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エディオンによる夢見るのM&A ロボ団を大企業スタートアップ連携のロールモデルへ

堺市発のイノベーションを創出するスタートアップ起業家連続インタビュー第3回 Part 2

特集
堺市・中百舌鳥の社会課題解決型イノベーション

提供: NAKAMOZUイノベーションコア創出コンソーシアム、堺市

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ロボ団は大企業との連携が生んだWin-Winのモデルケースになる

――エディオングループに入って、これからどういうことをしていこうと思っているのでしょうか?

重見:エディオングループに入って、実は教育事業について何も決まっていないということがわかりました(笑)。そこは重見さんが考えてください、みたいな感じで。

 調べてみるとエディオンには出店形態が3つあったので、どういった店のどこにロボ団(の教室スペース)を出店できるか検討しました。そこでエディオンモデルのような勝ちパターンが見えてきたので、中期計画を作ってそのモデルを拡げていこうとしているところです。

 実はエディオンの店舗とロボ団はかなり相性が良い。例えば子どもの習い事なので送迎が必要になりますが、そうすると駐車場が必要になる。だから学習塾のような路面店として教室を作るより、エディオンの中に作った方がお客様にとっては利便性が高い。大きな駐車場や駐輪場もありますし、トイレもある。だから最小限のコストで出店できる。

 また、雑居ビルなどに新規に出店してもお客様に認知されるまでに時間がかかりますが、エディオンならその地域に住んでいる人はみんな知っている。だから親が安心して子どもを連れていくことができる。フランチャイズ展開もやっていますが、フランチャイジーは地元のことを良く知っているので、ここならお客さんが良く来るみたいなことをご存じですし、そうなると話が早い。出店までのリードタイムが劇的に短くなりました。

 もちろん以前フランチャイジーになっていただいた方に対しては、きちんと商圏を切り分けているので、そちらのお客様を獲るようなことはありません。うまく一緒にやっていけるような形になったと思います。

 もう1つエディオングループに入って気が付いたメリットは集客です。通常のプログラミング教室だと、来る人はプログラミングをするために来るわけで、それ以外の用事で来ることはありません。つまりニーズが顕在化している人たちしか教室のある所には来ません。

 でもエディオンにはおもちゃを買いに来るとか家電を買いに来るとか、プログラミング以外のことをするために人が集まってくる。そしてそこに教室がある。週末に体験コーナーを実施していると、親がエアコンの相談をしている間に子どもが寄ってきてロボットプログラミングに触れる。

 エディオンというニーズで集客して潜在層にアプローチできる。別チャネルを経由しての集客ができたということが非常に大きかったと思います。これは他のプログラミング教室では絶対にできないことです。

――逆にロボ団が入ることによってエディオンの店舗側にもメリットがあるのではないですか?

重見:いろいろデータを取ってみると、エディオンの店舗に来るお客様には50歳以上の方が多いということが分かりました。若い人はネットで買ったりしますので。そうすると利用者が伸びていかない。でも我々がやっている教育のターゲットになる小さな子どもの親世代は30代くらいになる。そういうこれまでエディオンを使っていなかった顧客を店舗に呼んでくることができる。しかも家電量販店に行くのは年に数回という方が多いと思いますが、教育は毎週あるので年間50回とか来店することになります。

 そうしてお客様との接点を増やし、かつ子どもの誕生日とかクリスマスとかにクーポンを出したりして、エディオンでの買い物を当たり前のこととすることに成功しました。そうすると他のニーズでもエディオンでの買い物が増えていくので、これが本業にも活かせているメリットの1つですね。

――子どもの教育に関して、今後どんなことに取り組んでいきたいと考えていますか?

重見:今は小学生が中心ですが、それを上と下に伸ばしていきたいと思っています。小学校に入るといろんな習い事を始めることになりますが、その下の年齢だとそんなに選択肢がありません。また、その年代だと男の子も女の子も関係なく楽しいからやりたいと言ってくれる。現状、ロボ団は男の子の方が大分多いんですけど、女の子でも楽しめるということを知ってもらいたい。

 上についてですが、例えばロボ団でロボットやプログラミングに興味を持った子どもを、親はそのまま伸ばしてあげたいけれど、どの高校に入れてあげればいいかわからないことがある。そこをITとかサイエンスに力を入れている高校とマッチングしてあげる。そういうニーズはあると思っています。

 あるいは大学受験の在り方もAOとか総合型選抜とか増えていますし、推薦によるものもすごく増えています。ロボ団出身の子どもがこんなところに入りましたということがわかると、良い大学を志向する親の中には塾も行かせるけどロボ団も行かせておこうとなる方も出てくるのではないかと思います。

 学校の外でも、例えばロボ団主催のコンテストから生まれたロボットが商品化されようとしています。また、世界的なロボットコンテストでロボ団の生徒が日本代表に選出されて、11月にドイツの世界大会に出場することになるなど、実績が積みあがってきています。そういったとんでもない子どもたちをどんどん輩出できるよう、支援を続けていきたいと思っています。

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