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ASCII Power Review ― 第194回

ソニー「α7RⅤ」実機レビュー = AF専用のAIチップの威力は新次元だった!-倶楽部情報局

2022年11月21日 18時00分更新

文● ASCII倶楽部編集部

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 本日は、ASCII倶楽部の人気記事「ソニー「α7RⅤ」実機レビュー = AF専用のAIチップの威力は新次元だった!」を紹介します。


 ソニーから11月25日に発売される「α7RⅤ」は、フルサイズミラーレス「α7シリーズ」の高画素モデルで、なんといってもAF用の専用AIチップを搭載したのが興味深い。

 2013年に登場した初代から数えて5代目、2019年9月発売の先代「α7RⅣ」からは3年振りのモデルチェンジになるが、今まで代を重ねるごとに改良を繰り返し、特にボディー周りの操作系は着実に向上してきた。今回はどのような進化を遂げたのか注目だ。

量販価格はボディーのみ55万5500円と少々お高めに。写真で装着しているレンズは「FE 24-70mm F2.8 GM II」(29万7000円)。

背面液晶はマルチアングルに
メニューも最新α型に変更

 パッと見ではボディーデザインに大きな違いはなく、背面の操作系も微妙な配置変更はあるものの第4世代とほぼ共通だ。

ボディーサイズは131.3(W) ×96.9(H)× 82.4(D)mm。重量はメディア、バッテリー込みで723g。第4世代の「α7RⅣ」が128.9(W)×96.4(H) ×77.5(D)mm、約665gなので少しだけサイズアップしている。

ボタン類の配置は第3世代(形状などは異なるが)からも共通しているので、代替わりしても迷うことなく操作することができる。

 一番の進化は背面液晶の可動方式で、上方98°下方40°にくわえ、180°回転させることもできる4軸マルチアングル方式を採用した。背面液晶はチルト式とバリアングル式で好みが別れるが、合体させてしまえば誰も文句は無いだろう。

チルト式とバリアングル式が一体になったハイブリッド液晶。柔軟な可動粋にくわえ、側面端子にケーブルを装着しても干渉しないというメリットもある。

 上面の操作系ではシャッターボタン後方に動画撮影ボタンを配置された。動画撮影がメインならこの位置のほうが使いやすいだろう。露出補正専用だった右肩のダイヤルは通常のコマンドダイヤルに変更。おかげで好みの各種設定を割り当てることができるようになった。モードダイヤル下部には「静止画/動画/S&Q(スローアンドクイック)」ダイヤルを新たに搭載。この辺りは2021年12月発売の「α7Ⅳ」と共通している。

ハイブリット液晶のため少し厚みが増している。グリップの形状が微妙に改良され、ホルード感は良好だ。

動画撮影ボタンが上面に配置されたが、カスタマイズで他の機能を割り当てることもできる。

露出補正ダイヤルは通常のコマンドダイヤルに変更。例えばISO感度を割り当てれば、ダイレクトに変更できるのが便利。

先代まではモードダイヤルから選択していた動画モードは、新設された「静止画/動画/S&Q」ダイヤルから設定できる。

 メニューは2020年10月発売の「α7SⅢ」で大幅に一新した、項目ごとにタブ分けしタッチ操作も対応したタイプになった。一部項目の分類が変更されているので先代ユーザーからすると初めは戸惑うかもしれないが、慣れるとコチラのほうがスムーズに操作することができるはずだ。さらに「メイン」という項目が追加され、各種撮影情報を一覧で表示、変更ができる。

縦に項目で分類し横に進むと細分化するメニュー画面。タッチ操作との相性も良い。

新規に追加したメイン画面では、項目をタッチして即座に設定変更が可能できる。

EVFは最高クラスの944万ドット
CFexpressのTypeAで最速クラスに

 EVFもαシリーズのハイエンドモデル「α1」と同等の944万ドットで、現行のミラーレスのなかではトップクラスの高精細だ。

 デュアルのメディアスロットは双方ともUHS-2のSDにくわえ、CFexpressTypeAにも対応。普及しつつあるCFexpressTypeBと比べるとまだ割高感はあるが、今後もαシリーズユーザーを続けるのなら、そろそろ導入を検討してもいい頃合いかもしれない。

UHS-2のSDとCFexpressTypeAでは挿入時の端子の向きが異なっている。

 側面端子のHDMIがフルサイズに変更されたのは動画撮影派には喜ばしい進化だろう。またシンクロ接点も変わらず搭載してくれて静止画撮影派も嬉しい。

側面の端子類。HDMIがフルサイズになり、配置も後方真ん中から先方上部に移動。ケーブルの取り回しを考えると、このほうがいいだろう。

 バッテリーは2017年5月発売の「α9」以降共通の「NP-FZ100」を採用。公称の撮影可能枚数は先代の約530枚から約440枚(ともにファインダー撮影時)に減っているが、それでもフルサイズミラーレスとしては標準的なレベルだ。

α9以降αシリーズのフルサイズは全てバッテリーが共通。機種を買い替えてもバッテリーを使い回せるのは経済的。

 また別売の縦位置グリップは今までは各世代で専 用品だったのが、今回は第4世代の「VG-C4EM」(3万6170円)が使用できる。所有している先代のユーザーには朗報だろう。

