異色の恋愛ADV『スーチーパイアドベンチャー ドキドキナイトメア』を紹介
Switch移植版『アイドル雀士スーチーパイ』には、平成の懐かしさとドキドキが詰まっていた【後編】
2023年01月27日 20時00分更新

12月8日に発売された『アイドル雀士スーチーパイ サターントリビュート』は、往年のゲームハード「セガサターン」で発売された4作がNintendo Switch向けにリマスターされたもので、パッケージ版のみ4作セットで収録されている
2022年12月8日に発売された『アイドル雀士スーチーパイ サターントリビュート』を、前・後編の2回に分けてお届けする本記事。今回は後編となっているので、前編未読の方はぜひこちらも合わせて読んでいただきたい。
前編では「究極の接待麻雀」というワードとともに、スーチーパイシリーズの主軸である「脱衣麻雀」というゲームジャンルの魅力と、「Nintendo Switchに移植された今だからこそプレイしてほしい理由」を語った。
後編となる本記事では、シリーズの中でも異色の作品であり、スーチーパイシリーズおなじみの脱衣麻雀から離れ、まさかの恋愛アドベンチャーとして発売された『スーチーパイアドベンチャー ドキドキナイトメア』について語っていきたい。また記事の後半では、各種おまけコンテンツなどを紹介していく。
現代だからこそ胸を張ってオススメしたい恋愛ADV
まず結論だけ先に言っておこう。スーチーパイアドベンチャー ドキドキナイトメアは、発売から25年がたった今でも十分に魅力的であり、胸を張ってオススメできるゲームだ。

シリーズ初の恋愛アドベンチャーとして、1998年2月26日発売。前回紹介した『スーチーパイSpecial+Remix』や『スーチーパイII』でももちろん、高いドット絵技術のビジュアルワークは健在だったが、スーチーパイアドベンチャー ドキドキナイトメアはアドベンチャーゲームとして、随所のビジュアル表現に妥協がない
ゲーム本編となるアドベンチャーパートでは、月曜日から金曜日までの5日間にわたって、13人のヒロインたちと交流しながら謎の昏睡事件を調査することになる。事件の解決後には、条件を満たしたキャラクターに告白することができ、特別なデートイベントを楽しめるというゲーム内容だ。

各キャラクターたちとの会話では選択肢も重要だ。好感度が上下し、狙ったキャラクターとデートできるかどうか変わってくる。ターゲットの好感度を上げるだけでなく、ほかのキャラクターの好感度を上げすぎないなどの管理も必要なようだ
アドベンチャーパート自体はそれほど複雑に入れ込んだ構成ではなく、オープニングからエンディングまでの1回のプレイにかかる時間はだいたい1時間ほど。それでも各キャラクターを攻略するためのフラグ管理や、特定のタイミングで発生するイベントムービーを収集するためにはなかなか頭を使う必要がある。

最終イベントまでの間に特定の条件を満たすことで、おなじみのイカサマ麻雀対決が可能に。その後はメニュー画面からいつでも遊べるようになる……のだが、コレがなかなか条件を満たすのが難しい。筆者もまだ実現できていない。悔しい
と、ここまでざっとスーチーパイアドベンチャー ドキドキナイトメアのゲーム内容を紹介してきた。先述してきたとおり、本作はアドベンチャーゲームとしてはシンプルな構成で、現代のアドベンチャーゲームでは当たり前となった、マルチエンディングやナラティブなシナリオ運びのゲームではない。
それでも筆者は胸を張って本作をオススメしたい。なぜなら本作は、ドット絵とセルアニメーションが当たり前だった時代に磨かれ続けた、技術の粋を詰め込んだ至極のビジュアルアドベンチャーだからだ。
動画でお見せできないのが残念だが、その代わり画像は多めに用意した。緻密かつ滑らかなセルアニメのスクリーンショット、そして微に入り細に入り書き込まれたドット絵の芸術を、とくとご覧あれ。
Nintendo Switchをはじめとする各家庭用ゲームハードや、SteamなどのPCゲームプラットフォームのストアを覗くと、今ではインディーゲームを中心にドット絵によるグラフィック表現のゲームが多い。アクションやRPG、アドベンチャーなどジャンルを問わず、多くのドット絵ゲームがストアに並んでいる。
ドット絵という呼び名も、今では"ピクセルアート"と称するのが普通になった。それは決してレトロ回帰というムーブメントに括られるものではなくて、しっかりと現代のゲーマーたちに認められ、そして求められているからだ。
だからこそ、当時リアルタイムで遊んだアラフォー・アラフィフ世代はもとより、イマドキのゲームを楽しんでいるすべてのゲーマーに、筆者は自信を持ってスーチーパイアドベンチャー ドキドキナイトメアをオススメしたい。ダウンロード単体版の価格はわずか1980円。その価値は十分にある。ぜひその目で、高密度なピクセルアートワークと、流麗なセルアニメーションを堪能してほしい。
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