WindowsアプリとOutlook.comの関係
Outlook.exeには、「メール」、「予定表」、「連絡先」、「タスク」、「ノート」という5つの機能がある。これらは現在では、Windows 10/11アプリの「メール」、「カレンダー」、「Microsoft To Do」(タスクに対応)、「付箋」(ノートに対応)の4つのアプリケーションに対応する。
「連絡先」は、かつては「メール/People/カレンダー」のパッケージに含まれていたPeopleが対応していたが、現在では「メール」のアドレス管理に残るのみだ。
また、Outlook.exeの機能は、outlook.comへのウェブブラウザーからでも利用可能だ。Outlook.exeのノートに対応する機能は、現在のoutlook.comのメールに表示されるOneNoteフィードでアクセスできる。OneNoteフィードは、そのほか、OneNote.exeやOutlook.comのウェブ版OneNoteでも使える。
付箋は2019年のバージョン3からMicrosoftアカウントでマシン間の同期が可能になった。Outlook.exeのノートとはこのとき同期するようになった。Outlook.comが付箋の情報をOneNoteフィードとして表示できるようになったのは2020年頃である。
Androidでは、Microsoftのモバイル版Outlook、OneNote、Microsoft To Do:List & Taskが用意され、Outlook.exeと同等の機能が利用できる。また、モバイル版Outlookには、別にOutlook Liteと呼ばれるアプリケーションが存在する。「メール」「予定表」「連絡先」という機能は同等だが、メールの接続先がMicrosoftのクラウドサービスに限定される反面、パッケージサイズが小さくなっている。
Outlook Liteは、一部の国向けの限定された製品だった。そもそも、Android版のOutlookは、サードパーティー製ソフトウェア(AcompliやSun Rise Calendar)を買収して作られたもの。Microsoft To Doも2015年に買収したWunderlistがベースになっている。
Microsoftは、Windows CEから続く同社のモバイルOSであるWindows 10 Mobileの開発を続けていたが、2017年に中止を決定、Androidなど他社のスマートフォン上でのサービス展開に切り替えた。そのため、急いでAndroid対応を進める必要があり、既存のアプリケーションを買収して、Outlook.comに統合したサービスにアクセスできるクライアントプログラムを用意することになった。
基本機能に関しては、Outlook.exeで利用できるものは、すべてWindowsアプリやAndroidスマートフォン、あるいはブラウザーから利用できる。ただし、依然としてOutlook.exeでしか実行できない機能もある。たとえば、ユーザーが独自のビューを設計したり、既存のタスクや連絡先に独自のフィールドを追加する機能などだ。これらの機能は、Outlook.exeとExchange ServerでNotes/Dominoに対抗しようとしたことの名残だ。

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