メモリーを拡張して操作性を向上できる
プロセッサーはMediaTek Helio G35(最大2.3GHz)。日本で発売されているスマホでの採用は少ないチップですが、ローエンド向けで「G」はゲーミングを意味しているとのこと。メモリはRAMが4GB、ROMが128GBという構成です。
パフォーマンスは良いとは言えず、キビキビとした動きは期待できません。日常用途で不便を感じるほどではないものの、タッチの反応が鈍かったり、素早いスクロール操作では、カクカクとした表示になることもありました。
しかし、OPPO独自の「ColorOS 12」には、メモリーを拡張できる便利な機能があります。OPPO A77では、内部ストレージに十分な空き容量が確保されている場合に、その一部を利用して、最大4GBのメモリーを拡張できます。つまり、メモリーを実質8GBにまで増やせるわけです。
筆者が試した範囲では、これによって劇的に操作性が向上するわけではないものの、マルチタスク作業やデータサイズの大きいアプリの使用には有利と思えました。
5Gやカメラなど妥協が必要な部分もある
OPPO A77は、2万円台で買えるロースペックのスマホですから、当然、妥協しなければならない部分があります。まず、5Gに対応していないこと。5Gのエリアが着実に広がっている今、長期的な使用を考えると5G対応モデルを選ぶのが得策であることは言うまでもありません。
OPPOはカメラに力を入れているメーカーですが、OPPO A77のカメラ性能への期待は禁物。 OPPO A77のリアカメラは広角(約5000万画素/F値1.8)+深度(約200万画素/F値2.4)、フロントカメラは約800万画素(F値2.0)と、スペックは低めです。超広角では撮影できず、夜景写真は画質が粗くなりがち。カメラをバリバリ使いたい人には適していません。
SIMは2枚挿せて、2回線で待ち受けできるDSDVに対応しています。しかし、最近日本でも普及しつつあるeSIMには対応していません。OPPOは上位モデルはもちろん、昨年発売されたOPPO A55s 5GもeSIM対応だったので、OPPO A77も対応させてほしかったところです。
おサイフケータイには非対応。「Google Pay」には対応していますが、「Suica」「nanaco」などの電子マネーは使えません(NFCも非対応です)。防水性能はIPX4、防塵性能はIP5Xで、上位機種で主流のIP68(IPX8、IP6X)には劣ります。ですが、日常生活ではIP54で十分とも言えます。
【まとめ】ライトユーザーだけでなく
2台目としても検討の価値アリ
OPPO A77のターゲットは、今だけでなく近い将来も含めて5Gの高速通信を必要としないライトユーザーや、Wi-Fi接続をメインに使う人に限られそうです。しかし、2万円台ながら電池持ちが良く、急速充電に対応していることは大きな利点。メインで使うスマホを持っている人が、趣味に使う2台目として検討する価値はありそうです。
たとえば、頻繁に起動してプレイを進める必要があるゲームをしている人、移動中に動画を見ることが多い人、SNSのヘビーユーザーで電池の減りが早いと感じている人などにオススメしたいです。
「OPPO A77」の主なスペック | |
---|---|
ディスプレー | 6.5型液晶 |
画面解像度 | 720×1612 |
サイズ | 約75×163.7×8mm |
重量 | 約187g |
CPU | MediaTek Helio G35 2.3GHz+1.8GHz(8コア) |
内蔵メモリー | 4GB |
内蔵ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | microSDXC(最大1TB) |
OS | ColorOS 12(Android 12) |
対応バンド | LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/13/17 /18/19/26/28/66/38/41 W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19 4バンドGSM |
無線LAN | IEEE802.11ac |
カメラ画素数 | 約5000万画素 +約200万画素(深度) イン:約800万画素 |
バッテリー容量 | 5000mAh(33W充電対応) |
生体認証 | ○(側面指紋、顔) |
FeliCa/NFC | ×/× |
防水/防塵 | △/○(IP54) |
USB端子 | Type-C |
イヤホン端子 | ○ |
カラバリ | ブルー、ブラック |
価格 | 2万4800円 |
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