IDを付すことができ、かつ、その資産にかかる重要な情報などをブロックチェーンに書き込む際の入口としても機能するHF帯(近距離無線通信)のICタグ技術をいいます。
※3 QRコードはデンソーウェーブ社の登録商標です。

【販売実証に関する実施概要】
1.販売期間:
 2022年12月16日から2023年1月20日まで

2.実施店舗:
 タイの「DON DON DONKI」のThonglor店とSeacon Square店の2店舗

3.販売された農産物:
 熊本県産いちご「ゆうべに」「恋みのり」

4.店頭での訴求方法:
 店頭のPOP広告にNFCタグやQRコードをセットすることでスマートにトレーサビリティ情報を見ることができるように売り場を工夫

5.効果検証方法:
 ・現地店頭での声掛けによる消費者アンケート調査
 ・トレーサビリティ情報へのアクセス数分析
 ・販売履歴データによる分析

6.販売実証結果(概略):
 ・ブロックチェーン技術、NFCタグやQRコードを使ったトレーサビリティ情報の伝達はタイの一般消費者への品質訴求に効果的であることが確認できました。
 > 特に日本産の高付加価値な農産物の場合、産地や本物証明、鮮度や食味の情報提供において効果的
 > 60パーセント以上の一般消費者は、こうした情報に数パーセントの価格プレミアムの支払いを受容
 > こうした商品を取り扱う小売業への評価も高まる傾向
 ・対象農産物の売上を向上させる効果を見込めることが確認できました。
 > 販売実証の対象となった熊本県産いちごは、対前年および販売実証対象外のいちごを上回る伸びを記録
 ・特に地元消費者が100%と考えられるSeacon Square店(郊外店舗)でトレーサビリティ情報へのアクセス数が多かったことから、郊外エリアの店舗ではより有用であることが確認できました。

今後も当社は、ukabisを通じて国際競争力を持った新たな流通を創造し、海外において日本の農畜水産物のさらなる価値向上を実現することで、日本国外におけるジャパンブランド商品のさらなる認知向上と消費拡大に寄与してまいります。

■ PPIHグループの日本の農畜水産物の海外販路拡大に向けた取組み
PPIHグループは、2020年10月に、日本の農畜水産物の輸出拡大に向けた生産者とPPIHグループのパートナーシップ組織「Pan Pacific International Club(PPIC)」を発足しました。PPICの会員は、PPIHグループとの定期商談や直接取引契約が可能となり、安定した出荷先の確保につながるほか、市場や環境に左右されない出荷価格の安定が期待できます。

■ PPIHグループの海外における店舗数(2023年2月13日時点)
米国65店舗、シンガポール15店舗、タイ6店舗、香港9店舗、台湾2店舗、マレーシア3店舗、マカオ1店舗
※鮮選寿司 香港:5店舗、タイ:3店舗、マレーシア:1店舗

■ SHIMENAWA(しめなわ)とは
SHIMENAWAは世界で350社を超える金融機関、規制当局、中央銀行、システムベンダなどにより構成されたコンソーシアムで企業間取引を想定して設計・実装されたブロックチェーン基盤のCorda(コルダ)を採用し、RFID技術とのデジタルペアリングなどで共有される情報の真正性を担保するシステムで、信頼性の高いエンド・ツー・エンドのトレーサビリティを実現します。
また、ブロックチェーン基盤のCorda(コルダ)を活用したトレーサビリティ・アプリケーションを開発・運用し、ブロックチェーン基盤の活用が抱える運用コストにかかる課題を最小化する技術の開発も合わせて実現することに成功しました。




■  ukabis(ウカビス)とは
スマートフードチェーンプラットフォーム「ukabis」は、スマートフードシステムを叶えるための、生産、加工・流通、販売・消費、資源循環、育種/品種改良 におけるデータ共有を可能とする情報連携基盤です。
ukabisは2022年8月8日に設立された一般社団法人スマートフードチェーン推進機構にて運営します。


【法人概要】





【会社概要】