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鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第56回

【鉄板&旬パーツ】天然木フェイスが秀逸なPCケース「North」を触ってみた

2023年03月21日 13時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII

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静音重視で実際に使ってみた

 組み慣れているのもあるが、あれ? と感じるところがなくスムーズに組めた「North Chalk White」。せっかく組み上げたので、実際に動作させていこう。

 組み合わせたCPUの「Core i7-13700K」は、PL1/PL2ともにインテル定格の258Wを上回る278Wで運用した。「North」はフロントが解放され、ファンの動作音がもろに聞こえる。そのため、CORSAIR製簡易水冷ユニット「iCUE H115i RGB ELITE」の140mm径ファンは、騒音値が最大でも42dBA前後(バラック状態での計測値)になる、最大65%(1100rpm台)にカスタマイズした。また、リアとトップに搭載した排気ファンも、動作音が気にならない60%固定に設定している。

 組み合わせるCPUクーラーや、ビデオカード、ケースファン、そしてファン回転数のカスタマイズでまったく異なるが、ここでのパーツ構成とファン設定では、アイドルの動作音は36~38dBAと、気にならないレベルになっていた。

Core i7-13700Kを組み合わせた

マザーボードはZ690チップセット搭載のASRock「Z690 Steel Legend」

ビデオカードは3連ファンを搭載するPalit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」

iCUE H115i RGB ELITEは、CORSAIRの総合ソフトウェアのiCUEで、ポンプとファンの回転数を設定している。なお、ポンプは「最速(2900rpm台)」に設定している

2基の排気ファンには、Thermalrightの120mm径ファン「TL-B12-W」を搭載。ファン回転数は、マザーボードのファンコントローラーで60%固定に設定した

テスト環境
CPU インテル「Core i7-13700K」
(16コア/24スレッド、最大5.40GHz)
CPUクーラー CORSAIR「iCUE H115i RGB ELITE」
(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード ASRock「Z690 Steel Legend」
(インテルZ690、ATX)
メモリー CFD販売「W4U3200BMS-16G」
(DDR4-3200、16GB×2)
ビデオカード Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」
(GeForce RTX 3080 Ti、12GB GDDR6X)
ストレージ Samsung「980 PRO MZ-V8P2T0B/IT」
(2TB M.2 SSD、PCIe4.0 NVMe)
電源ユニット SUPER FLOWER「LEADEX V PLATINUM PRO 1000W」
(1000W、80PLUS Platinum)
ファン Thermalright「TL-B12-W」(120mm)
OS Microsoft「Windows 11 Pro 22H2」

十分な冷却性能と静音性を発揮した

 CPUやGPUに負荷のかかる写真編集や、動画エンコード、ゲーミング時の動作音などを確認してみた。テストには、「Adobe Lightroom Classic」や、「Adobe Premiere Pro」を使って処理を行ない、各アプリケーションのパフォーマンスを計測する「UL Benchmarks」と、ゲームタイトルの「Marvel's Spider Man: Miles Morales」をを使用した。ゲームは4K解像度、最高画質でプレイし、街中で30分間ほど放置している。

 それぞれ実行時のCPUとGPU温度を「HWiNFO64 Pro」で記録したほか、ベンチマーク実行中の動作音を、3ヵ所で計測した。動作音の計測位置は、机下の床置きを想定してケースフロントトップから60cm上の位置。机上の液晶ディスプレー横への設置を想定して、側面部から斜め前に60cmの位置に、側面から30cmの位置で計測した。

室温は15℃

暗騒音は35.6dBA

 比較的CPU負荷が低く、GPUを使った処理も少ない「Photo Editing Benchmark」の結果からみていこう。負荷は低めとはいえ、CPU温度は最高で80度台に達しているが、騒音値は、うるさいと感じる40dBAをおおむね切っている。40dBAを超えた“側面 30cm”の位置も、ビデオカードのGPUクーラーファンが動作しているタイミングでの計測結果だ。

 動画エンコードでベンチマーク完了に1時間近くを要する「Video Editing Benchmark」でも、CPUやGPU温度が極端に上昇することはないが、ラジエーターファンの回転数は上昇。「Photo Editing Benchmark」実行時から動作音はわずかにアップしたが、十分静かだ。

 ゲーム負荷時はCPUへの負荷は高くなく、ラジエーターファンはおおむね回転率が50%前後(900rpm前後)動作だが、GPUクーラーのファンは回転率45%、1800rpm前後で常に回転した。

 これまでと違って、ビデオカードはPWM制御下での運用になるが、フロント開放+サイドメッシュパネルの高エアフローで、GPU温度は最高でも70度台に抑え込んでいる。

 さらにGPUホットスポット温度「GPU Hot Spot Temperature」も79.1度、爆熱になるDDR6Xメモリー温度の「GPU Memory Junction Temperature」も最高82度と不安のない温度になっている。動作音は当然アップし、机上想定時は40dBAを超えるが、気を取られるほどではなかった。

2万7000円前後の価格をどう見るかで変わるオススメ度

毎日眺めても飽きない天然木フェイス

 今回触ったサイドメッシュパネル「North Chalk White」は、天然木使った秀逸デザインのフロントに加え、しっかりとパーツを選び、各ファンの回転を制御することで、冷却性と静音性を備えたマシンに仕上げることもできる。

 さらにサイドメッシュパネルから漏れるLEDギミックの光も、強化ガラスパネルとは違った味わいでいい感じだ。高輝度LEDを備えたパーツを組み合わせる必要はあるが、おすすめ度はなかなか高いと言える。

 ただし、サイドパネルのラッチ機構不採用など、マイナス点もゼロではない。ケースのコンセプトがまったく異なるが1万円近く安価な「Define 7 Compact」など、Fractal Design製PCケースをいくつか愛用してきた身としては、どうしても比べてしまい、2万7000円近い価格は、正直、高いと感じてしまう。

 もちろん、木材を使ったフロントパネルや、新たに設計されたフレーム構造などを考えれば妥当だと思うが、最終的には天然木フェイスとケース全体のデザインに、どこまで惚れ込むかになるだろう。

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