出荷が始まったARA-1
ただし製品の詳細は不明
量産チップであるARA-1の出荷が始まったのは2020年11月で、チップ単体だけでなくUSBモジュール/M.2モジュール/U.2モジュールの出荷も開始された「らしい」。
なぜ「らしい」なのかというと、チップ単体およびUSB/M.2モジュールに関してはすでにProduct Briefがダウンロード可能なのに対し、U.2モジュールのみメールでお問い合わせという扱いになっているためだ。またこれとは別に、EVK(評価キット)も用意されているようだが、こちらも詳細は不明である。
さてこのARA-1の内部構造の詳細も、Kinaraは依然として公開していない。今年11月に開催されたLinley Processor Conference Fall 2022において同社としては初めて製品発表をしたのだが、その中でも製品の詳細については一切語られないという不思議なものであった。
ただこれに先立ってKinaraはいくつかのビデオを公開している。アクションカメラに組み込んでリアルタイムに認識させるデモや、複数のビデオストリームに対して複数のネットワークを実施するデモ、ビデオカンファレンス用の仮想背景の実装、E-フィットネス、車載向けのセグメンテーションデモなど。最新のものは、8月に公開されたスマートショッピングのシステム向けデモである。
スマートショッピング以外の動画を見ると、まだARA-1チップにDeep Visionのロゴがあるのがおもしろいがそれはさておき、例えば仮想背景ではインテルのNUCにM.2モジュールを1枚装着して実施した場合と、NVIDIAのXavierを利用した場合を比較して、どちらも平均30ms程度のレイテンシーながら消費電力は15W→2Wと大幅に削減できていることを示した。
スマートショッピング向けには、AMD/XilinxのKria K26というZynq UltraScale+ FPGAが載ったSOM(System On Module)に4枚のARA-1 M.2モジュールを組み合わせた構成であるが、これで最大16本のフルHD H.264動画の処理が可能とされている。
SOMに搭載されるZynq UltraScale+にはアプリケーションプロセッサーとしてCortex-A53も載っており、これの上でOSやアプリケーションを動作させることも可能なので、外部にホストが要らない
ARA-1の性能そのものは、600MHz駆動のものと800MHz駆動のものがあり、おそらくこの800MHz駆動のケースでResNet50で100推論/秒、Mobilenetで554推論/秒の性能とされる。正直性能そのものでいえばそれほど高いものではない。とはいえ、すでに量産品が18ヵ月にわたって出荷されているというのはそれなりに大きなインパクトがある。
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