直6ターボによる圧倒的なパワーが魅力
イグニッションをかけると、力強いエキゾースト音が轟きます。Mシリーズの世界そのもので、オープンだからといって妥協することなく期待を裏切りません。ただ「ちょっとこれは夜に動かそうとすると……」と唯さん。
圧倒的なパワー。怒涛の加速。「これ、ちょっと速すぎませんかね?」と言いながらも、クルマを進ませていきます。「エンジン音の高まりとともに、景色がワープしていくみたいです!」という世界観に驚かれている様子。「ボディーサイズは大きいですけれど、運転し始めると大きさをあまり感じないですね。ただ、フロントはちょっと長いかなと思いました」と、取り回しには不満を感じないとのこと。
「M4コンペティションクーペと違うのは重厚感ですね。あちらの方が軽やかで、こちらの方が安定感というか、接地感があります。それに、加速する時に背中を蹴り飛ばされるように感じるM4コンペティションクーペに対して、背中を押されているんだけれど、手も一緒に引っ張っていってもらっている感覚という違いもありますね」。約200kgの車体重量と駆動方式の違いを肌身をもって体験したようです。
そして後席も体験。「めちゃくちゃ楽しい」とVサイン。「意外と快適なんですよ。助手席の時とは全然景色も感じも違う! 確かにいいですね」とご満悦です。
前日に担当編集に預けたのですが、彼の弁によると「とにかく速い。湾岸とかメッチャ気持ちよかった」と、かなり乗り回した様子。「高速を乗る時はクローズドにして走ったけれど、ソコソコに静かだった」だとか。
足回りは相応にソリッド。でありながら、街乗りで突き上げて勘弁してほしい、という事にはならないのはさすがです。「Z4よりは硬いですね。でもイヤじゃないですよ」と唯さんが言うように、同じオープンモデルのZ4との違いを感じたようです。
お楽しみのSPORTモードにチェンジ。足はいっそう引き締まり、排気音も図太く、そしてシフトダウン時にブリッピング音がするようになったり、アクセルレスポンスが鋭くなったりと、M濃度全開。「これ、ちょっと怖すぎます! 一般道でやるモードじゃないですよ」とたじろぐ唯さん。当然、その上にあるTRACKモードは試さず。「このクルマ、普通のSTANDARDモードがイチバンいいと思います」というように日本の道だと持て余すのかなと。担当編集もSPORT PLUSモードの過激さに「MだけにドMの人向けですね」と、うまいことを言い出す始末。
さて。「ガチのスポーツクーペがあるのに、わざわざカブリオレを買う人はいるのか?」という疑問について。個人的には「Mの世界を五感で楽しむにはコレがイチバン」ということ。もちろんクローズドボディーを買い求めてサーキットで踏みまくる、というのが正しいM体験だと思います。ですが、そこまでストイックなことは、リスクを考えると普通はなかなかできないのでは? その点、このクルマはオープンボディーにすると、Mならではのサウンドを生で感じられ、しかも低い速度域でも楽しめる。そして屋根を閉じて踏めば圧倒的パフォーマンスが楽しめる「実にぜいたくな」クルマだと思った次第。
アンビバレンツ(二律背反)、ジキルとハイド、言葉は色々あるけれど、そんな二面性が、プラス90万円で楽しめるのなら、絶対にコッチでしょ! と。しかも乗車した4名が全員、Mの世界が楽しめる! 絶対的価格は高いけれど、お買い得に思える、そんな1台でした。

この連載の記事
-
第618回
自動車
安くてもちゃんとベンツ? 豪華装備付きで588万円の「A200d」に乗ってわかった妥協なき重厚感 -
第617回
自動車
BMWのコンパクトセダン「2シリーズ グランクーペ」が日本の道でマジでイイ5つの理由 -
第616回
自動車
大きくても惹かれる理由がある! アウディの新型「Q5」は全車マイルドハイブリッド化で隙ナシに -
第615回
自動車
「え、これ軽自動車?」運転席をフラットにして車中泊できる日産の軽自動車「ルークス」の本気がヤバい -
第614回
自動車
本気で欲しい! 絶滅危惧種V8 NAを積むレクサス「RC F」、最後にして最高の有終の美に心が震えた -
第613回
自動車
さよなら、スープラ。2026年生産終了を前にこの「直6ピュアスポーツ」を手に入れるべき理由 -
第612回
自動車
「カワイイ顔して、中身はタフ」女性支持4割の三菱・デリカミニが、毎日の相棒に選ばれる3つの理由 -
第612回
自動車
荷物も積めて車中泊もOK! SUV一択で迷っている人にこそ教えたい「ステーションワゴン」の実力 -
第611回
自動車
テスラ・モデルYが劇的進化! スマホ世代を熱狂させる「走る巨大ガジェット」の正体 -
第610回
自動車
【最長航続距離846km】アウディ「A6 e-tron」はEVの航続不安を過去にする究極のグランドツアラー -
第609回
自動車
輸入車No.1の燃費とアルピーヌの走り! ルノー「ルーテシア」が叶える欲張りな選択 - この連載の一覧へ























