“Gコア&Pコア”な構成を採用
今回発売となったRyzen 9 7950X3D/7900X3Dは、通常版のTDPが170Wだったところを120Wに絞り、さらにベースクロックも300〜400MHz下げている。既存のRyzen 9 7950X/7900Xと同じ物理16コアないし12コア構成になったことで、Ryzen 7 5800X3Dでは難しかった並列度の高い処理(動画エンコードやCGレンダリングなど)にもより高い適性を獲得した。
一番大事な3D V-Cacheについてだが、AMDが昨年発表した際の解説(https://ascii.jp/elem/000/004/119/4119543/)通り、3D V-Cacheは2基あるCCD(CPU Compute Die:CPUコアを格納するダイ)のうちの片方にしか搭載されない。Ryzen 79500X3D/7900X3DではCCD0とCCD1があるが、常にCCD0が3D V-Cacheを搭載したCCDとなる。
なぜ両方に3D V-Cacheを載せなかったのかという理由だが、AMDは“ゲームでも非ゲームでも最高の性能を発揮できる”ようにしたためと説明している。AMD曰くCCD0とCCD1を両方3D V-Cache搭載にしても、CCDをまたぐような処理になると動作クロックが犠牲になるためパフォーマンスも低下する。
さらに値段上昇も避けられない。3D V-CacheをCCD0だけに限定し、ゲームの処理はCCD0に集中させ、その一方で動作クロックの必要な処理はCCD1(3D V-Cacheを持たないCCD)に担当させることで、どちらの処理でも最高の性能を発揮できるというものだ。CCD0のコアは“ゲーミングコア(Gコア)”、CCD1のコアは“パフォーマンスコア(Pコア)”と考えるとよいだろう。
また、OC(オーバークロック)に関しては若干注意が必要だ。Ryzen 7000X3Dシリーズは倍率を弄るなどで特定のクロックで動かすようなチューニングはできない。一方で、Curve OptimizerやPBO2(Precision Boost Overdrive 2)によるOCによって、より高い性能を引き出すことはできる。また、メモリーのOCに関しては通常版Ryzenと同様に対応している。
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