メルマガはこちらから

PAGE
TOP

日立製作所が取り組むCMOSアニーリングマシン&量子ゲート型のシリコン量子コンピューター

連載
大河原克行の「2020年代の次世代コンピューティング最前線」

1 2 3 4

 日立製作所では、2つの観点から量子コンピューティングに取り組んでいる。

 ひとつは、2013年に研究をスタートしたCMOSアニーリングマシンである。

 日立製作所では、CMOSアニーリングマシンの位置づけを、量子アニーリングの仕組みを半導体上で疑似的に再現し、手軽に扱える利便性を有しながら、量子コンピュータが得意とする膨大で、複雑なパターンから最適解を探索する独自のコンピュータ技術としている。

 磁性体の性質を説明するために考案されたイジングモデルを用いて、大規模な組み合わせ最適化問題を、常温環境で、高速に解くことができる計算技術だ。

 2015年には20kビットのCMOSアニーリングチップを開発。2018年には、PoC(概念実証)に取り組むとともに、新たに30kビットのCMOSアニーリングチップを独自に開発した。ソフトウェアとハードウェアのコ・デザインを行う「チックタック開発」という研究開発手法を採用し、顧客との接点で活躍するシステムエンジニアが積極的に開発に関与、フィードバックを繰り返しながら、技術を進化させてきたという。

 その成果をもとに2020年からは、CMOSアニーリングマシンの事業化に乗り出している。

1 2 3 4

合わせて読みたい編集者オススメ記事

バックナンバー