このページの本文へ

「TikTok creator academy」受講生ノート 第8回

TikTok creator academy 第2期|第6回講義 動画クリエイター修一朗さん

ショート動画のクオリティがぐーんとアップする構成・編集テクニック

2022年11月18日 11時00分更新

文● 馬波レイ 編集●村野晃一(ASCII)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 100組のTikTokクリエイターを対象に、3ヵ月で総額約3000万円の制作支援金、さらに人気クリエイターによるセミナーや参加者同士の交流にてノウハウの共有がなされるなど、次世代のTikTokクリエイターを発掘、支援することを目的にしたプログラム「TikTok creator academy」。

 本連載では、2022年7月~9月で実施されたTikTok creator academy第2期で行われたセミナーの模様をレポート!

 今回のテーマは、「構成・編集テクニックを学び動画クオリティをあげよう」。講師を担当してくれたのは、理論派映像クリエイター修一朗さん。

※以下記載内容はクリエイター個人の見解であり、TikTokの公式見解ではありません

 その講座内容は、以下のようなものになっている。

【 第6回講義のまとめ】
・高い構成力で作られる説得力のある動画。理論派クリエイター修一朗さん
・動画のどこに注目させるかでバズり方は変わる
・もっとも大事なのは動画の構成力
・セミナー参加者との質疑応答

高い構成力で作られる説得力のある動画
理論派クリエイター修一朗さん

 TikTok creator academy 第2期のセミナー第6回目の講師として登壇したクリエイターは「修一朗」さん。大学在学中に動画投稿・配信活動をスタートさせるやその魅力に取り憑かれ、やがてTikTokにも進出。コミカルなナレーションと共に展開する料理や買い物などの日常系のVlog動画が人気を呼び、現在ではTikTokのメイン・サブアカウントをあわせて230万人のフォロワーを持つまでとなった。

ひと目みたら引き込まれる構成力の高い動画で知られる修一朗さん。TikTokで230万人のフォロワーを持つクリエイターにして、現役大学生7年生の24歳。

動画のどこに注目させるかでバズり方は変わる

 修一朗さんが掲げたテーマは“構成・編集テクニックを学び動画クオリティをあげよう”。セミナーの冒頭で修一朗さんは、「今では当たり前の縦画面動画の原点となったのは初代iPhoneが登場した2007年」だと定義(※本人調べ)。そこから現在までは約15年間という長い時間が経過しているが、「動画のルールは変化していない」と教えてくれた。

 そこで修一朗さんは、第1回セミナーの講師としても登壇した人気TikTokクリエイターである「マツダ家の日常」さんの動画を例に具体的な編集テクニックを説明していった。

 参考動画で注目すべき点として修一朗さんが上げたポイントは画像にある3ヵ所。画像に9分割のグリッドを用いてみると、すべての事象が中央に起こっていることがわかる。その理由を修一朗さんは、カット割りの早いショート動画では画面から目を離させないための工夫が大事だと解説。と同時に、字幕やナレーションを使わないからこその技でもあると説明した。

 とにかく基本となるのは、被写体が物体にせよ人物にせよ、または字幕であろうと、視聴者の視点を中央に集めること。それによって動画の一貫性が高まり、エンゲージメントにもつながるということだ。

もっとも大事なのは動画の構成力

 映像を組み立てる構成力も大事だと修一朗さんは説き、「構成がいいほど案件に繋がります!」と言葉に力を込めた。

自身が動画を作るときの台本(字コンテ)を披露。今では30分程度で書けるがTikTokを始めた頃は数時間かかっていたという。

 修一朗さんの動画の場合、基本的には5つのパートで構成している。以下の5項目と台本、実際に投稿された動画を見比べてみると、その構成力の高さが理解できるだろう。

1:問題点(イベント)
2:内容紹介
3:今日すること
4:困難
5:結果(大オチ)

●サンプルとして紹介されたショートムービー「ポップコーンの秘密」

 これ以上ないというくらいシンプルな構成は誰にとっても参考になるとし、しかも後半は静止画をコママンガのように組み合わせていることに着目。「構成が絶対的ならコンテンツはなんでもいい」のだと結論付け、構成やテーマに執着することの大事さを説いた。

セミナー参加者との質疑応答

 セミナー後半では、TikTok creator academy受講者に宿題として予め出されていたテーマに沿った動画を見ながら、修一朗さんから、自身の経験を基にしたアドバイスがされた。その中から、実践で役立ちそうな金言を抜粋しよう。

「ショート動画はデコレーションをしすぎず“生感”を出したほうがバズる」

「TikTokでは最初の3秒が勝負。インパクトの強い掴みやキャッチフレーズなどを表示して“なにをするんだろう”と視聴者の手を止めさせることを意識しよう」

「視聴者との共感を持たせるような一言コメントを動画の最後にいれると、フォロワーが増えやすい」

「非言語の動画で感情を表すのは口元。画面のド真ん中に大きく持ってくることを意識したい」

「ターゲットの間口を広げるためには具体的な(例えば固有名詞を使うなど)テロップを用いるといい」

「TikTok動画で大事なのはビフォー/アフター。動画を見た視聴者がなにかしらの発見ができる要素を入れ込もう」

「Vlog動画で大事なことは、いかに視聴者との距離を縮めるか。学生の動画がバズりやすいのは、多くの人が共感しやすい環境にあるから。逆にマニアックなネタはVlogでは伝わりにくいので切り口の工夫が必要」

 ――といった具合。最後に修一朗さんは、参加者に以下のメッセージを贈っていたので、まとめに替えて掲載しよう。

 TikTokに動画を投稿してもらえることは“仲間がいる”という感情を呼び起こされて嬉しく思います。このセミナーに参加することで、いい動画を作りたいというパッションをたくさん受け取ったので、自分のモチベーションが高まりました。中には「再生数が伸びないし投稿を止めてしまおうかな」と思う人もいるかもしれませんが、動画投稿プラットフォームとして最先端のTikTokだから、そこで諦めるのはまだ早いかなと思うます。まだ日本では大きく稼げるTikTokクリエイターは少ないので、その席を競ってみんなで切磋琢磨していきましょう。

 本連載では、今後もTikTok  creator academy 第2期で行われた講座内容を紹介していく予定だ。

TikTok creator academyとは?

 TikTok creator academyとは、次世代のTikTokクリエイターを発掘、支援することを目的にしたプログラムです。直近ではTikTok creator academy第2期が2022年7月~9月で実施されました。TikTok creator academyでは、応募者の中から選ばれた約100組のクリエイターに、TikTokより制作支援金として約10万円x 3ヵ月が支援されます。また、参加者には特別なプログラムとして、クリエイター同士の交流促進となるサポートや、特別なワークショップやセミナーを通して、動画の制作方法やフォロワー数を伸ばすためのコンテンツ戦略について学ぶ機会が与えられます。

【TikTok creator academy プログラム内容や特典の紹介】
[ 1 ] 約10万円 x 3ヵ月の制作支援金
[ 2 ] 豪華講師陣によるセミナーへの参加(7月~9月の間に2回ほど実施)
[ 3 ] 毎週行われるセミナー/交流会への参加(平日月、水、金いずれかの7pmから開催予定)
[ 4 ] 同期クリエイター同士で交流が出来るコミュニティへの招待・参加

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン