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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第284回

直6エンジンにオープンでスポーツという贅の限りを尽くした、BMW「M4 カブリオレ」

2022年12月24日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

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直6ターボによる圧倒的なパワーが魅力

 イグニッションをかけると、力強いエキゾースト音が轟きます。Mシリーズの世界そのもので、オープンだからといって妥協することなく期待を裏切りません。ただ「ちょっとこれは夜に動かそうとすると……」と唯さん。

 圧倒的なパワー。怒涛の加速。「これ、ちょっと速すぎませんかね?」と言いながらも、クルマを進ませていきます。「エンジン音の高まりとともに、景色がワープしていくみたいです!」という世界観に驚かれている様子。「ボディーサイズは大きいですけれど、運転し始めると大きさをあまり感じないですね。ただ、フロントはちょっと長いかなと思いました」と、取り回しには不満を感じないとのこと。

 「M4コンペティションクーペと違うのは重厚感ですね。あちらの方が軽やかで、こちらの方が安定感というか、接地感があります。それに、加速する時に背中を蹴り飛ばされるように感じるM4コンペティションクーペに対して、背中を押されているんだけれど、手も一緒に引っ張っていってもらっている感覚という違いもありますね」。約200kgの車体重量と駆動方式の違いを肌身をもって体験したようです。

 そして後席も体験。「めちゃくちゃ楽しい」とVサイン。「意外と快適なんですよ。助手席の時とは全然景色も感じも違う! 確かにいいですね」とご満悦です。

 前日に担当編集に預けたのですが、彼の弁によると「とにかく速い。湾岸とかメッチャ気持ちよかった」と、かなり乗り回した様子。「高速を乗る時はクローズドにして走ったけれど、ソコソコに静かだった」だとか。

 足回りは相応にソリッド。でありながら、街乗りで突き上げて勘弁してほしい、という事にはならないのはさすがです。「Z4よりは硬いですね。でもイヤじゃないですよ」と唯さんが言うように、同じオープンモデルのZ4との違いを感じたようです。

スポーツモードの設定画面

通常のメーター表示

スポーツモードのメーター表示

 お楽しみのSPORTモードにチェンジ。足はいっそう引き締まり、排気音も図太く、そしてシフトダウン時にブリッピング音がするようになったり、アクセルレスポンスが鋭くなったりと、M濃度全開。「これ、ちょっと怖すぎます! 一般道でやるモードじゃないですよ」とたじろぐ唯さん。当然、その上にあるTRACKモードは試さず。「このクルマ、普通のSTANDARDモードがイチバンいいと思います」というように日本の道だと持て余すのかなと。担当編集もSPORT PLUSモードの過激さに「MだけにドMの人向けですね」と、うまいことを言い出す始末。

 さて。「ガチのスポーツクーペがあるのに、わざわざカブリオレを買う人はいるのか?」という疑問について。個人的には「Mの世界を五感で楽しむにはコレがイチバン」ということ。もちろんクローズドボディーを買い求めてサーキットで踏みまくる、というのが正しいM体験だと思います。ですが、そこまでストイックなことは、リスクを考えると普通はなかなかできないのでは? その点、このクルマはオープンボディーにすると、Mならではのサウンドを生で感じられ、しかも低い速度域でも楽しめる。そして屋根を閉じて踏めば圧倒的パフォーマンスが楽しめる「実にぜいたくな」クルマだと思った次第。

 アンビバレンツ(二律背反)、ジキルとハイド、言葉は色々あるけれど、そんな二面性が、プラス90万円で楽しめるのなら、絶対にコッチでしょ! と。しかも乗車した4名が全員、Mの世界が楽しめる! 絶対的価格は高いけれど、お買い得に思える、そんな1台でした。

■関連サイト

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。

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