エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀の「チャレンジャー・インタビュー」番外編

「メタ観光」と「スマートシティ」が出会うと何が起きる!?

文●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 角川アスキー総合研究所と一般社団法人メタ観光推進機構は、初の共催で、2022年12月23日19時より、メタ観光オンラインシンポジウム vol. 6「メタ観光DX 〜スマートシティ meets メタ観光〜」を開催する。シンポジウムは、YouTubeチャンネル「エリアLOVEWalker」にて、オンラインで無料配信される。ゲスト登壇メンバーは、鈴木昌幸氏(岡崎市)、下山紗代子氏(一般社団法人リンクデータ)、中尾文宏氏(角川アスキー総合研究所)の3人。

 筆者は、同機構の理事を務めており、今回のシンポジウムでは司会をする。今回のポイントは、まちづくり。岡崎市の都市行政で活躍している鈴木氏や、オープンデータ支援に携わっている下山氏、Twitterの総量分析などを通して街の個性を抽出している中尾氏を迎えて、スマートシティの最前線の話を聞き出しつつ、メタ観光の牧野友衛・同機構代表理事、菊地映輝・同機構理事とともに、そこにメタ観光の考え方を取り込むと何が起きるのか、を語り合っていく。

角川アスキー総合研究所と一般社団法人メタ観光推進機構が初共催シンポジウムで、まちづくりに挑む

 今回のテーマであるスマートシティは、観光においては、「あたらしい観光」や「観光DX」などで語られるように、公共交通や人流のデータなど様々なビッグデータを蓄積・活用し、まちづくりや観光に活かしていく。この取り組みは新しいテクノロジーや概念の下、日々、変化していっているが、果たしてメタ観光はどのように接続できるか、を議論する。

 メタ観光は、オープンストリートマップなどを使ったメタ観光地図や多層レイヤーのアーカイブなど、デジタルデータの利活用が基本にあるが、シンポジウムでは、スマートシティやそこでのデータ利活用に取り組むフロントランナーを招き、メタ観光の切り口から、単に観光だけでなく、まちづくりとしてのスマートシティに、これまで想定しなかったデータとの組み合わせからフィードバックしていく可能性を探る。

 今回のシンポジウムでは、真鍋陸太郎・同機構理事からテーマの解題のプレゼンテーションの後、菊地映輝・同機構理事をコーディネーターに、牧野友衛・同機構代表理事、鈴木昌幸氏(岡崎市)、下山紗代子氏(一般社団法人リンクデータ)、中尾文宏(角川アスキー総合研究所)で、パネルディスカッションを行う。

 メタ観光とは、近年生まれた新しい観光概念で、その定義は以下の通り。

 「GPSおよびGISにより位置情報を活用し、ある場所が本来有していた歴史的・文化的文脈に加え、複数のメタレベル情報をICTにより付与することで、多層的な観光的価値や魅力を一体的に運用する観光」

 メタ観光は、これら従来の様々な観光形態よりも一段上位(つまりメタ)にあって、その多様な観光=多層レイヤーを俯瞰し串刺しにしていく観光概念。メタ観光では、それぞれの観光形態=レイヤーを、場所に対して観光的価値を付与する意味のレイヤーとして捉えている。たとえば、ヘリテージツーリズムであれば、その場所には文化遺産という観光価値があることを示す意味のレイヤーになる。そうしたレイヤーを、位置情報を使うことで1つの場所に複数重ねて提示し、観光客に重層的な観光を体験させるのがメタ観光の概念になる。

■登壇者プロフィール

鈴木 昌幸

岡崎市総合政策部デジタル推進課戦略係長
岡崎市出身。計画関連部署を長く経験し、総合計画、地方版総合戦略、財政計画、公共施設等総合管理計画などを策定。EBPM推進で培った知見を活かし、全庁的な課題のもと、スマートシティ実現やデータ利活用に注力。また、岡崎スマートコミュニティ推進協議会の事務局を務め、公民連携して積極的な事業構築を進めている。

下山 紗代子

一般社団法人リンクデータ代表理事
オープンデータ支援プラットフォーム「LinkData.org」を運営。デジタル庁データスペシャリスト、総務省地域情報化アドバイザー、インフォ・ラウンジ株式会社取締役、ミーカンパニー株式会社データスチュワード、武蔵大学非常勤講師、Code for Japanフェロー、Code for YOKOHAMA 代表/CBO等を兼務。

中尾 文宏

角川アスキー総合研究所戦略推進室 副室長/主任研究員。
2000年角川デジックス入社。インターネット黎明期よりWEBメディア・サービス開発に従事後、2009年角川マーケティングに出向しR&Dグループ長に就任しエンタメコンテンツと最先端テクノロジーを駆使した新規ビジネスの立ち上げに多数参画。SNS分野を専門にTwitter全量ツイート解析によるトレンド分析の研究開発やSNSデジタルマーケティング戦略に従事。

牧野友衛(メタ観光推進機構・代表理事)

Activision Blizzard Japan代表
GoogleマップやYouTubeの日本版の開発、Twitterの国内の利用者拡大の責任者を務め、2016年から2020年までトリップアドバイザーの代表取締役。総務省「異能(Inno)vationプログラム」 スーパーバイザー、日本政府観光局デジタル戦略アドバイザー、東京都の観光振興を考える有識者会議委員も務める。

真鍋陸太郎(同機構理事)

東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 / 大学総合教育研究センター 准教授
専門は都市計画、まちづくりと情報、住民参加実践、まちづくりDX。近年は、文京区でのコミュニティアーカイブの利活用ワークショップ「あなたの名所ものがたり」や、大田区大森山王商店街のデジタルサイネージをコミュニティアーカイブの開示装置として活用する「まちまど」などの実践研究を進める。主な著書に、「帝都物語地図カタログ」(編著・非売品)、「コミュニティデザイン学」(分担・共著:東京大学出版会)、「住民主体の都市計画 まちづくりへの役立て方」(編著、学芸出版社)など。

菊地映輝(同機構理事)

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員・講師
1987年、北海道生まれ。博士(政策・メディア)。2017年、慶應義塾大学大学院後期博士課程単位取得退学。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院研究員などを経て、2019年より現職。専門は文化社会学、情報社会論等。株式会社Lab.808代表取締役、コンテンツツーリズム学会理事、国際公共経済学会理事、東京文化資源会議広域秋葉原作戦会議PMなども務める。現在は、情報社会における文化事象について都市とネットを横断する形で研究を行っている。

■シンポジウム配信リンク
メタ観光オンラインシンポジウムvol.6 メタ観光DX ~スマートシティ meets メタ観光~
https://youtu.be/OAbKNGRKjHI

■一般社団法人メタ観光推進機構HP
https://metatourism.jp/

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