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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第57回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2022年11月12日~11月18日

DX予算を計上する企業が49%、若手ITエンジニアの転職成功率は高い、データ活用企業に「分析疲弊」も、ほか

2022年11月21日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2022年11月12日~11月18日)は、国内企業の2022年度IT投資動向、データ活用の進捗度合い、最新のフィッシング/マルウェア動向、クラウドデータの保護実態、若手ITエンジニアの転職成功率についてのデータを紹介します。

■[IT予算][動向]2022年度は41%の企業がIT予算を増額 ~調査開始以来最高値、投資分野は「電子契約」「BI/データ分析」(アイ・ティ・アール、11月16日)
・2022年度(2022年4月~2023年3月)は41%の企業がIT予算を増額、2001年以来最高値
・DX関連予算を計上する企業は49%、業種別は製造業のIT予算比率が最多
・新規導入する可能性がある製品・サービス1位は2年連続で「電子契約/契約管理」

 IT戦略・投資の意思決定2172人からIT投資動向を調べた「国内IT投資動向調査報告書2023」より。2022年度(2022年4月~2023年3月)にIT予算を増額する企業は41%で、2001年の調査開始以来最高値となった。増減傾向を指数化した「投資インデックス」は2022年度は2年連続で上昇、2006年以来の3ポイント台に到達した。2023年度に新規導入する可能性がある製品・サービスは前年度に続き「電子契約/契約管理」がトップ、導入済み企業の投資額増減傾向を示す「投資増減指数」は「BI/データ分析」がトップとなった。

IT予算額の増減。増額した企業の割合が最も高いのは「500億~1,000億円未満」で、中堅企業が大企業を上回る増額の動きが見られた(出典:ITR)

「電子契約/契約管理」は2年連続で新規導入/投資増額の可能性がある製品・サービスのトップとなった(出典:ITR)

■[DX][人材][データ分析]データ活用レベルは「業務改善」が25%、データ活用企業の中には「分析疲弊」も(ウイングアーク1st、11月17日)
・データ活用レベルは「業務効率」が25%、「全く行なっていない」は11.2%
・データ活用/分析に注力していない理由は「専門人材の不足」(33.3%)がトップ
・データ分析に注力する企業の7割が「分析疲弊を感じている」

 売上高100億円以上の企業の役職者530人を対象に、DX人材とデータ活用の実態を調査した。データ活用レベルは「業務改善、オペレーション効率化」(25.5%)が最多。データを活用する企業の80.9%が「データ活用に注力している」と回答、そのうちの70.3%が、データ分析に時間をかけすぎて疲弊している「分析疲弊が起きている」と述べた。自社のビジネスに合うデータ分析人材を採用する際に好ましい形としては、「外部人材」が21.1%、「社内人材の育成」が50.8%となった。

データ活用レベルは「業務改善、オペレーション効率化」が最多の25.5%にとどまった(出典:ウイングアーク1st)

データ活用に注力している企業の70.3%が「分析疲弊を感じている」と回答した(出典:ウイングアーク1st)

■[セキュリティ]ハッカーのお気に入りブランドは「Facebook」、「au」も――2022年Q3のフィッシング攻撃レポート(Vade Japan、11月15日)
・2022年Q3、フィッシングメールは前年同期比31%増
・マルウェア攻撃は2022年9月までで2021年の総数を上回る
・なりすましの多いブランドのトップは「Facebook」、「au」は7位

 マルウェアやフィッシングについて、2022年第3四半期(7月~9月期)の世界ベースの動向をまとめた。同期間のフィッシングメールの件数は2億390万件で、前年同期比31%増となり、2022年下半期のフィッシング数は2022年前半を上回るペースで増加していると報告している。またマルウェアの検出数は5250万件で、前年同期比では217%増加したものの、前四半期(2022年Q2)比では減少した。なお、2022年のマルウェアの合計数はQ3までで累計1億7750万件と、すでに2021年通年の1億2170万件を上回っていると報告している。

2022年7月~9月のフィッシングメール検知数。7月がピークで8月は減少している(出典:Vade Japan)

なりすましされるブランドトップ10。「Facebook」(左端、ピンク)がダントツの1位、日本の「au」は7位(出典:Vade Japan)

■[クラウド]クラウドからデータセンターにワークロードを戻した企業は88%、XaaS利用動向(ヴィーム・ソフトウェア、11月16日)
・88%が「クラウドからデータセンターにワークロードを戻したことがある」と回答
・DRaaSやBaaSなどクラウドホスティングインフラを活用する組織は98%に
・「Microsoft 365」データの保護を行なっていない企業は11%

   日本を含む7カ国のITリーダー1700人に、IaaS/PaaS/SaaS/BaaSおよびDRaaSについて調べ、「Cloud Protection Trends Report 2023」としてまとめた。IaaSでは、新しいワークロードがクラウドに乗るペースは古いワークロードの廃止スピードを大きく上回る一方で、開発・コスト/性能の最適化・災害復旧などの理由で、クラウドからデータセンターに戻した経験のある組織が88%いることもわかった。またSaaSでは、90%が「Microsoft 365」のバックアップの必要性を認識しており、データを保護していない組織は11%にとどまった。

パブリッククラウドからオンプレミスにワークロードを戻した経験のある組織は88%にも及ぶ(出典:ヴィーム・ソフトウェア)

Microsoft 365のデータを何らかの方法でバックアップしている組織は89%(出典:ヴィーム・ソフトウェア)

■[キャリア]若手エンジニアの9割弱が転職に成功、身につけたい言語は「Python」(ウィルオブ・ワーク、11月15日)
・若手ITエンジニアの転職成功率は87%
・転職成功者、失敗者ともにトップの要因は「年収」
・今後新たに身につけたい言語のトップは「Python」

 転職経験のある26~35歳のITエンジニア約300人を対象に、転職後の成功意識について尋ねた。「転職に成功した」と思う人は87.3%と多く、そう考える理由は「希望年収以上の年収」が36.6%とトップだった。反対に「転職に成功しなかった」と思う人の理由のトップも「希望年収未満の年収になった」(42.1%)であり、年収が転職成否の判断基準になっていることがわかる。なお、回答者の70.3%が次の転職を考えている。今後身につけたい開発言語としては「Python」「Java」「JavaScript」が多く挙がり、学習方法については48%が「通常業務のみ」と回答した。

転職前に準備したこと/しておけばよかったこと。準備しておけばよかったことは「今後目指したいキャリア像の洗い出し」が最多(出典:ウィルオブ・ワーク)

転職時に身につけた開発言語(上段)は「Java」、今後身につけたい開発言語(下段)は「Python」がそれぞれトップ(出典:ウィルオブ・ワーク)

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