ドライバーと開発者がそれぞれの目線でトーク
土屋さんと開発責任者の福田さん、開発エンジニアの湯沢さんは、オーナーたちと談笑。その中には、今後の開発に役立つような話も多くあったそうで、湯沢さんはニコニコ。福田さんも、自分が手掛けたクルマたちを見て目を細めて終始笑顔です。それは「オーナーに話に耳を傾ける」というより、単なるクルマ好き同士のオフ会トークそのもの。この人たち、本当にクルマが好きなんだな、と強く感じました。
カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんを司会に、土屋さん、福田さん、湯沢さんのトークショーが行なわれました。Modulo Xが誕生した経緯や、開発の体制、開発中の裏話など興味深い話題が盛りだくさん。湯沢さんは「福田さんは、いつも“これでいいの?”って言うだけなんですよ」と不満げ。それを聞いた土屋さんは、「俺はそこまで厳しくないよ。ちゃんとコメントするよ」というと「福田さんは、何か言われるとムッとするんですよ」と茶化されたりと和気あいあいです。
思い出に残る開発はSTEPWGNだとか。最初の開発車両に乗った土屋さんは「こんなクルマじゃ、後席でポップコーンが飛び散って大変だよ」と福田さんにお話されたのだとか。福田さんは「土屋さんは速く走るだけじゃなく、実際にクルマを使われる方のことも考えていらっしゃる。それがスゴいんですよ」と語るものの「でも走って楽しいクルマじゃないとHondaのクルマじゃないですからね」と、ちょっとだけ抵抗をされるなど、お互いの関係を感じる楽しいひと時でした。
最後に福田さんは「みなさん、優しい方ばかりで。Modulo Xのオーナーの方は、Hondaファンとも違うんだなと思いました。今日色々とお話をさせていただいて、どういうところでModulo Xが刺さりましたか? というのが聞けてすごくよかったです。開発をやっていく上で、刺さること、あと共感すること、感動することのできるクルマ、(心に)刺さるクルマ、精神の部分に対して大事に進めていきたいと思います」と謝辞。
湯沢さんは「本当にこだわってモノを作りたいと思います。走る楽しみってHondaになきゃいけないものだと思いますので、その部分もしっかりと実現しながら、同乗者が快適でいられるクルマを作っていきたいと思います」と今後の展望を語りました。
これからもModuloブランドが続くことを祈って
冒頭にも書きましたが、現在Modulo XはFREEDだけ。FIT Modulo XはFITのマイナーチェンジにより、わずか1年半程度の販売期間で終売となってしまいました。以前からVEZELの開発を進めていたのですが、半導体不足などの影響により開発中止を決断したのだとか。
量販車ならともかく、Modulo Xグレードは覚悟を決めた人が買うのですから、いつまでも待てると思いますし、Modulo Xが出るだろうからVEZELを買い控えている方っていらっしゃると思うのです。それこそ機会損失な気がするのですが……。
Modulo Xオーナーの幸せそうな顔を見て「これからもModulo Xを続けてほしい」と願わずにはいられませんでした。