世界最高峰の一角を占めるイヤホンブランドとも協業
Odysseyは共同開発だが、実質Empire Earsの現行フラッグシップになる製品だ。A&ultima SP3000と組み合わせることを念頭に設計されている。Empire Earsは日本での知名度は高くないが、アメリカではオーディオフォーラムのHeadFiを中心として人気が高いブランドだ。新機軸の機能を積極的に取り入れるブランドでもある。
Odysseyは独自の10ドライバー構成(Quadbridシステム)を搭載している。これは2基のサブウーファー、5基のBAドライバー、2基の静電ツイーター、そして1基の骨伝導ドライバーから構成されている。このドライバー群を統合するために7ウェイの「synX」クロスオーバーネットワークが採用されている。Empire Earsでは、骨伝導ドライバーと従来型ドライバーを組み合わせた構成をデュアル・コンダクション・アーキテクチャーと呼んでいる。
Odysseyの筐体デザインは、ENIGMAと呼ばれる独自のダイクロイック・フェイスプレートを採用、9つのポリマー層を3ステップで積層している。これは特定の波長の光をフィルターして反射させるというユニークな機能を持っていて、見る角度によって色が変化する。
標準ケーブルはUPOCC高純度銅のリッツ線材が採用され、プレーヤー側端子は4.4mm5極のPentaconnプラグになっている。
Astell&Kernと蜜月の関係にあるAKM
9月13日の発表会では、旭化成エレクトロニクスのオーディオマイスター佐藤友則氏がスペシャルセッションで参加した。
「AK4490」は「AK380」、「AK4497」は「A&ultima SP1000」、「AK4499」は「A&ultima SP2000」と、旭化成エレクトロニクスのフラッグシップDACチップは、常にAstell&Kernに採用されてきたという歴史に触れ、新開発の「AK4191」と「AK4499EX」も同様にA&ultima SP3000が世界初搭載したと紹介した。据え置きのハイエンドオーディオではなく、ポータブル機が旭化成エレクトロニクスのフラッグシップDACチップを搭載してきたことになるが、これはDACチップの製開発サイクルが、ハイエンドオーディオよりもポータブル製品の開発サイクルのほうが速いためのようだ。
AK4191とAK4499EXのデジタル・アナログ分離は、佐藤氏が長年温めてきたアイディア。LSIのレベルで分離することで、より高性能が実現できたという。AK4191とAK4499EXの間はI2Sではなく、独自のインターフェースを使い、マルチビットデータ(7bit)の受け渡しがなされている。また32bit処理は、より細かく演算できるため、低音域の再現に寄与するといった話も興味深かった。旭化成エレクトロニクスのDACチップの供給は一時不安定になっていたが、本製品については既に問題がない状態であるという。
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