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業界人の《ことば》から 第504回

日本の文化はDX化のほうに進んでいる、シスコジャパン元代表

2022年09月20日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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シスコの方向性が見えにくくなったという声に

 シスコは、ネットワーク機器を開発、販売をするハードウェアメーカーという印象が強い。だが、すでにシスコの売上構成比の50%以上は、ソフトウェアとサービスが占めている。これは日本法人でも、ほぼ同様の比率になっている。この数年で、製品ポートフォリオが急拡大し、ネットワークだけでなく、セキュリティ、クラウド、コラボレーション、ソフトウェア、サービスなどへと広がっており、その結果、一部からは、シスコの方向性が見えにくくなったという指摘も出ていた。

 ウェストプレジデントは、「シスコは、ハードウェアをベースとした会社から、プラットフォームベースの会社に変革したといえる。これまで以上に、お客様のビジネスの成功を支援することができる」とした上で、「これまでのシスコは、高品質で、信頼性が高く、しっかりとサポートが受けられる、強力なネットワーク製品を提供する企業というイメージであった。これは今後も継続する。だが、それに加えて、ソフトウェアの領域にも乗り出し、ポートフォリオを拡大することで、多くの製品を横串にして利用できる環境が整い、その結果、それぞれの製品がより強くなり、より高い価値を提供できるようになる」と語る。

 いま、シスコが顧客に提供できる価値は、4つに集約できるという。それは以下の4点だ。

「アプリケーションの再構築において、アプリケーションレイヤーまでの可視化を実現すること」
「インフラの変革において、ソフトウェアデファインド型インフラを提供し、自動化やオーケストレーションを実現すること」
「エンタープライズセキュリティを実現し、どんな環境から利用しても高いセキュリティ環境を実現すること」
「ハイブリッドワークを支援し、コラボレーションツールの提供に加え、必要な接続性や可視化、セキュリティも提供すること」

 また、幅広い製品を、プラットフォームをベースとして提供することで、従来は、個別に導入したプロダクトごとに行っていた設定を、プラットフォームとして対応することで、拠点を超えた導入したハードウェアの設定を自動化したり、運用や管理をシンプル化したりできるという。そして、次世代型セキュリティアーキテクチャーを採用することで、サイバー攻撃を検知し、様々な脅威を防御し、インシデントが発生した際にも適切な対応ができるように可視化できる。シスコの製品やサービスを、セキュリティが担保された形で利用できるのも、プラットフォームをベースとした会社であるからこそ実現できるものだとする。

 ウェストプレジデントは、「プラットフォームをベースにした会社となったことで、お客様のニーズがどこにあるのかを知り、それに素早く対応することができる」と語る。

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