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「TikTok creator academy」受講生ノート 第11回

TikTok creator academy 第2期|最終回講義 アリーナ・キムさん

世界で人気の海外トップクリエイターが語る「TikTokの現在と未来」

2023年01月13日 11時00分更新

文● 馬波レイ 編集●村野晃一(ASCII)

提供: TikTok

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 100組のTikTokクリエイターを対象に、3ヵ月で総額約3000万円の制作支援金、さらに人気クリエイターによるセミナーや参加者同士の交流にてノウハウの共有がなされるなど、次世代のTikTokクリエイターを発掘、支援することを目的にしたプログラム「TikTok creator academy」。

 本連載では、2022年7月~9月で実施されたTikTok creator academy第2期で行われたセミナーの模様をレポート!

 最終回となる第11回のテーマは、特別オープンセミナー「海外トップクリエイターの思考法」と題し、海外のトップクリエイターを招いてグローバル視点でのTikTokクリエイターとしての考え方を聞いた。今回の講義は受講生以外でも視聴可能なオープンセミナーとして行われ、カザフスタン出身クリエイターХОМЯКことAlina Kim(アリーナ・キム)さんによるトークセッション形式で行なわれた。

※以下記載内容はクリエイター個人の見解であり、TikTokの公式見解ではありません

【 第11回講義のまとめ】
・「人が笑顔になる」動画を志すアリーナ・キムさん
・PRの動画は「見る人の気持ちを想像して」
・日々のトレンドに自分のキャラクターを加える
・これからの活動、これからのTikTok

 アリーナ・キムさんは、2018年よりTikTokへの動画投稿を開始し、パフォーマンス投稿で一躍人気クリエイターに。これまで9億以上のいいねを獲得し、4000万を超えるフォロワー数を持つにまで至った。本セミナー第1回目の講義で講師を務めたマツダ家の日常・関ミナティさんを聞き手、TikTok creator academy 第2期生のニックさんを通訳に、一問一答形式でグローバルTikTokクリエイターならではの視点が語られていった。本稿では、その貴重な話の中から要点をまとめて見ていこう。

ХОМЯКことAlina Kimさん。多彩な表情で明るくポップに展開する動画の数々は、世界中の多くのファンからの反響を得ている。

司会進行を務めたマツダ家の日常の関ミナティさん。彼からの質問にアリーナさんが解答するインタビュー形式でセミナーは進められた。

通訳を受け持ったのは日本在住のロシア人クリエイター・ニックさん。イケメン筋肉ロシア人として知られる。

「人が笑顔になる」動画を志すアリーナ・キムさん

 TikTokが日本でローンチする2017年よりも前から動画編集や投稿を手掛けてきたというアリーナさん。TikTokが誕生し、全世界の人がショート動画を見るようになってから注目され始めたのだそう。初めて1億回再生を達成した動画は、ロシア語での投稿であるにも関わらず全世界で再生された。それをきっかけに、“世界中で見られている”ことを意識して英語を使った投稿を開始するようになったのだという。

初めて1億回再生されたアリーナさんのTikTok動画。

 そんなアリーナさんが、動画を作る時に一番大事にしてることは「笑えるような、面白いものにすること」。最初は自然光だけで撮影していたつたない動画であったが、現在ではスタジオでの撮影や照明機材も揃えて、動画撮影のプロフェッショナルになっていっている。投稿頻度にしても可能な限り毎日決まった数を掲載しているし、それ以外にも企業とのミーティングやドラマといった他のプロジェクト、そして移動時間とアリーナさんの日常は多忙を極める。そのため、週に3日ほどは撮影に集中して動画をストックしているとのことだ。

 もし「疲れているな」「インスピレーションが沸かないな」と感じたときには、スマホを置いてただただ休むのだという。こうした姿勢からもアリーナさんにとってのTikTokは趣味ではなく、楽しみながら稼げる“大好きな仕事”であることがわかる。

