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子ども向けマイクラ災害マップや3D空間思い出アプリ、都市でマウントなどが登場! 仙台で今年最後のPLATEAUハッカソンを開催

「PLATEAU Hack Challenge 2022 in enspace(仙台)」レポート

特集
Project PLATEAU by MLIT

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社会実装に向けたアイデアが多数誕生した

 今回の仙台ハッカソンにメンターとして参加していた常名隆司氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社)が指摘したのは、参加者のモチベーションの高さだ。

 「(2022年度の各地のPLATEAUハッカソンでは)地域活性化や観光集客など、いろいろな方がいろいろな思いで参加されていました。ただ、『PLATEAUでどう作るか』という主題が一番強いのはここの会場だったのではないかと思います。手段としてPLATEAUのデータを使うのと同じようでいて、結論は決して同じにはならないのです。この会場は、PLATEAUと自分たちの技術力を掛け合わせて何かを生み出そう、という人たちばかりだった気がします」と常名氏は評した。

 同じくメンターの石丸伸裕氏は「メンターとして会話した2チームは、いずれも事前によく勉強され、やりたいことや問題意識を持った向上心の高い方々でした。話していると開発内容とは直接関係のない質問もどんどん出てきて、PLATEAUの裾野が広がり、日々の業務に活かしたい、と普段から自然に考えているのだなと思いました。ハッカソンに参加しているけれど、目的はハッカソンそのものだけではなく、広範な知識の習得という人が多いと感じました」とコメントした。

 ハッカソンは出会いや知識が一気に広がる場でもあり、形にしたプロトタイプを見せることでいろいろな人に影響を与えられる。

 PLATEAU Hack Challengeを通して感じるのは、1つの技術的テーマで年単位で継続して開催することのおもしろさだ。1年目、特に最初のほうのPLATEAU Hack Challengeは高いスキルや技術的知見を持つ、いわゆる「濃い」ユーザーが集まって、PLATEAUデータで何ができるかを探っていた。できあがったプロトタイプに触れることで裾野が広がった今年度のPLATEAU Hack Challengeでは、より日常的にどう使えるか、という段階になってきている。あるいは、やりたいことを持って会場にやってくる。ただし、まだアイデアと実装力のバランスが十分ではない部分もある。

 メンターとして参加した宿院卓馬氏(ライゾマティクス)は、「実装よりも、ややアイデアドリブン寄りなハッカソンだったのかな、というイメージでした。今後、PLATEAU SDKが公開されることで、アイデアと実装のバランスがよくなっていき、またPLATEAUがもつセマンティクス性をもっと活用したアイデアがあるとよいなと思います」と話している。

 西尾氏は、「PLATEAUデータは3Dモデルという面も大きいが、GISベースの情報を活用することにも目を向けてほしい」とコメント。また簗瀬氏も「PLATEAUというデータが持つ、建物の大きさや用途などのさまざまな情報を活用してコンテンツを作ることができるのがおもしろさ。それによって、これまで言語化できなかったものを表現できる可能性が生まれる。ものを多角的に分析することで見えてくることは多いのだから」と期待を寄せた。

 これまでのハッカソンから蓄積されてきた知見に、今後公開されるPLATEAU SDKなど開発ツールが加わることで、次なる発展に期待したいところだ。

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