KDDIが2日に開催した決算説明会の質疑応答で、同社代表取締役社長の髙橋誠氏が、楽天モバイルが求めているプラチナバンドの再割当について言及。1年以内の利用開始について疑問視した。
現在総務省では、「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース」を今年2月から14回に渡り開催。楽天モバイルは、現在ドコモ/KDDI/ソフトバンクが利用しているプラチナバンドについて、その一部の再割当を受けることにより、1年以内の利用開始を希望している。一方で3社は、再割当の結果、異なるキャリアと周波数が隣接するため、リピーター交換作業やフィルター挿入の工事が発生し、10年程度の期間と数百億円の費用が発生すると主張している。
楽天モバイルの主張に対して、髙橋社長は「かなり強気にフィルターは要らない、(フィルター挿入などにかかる)費用は負担しないと言っておられるが、言い過ぎのところがあるのではないか」とし、楽天モバイルが求める1年以内の利用開始について無理があるのではないかと疑問視。そのうえで、こうした状況をタスクフォースで議論して、最終的に総務省が判断されることになるとした。
また、5Gでは人口過疎エリアを中心に、各社が独自に工事をするのではなく、キャリア間で協力してエリア化を進める動きが見られるが、こうした状況を受けてか、全国レベルのエリア拡大については「非競争領域」と表現。各キャリアが協力して、エリアを作っていくのも1つの答えではないかと考えを示した。