 多彩な表情と笑顔が印象的なアリーナさんの投稿動画だが、そのような表現は「恥ずかしがらずに、ありのままの自分を出すことが大事」だと説明。アリーナさん自身はとてもアクティブな時もあればそうではない時もあったそうだが、「自分はどんな人間なのだろう」と考えることで、自分にとって心地よい、本当の自分でいられるところを見つけたのだと振り返る。まったくの別人を演じることはエネルギーを使うし、ユーザーはそのウソを必ず感じ取ってしまう。「だから自分らしくあるほうがいいし、個人としての自分のイメージを磨いていくほうがいいです」と語った。

PRの動画は「見る人の気持ちを想像して」

 現在はTikTok活動で得た収入で生活をしているアリーナさんだが、そこに至るまでにはTikTokハウス(クリエイター同士が共同生活をする合宿施設)に参加してノウハウを共有するなど、約2年間の研鑽があってなし得たものだと語る。

 主要なマネタイズ方法のひとつであるPRの動画を作成するときに一番に心がけていることは、“視聴者の気持ちを想像する”ことだという。自分が本当に良いと思えない商品を宣伝してはTikTokクリエイターとしての自分の信用も落ちるため、その商品がどんなもので、本当にいいものであるかを入念にチェックしておく。そのうえで動画を見たユーザーが「いいね、自分も試してみよう!」と思ってもらえるよう、クリエイティビティを持った(=露骨な宣伝にならない)内容にすることが大事だと説明した。

 現在TikTokに注目している企業は非常に多いが、どうしたらターゲットとするユーザーにアプローチできるかといった手段をまだ確立できていない。だからこそ、自分たちのようなTikTokクリエイターにおすすめしてバズらせてもらうような、シンプルな手伝いが有効なのではないかとも分析した。

 今後のTikTokにおけるマネタイズについては「まだまだ伸び代がある」と断言。前述のように企業からの注目度が集まっていることに加えて、すでに再生数に応じてTikTokからお金が支払われる仕組みがスタートしている国もある。アリーナさんの暮らすCIS(独立国家共同体)経済圏ではまだ導入はされていないが、今後世界的に広がりっていくことは十分ありえる。加えて、TikTok LIVE配信でのギフティングなどもあり、手間を掛けた分だけ収入増につながることは間違いないだろう。

これからの活動、これからのTikTok

 セミナー後半ではざっくばらんな雰囲気で、TikTokクリエイターとして活動するなかで気になるさまざまな疑問へのアンサーがなされていった。

 TikTok LIVE配信をするときに気をつけていることは? という質問には「LIVE配信の一番クールなところは、好きなだけコミュニケーションが取れ、ファンも相手に対してどんなアクションでも起こせるところです」とアリーナさんは言う。日々の投稿を顔出しで行っているが「私と視聴者はコミュニケーションをまったく取らないので、視聴者は私がどんな人間で、どんな性格なのか、いつも笑っているのは本当なのか、知りません」と前提した上で、TikTok LIVEでは、「彼らが何が好きか、何がもっとバズるかを相談することもあります」と、交流しながらファンのリサーチもしているのだと説明をした。

 TikTok活動をする中で、ジェイソン・デルーロやベラ・ポーチといった有名芸能人との交流をすでに果たしているアリーナさん。そんな彼女が今後叶えたい夢は「世界1位を目指す」こと。そのためには今後も、著名人とのコラボを積極的に提案して、クリエイターとしてもっと注目を集めたいのだと夢を語った。なお、コラボを持ちかける際の大事なルールとして「双方にメリットのあるコンテンツを作る」ことだと力説。異なる認識をもつ双方の視聴者を交換できれば、さらなる人気獲得が望めるだろうということだ。

 過去にクリエイター集団YOLO HOUSEの一員としても活躍していたアリーナさんだけに「1人で活動するよりも、グループでお互いにサポートし合うのが楽です」といった意見も。実際、一人でやっていた時は燃え尽きてしまい、周囲に救いを求めてしまったと振り返っている。

 最後にアリーナさんは人気クリエイターになるためのマインドは「何かしらの個性を持つこと、人と違うこと、自分らしさを持つこと」だと説明。今後は現在行っているショートムービーでのドラマ出演など「演技の道に進みたい。日本にも行ってみたい」と夢を語った。本人としては動画制作を今後も続けるかは未定としながらも、「TikTokはとても長い間存在し続けると思います。そして、他のアプリがこれをしのぐとは想像できません」と、セミナーを結んだ。

(提供:TikTok)

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