専用チップ追加でαシリーズ最高のAI-AFが実現
2億4080万画素のシフト撮影も進化

 撮影機能で最も進化したのが被写体認識AFだ。従来機までは瞳AFによる被写体認識だったので、対象は人物と動物、鳥に限られていたが、本機では電車や自動車、飛行機なども認識が可能になった。  認識する対象はメニューから設定するが、任意のカスタムボタンに「認識切換設定」を割り当てれば、ボタンを押すだけで即座に切り替えることもできる。が、欲を言えば被写体問わす自動で認識してくれる機能が欲しいところだ。

 また被写体の認識部位(瞳/頭/体)やトラッキングの乗り移りや維持特性など細かい設定ができる。ただ状況(被写体と背景の境界が曖昧など)やフォーカスエリア(ワイドかスポットなどで)によって認識具合は変わるので、使いこなすにはある程度の工夫が必要だ。

 とはいえ、一度認識してしまえば粘り強く被写体に食い付てくれる。さすが瞳AFでトラッキングを普及させたαシリーズの最新モデルだと思わせてくれた。

メニューに「被写体認識」の項目(従来は「顔/瞳AF」だった)が追加された。

認識する被写体の設定は、メニューから選択できる。ただカスタムボタンに「認識対象切換設定」を割り当てるほうが実用的。

「認識対象切換設定」ではボタンを押した際に切り替わる被写体を選択することができる。

被写体によってはトラッキングの動作や認識部位など細かく設定もできる。

被写体認識「鳥」で撮影。ピントの合った瞳が怖いくらいの解像感だ。全ての作例はホワイトバランスオート、Dレンジオプティマイザー、オート・クリエイティブルックはスタンダード。以下記述あるまではすべて「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」で撮影。絞りF2.8・シャッタースピード1/1600秒・ISO400。

飛び立つ直前の後ろ姿だが、それでも瞳にピントが合っている。絞りF2.8・シャッタースピード1/8000秒・ISO400。

飛んでいる鳩にも追随してピントを合わせてくれた。絞りF2.8・シャッタースピード1/8000秒・ISO400。

この写真では何故か認識せず。距離が遠いのか、背景と同化したのか、理由は不明。絞りF2.8・シャッタースピード1/800秒・ISO100。

被写体認識「昆虫」で撮影。画面の手前か中央に近い被写体を認識するので、アングルを少し変えることで認識する被写体を切り換えることができる。絞りF2.8・シャッタースピード1/3200秒・ISO400。

蜂が後ろ向きだったせいか、この写真では認識してくれなかった。絞りF2.8・シャッタースピード1/5000秒・ISO400。

被写体認識「車/列車」で撮影。電車は正面からでは運転席に、横からでは車両を認識する。この写真では鉄橋のせいで認識が少し迷っていた。絞りF2.8・シャッタースピード1/6400秒・ISO800。

被写体認識「飛行機」で撮影。建物の間を飛び去る飛行機。この短い間でも認識してくれるのはお見事。絞りF5.6・シャッタースピード1/640秒・ISO100。

 画素数は先代と同じ6100万画素だが、現行のフルサイズ機では最高解像度であることには変わりない(他にはライカ「M11」とシグマ「fpL」しかない)。特に今回試用した「FE 24-70mm F2.8 GM II」や「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」のような最新レンズとの組み合わせでは、驚くほど精細感が味わえる。

絞り開放でもキレのある描写だ。絞りF2.8・シャッタースピード1/3200秒・ISO100。

解像感がわかりやすい遠景を標準ズームで撮影。拡大して細部の精細感を見て欲しい。以下の写真はすべての「FE 24-70mm F2.8 GM II」で撮影。絞りF2.8・シャッタースピード1/400秒・ISO100。

絞り開放の近接撮影でも高解像度と優れたレンズ描写でシャープな写り。絞りF5.6・シャッタースピード1/640秒・ISO100。

逆光でも描写が乱れることなく、葉の細部まで再現されている。絞りF11・シャッタースピード1/50 秒・ISO100。

 16枚の画像を合成し、2億4080万画素の画像を生成する「ピクセルシフトマルチ」撮影も進化し、撮影時の被写体の動きを検出し、補正して合成することが可能になった。さすがに手持ち撮影は難しいが、草木や水面など、自然の動きがある風景写真で活躍してくれそうだ。

動きを補正した」ピクセルシフトマルチ」の写真。絞りF8・シャッタースピード1/250 秒・ISO100。

動き補正の有(写真左)と無(写真右)の画像を拡大して比較。動き補正をしたほうが水面の揺らぎが自然に合成されている。

 高感度の画質も先代と同等で、ISO6400を超えたあたりからノイズを感じ始めるが、ISO12800程度までは常用範囲だ。また高解像度だけあって拡大して見なければ常用最高感度のISO32000でも意外と許容はできる。


 続きは「ソニー「α7RⅤ」実機レビュー = AF専用のAIチップの威力は新次元だった!」でお楽しみください。

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